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2025/07/31 19:02 |
[Review] インクレディブル・ハルク
インクレディブル・ハルクincredible

-【形】
1.(比較無し)〈物事など〉信じられない、信用できない
2.《口語》 驚くべき、非常な、途方もない



軍用の人間兵器開発の端となるはずだったのに、人体実験の失敗で途方も無い怪物となってしまった『ハルク』。感情が高まり、血圧が上がると、途端に自分を見失う。その体躯は常人の何倍にも膨れ上がり、あらゆる兵器にも耐えられる頑強さと、街一つすらも破壊できる強靭な戦闘能力を誇る。
彼の目に映ったものの先はただ一つ、一切の破壊。ただ一人を除いて     

主人公が科学等の力によって絶大な力を得るも、その見返りとして醜い姿と本能のままに破壊活動を行う、という物語設定というのは、多いようでいて実は少ないんですね。しかし、得てしてそういった物語の核となるのは、『正常』だった時に自分が愛した、または自分を愛してくれた者の存在。心の拠所。その存在如何によって、『変身』後の彼の行動は大きく変わる。
お約束のように見えても、実は非常に不安定で、危うい存在。だって、その愛する存在がいなくなってしまったら、彼はもう自分自身すらを止めることはできない。愛すべき人のいない世界など、もはやあって無きに等しい。きっと彼が死ぬまで、己の存在が消えてなくなるまで、破壊活動を続けることでしょう。

今作におけるもう一つの見所といえば、人の果てしない欲望。特に破壊欲について。
自分が得ていない、でも他人が得ている『力』というのは、しばしば嫉妬の対象となる。その『力』を何が何でも得るために、人は凶悪な行動を取ることもある。その力を得た後、どのような副作用が発生するか、どのような醜い姿になるのかも知らずに……。
それでも人は、誰かに優位に立つために、『力』を得ずにはいられない。もっとも、それが一番人間らしい行動の源泉なのかもしれませんが。


しかしながら、そんな人間誰しもが持つ欲望や、たとえ己を見失っても愛する者の存在だけは見失わない、という設定であっても、どうにも二番煎じのような感じがして、今作ならではの見所というものが、実は見つかりませんでした。
というわけで、あまり大きな期待をすることなく、一エンターテインメント作品として鑑賞するのがよろしいかと思います。最後の戦闘シーンは、確かに迫力満載でしたし。
また、次回作に繋がるようなプロットもいくつかあります。どんな作品になるのか分かりません(原作のアメコミを知りませんので…)が、『ハルク』シリーズならではの展開を期待します。

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2008/08/15 22:19 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie
[東京] 嵐の後の美しい景観
この夏は宿泊を挟みながら大移動、というのはなく、東京を基点に日帰りで行ける所をちょこちょこと旅しています。夏といえば向日葵とか百合、蓮といった花々を思い浮かべますが、蓮華升麻というのは今まで見たことが無かったので、鑑賞のため奥多摩は御岳山に行って参りました。


武蔵御嶽神社 富士峰園地からの眺め 蓮華升麻



雨男運勢はここでも例に漏れず、御嶽駅に到着しバスに乗り、ケーブルカーの滝本駅に到着する直前になって、パラパラと雨が降り出してきたのです……。傘を差そうか差すまいか、という程度の雨でしたので、そのまま武蔵御嶽神社に登り、お参りをしました。
ところが、武蔵御嶽神社の境内を散策中に突如の雨。はるか八王子やあきる野市、さらに遠くの横浜方面まで見渡せそうな眺めだったのに、突如として濃い霧が立ちこめ、嵐かというくらいの強風と大雨。稲光が光ったと思ったら、辺りを劈くような雷の轟音。結構近いところに落ちたようで、危ないと悟ったのでしょうか、神主さんが拝殿を開放してくださり、一時的に中で雨宿りをすることにしました。

雨宿り後はそのまま下山。多少地面はぬかるんでいるものの、木屑が多く散らばっていてそれほど歩きにくい道のりではなかったため、蓮華升麻の群生地をいくつか見て回りました。
蓮華升麻の花というのは、思ったよりかは小さいんですね。しかも山の斜面の木陰にひっそりと咲きますから、とりたて目立つような存在ではありません。が、やはり群生となると、見下ろせばそこは見渡す限りの蓮華升摩の花壇。大雨の後の水滴と、木漏れ日の光のほのかな輝きで、涼しげな蓮華升麻を観賞することができました。


雨も止み太陽が出てきた頃、富士峰園地から見える奥多摩の山々は、とても空気が澄み渡って綺麗に見えました。そこに、薄めでほんの僅かながらですが、虹がかかっているのを発見。雨の日が多くて最近の外出は散々な目にあっているのですが、こういうのもたまには良いですね。



『東京都』の写真集についてはこちら

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2008/08/14 19:14 | Comments(0) | TrackBack() | Outdoors
[Review] ハプニング
ハプニングタナトス [Thanatos]

(1) ギリシャ神話で、『死』を擬人化した神。

(2) フロイト用語。攻撃、自己破壊に向かう死の本能をさす。



M・ナイト・シャマラン監督の作品は、僕個人的にはどうも不発が多かったので、あまり期待せず気負いもせず鑑賞しました。正にそれが当たり、だったのかどうかは分かりませんが。今作は割りと素直に観ることができました。
特に、ラストでアボーン(死語)とされるくらいに脱力的な展開をされることがしばしば。なので、それまで心地よく、現実と非現実の境界線を彷徨っていた、何とも表現し難い心地よさがあったのが、いきなりトンデモナイ予想外展開、というより裏切り展開に引きずり込まれたりなんかして……。今作も、はっきりとしたラストを提供するわけではなく、ある意味非常に曖昧な終わり方をしています。でも、個人的にはそれの方がいいかも。変に「今回の異変の正体は~~」というふうに固定的な結果を提示されると、それまでのサスペンスフルの高揚が一気に萎えてしまいそうで(『サイン』とか『レディ・イン・ザ・ウォーター』とかがそう)。まぁ、こればっかりは観る人の好みによって分かれるかもしれませんが。

人類を突然襲う、謎の奇怪な行動。
同じ言葉を繰り返したり、意味不明の言葉を言うようになる。まるでマネキンのように、歩みを止める。最後に、自分を『死』に追い込む。
誰かを殺すわけでもない。特定の場所でしか起こらない(作中では、アメリカ東海岸の一部)。特定の時間でしか起こらない(作中では、ある朝から、明朝までの約1日)。
様々な憶測が広がる。テロなのか、政府秘密組織の薬品散布なのか、それとも毒素を振りまく植物の突然変異あるいは突如とした攻撃サインなのか。全く分からない。だって目に見えないから。目に見えないから捉えようがない。原因を特定しようが無い。様々な憶測が縦横無尽に飛び交う。でも所詮は憶測に過ぎず、真実ではない。どう対処したらいいのか、どこに逃げたらいいのか、全く分からない。
『クローバー・フィールド』と映像表現は異なるものの、何の情報も与えられず、ただ逃げ惑うだけの構成は同じ思います。たとえ観客ですら、真実は与えられない。ただ目の前に広がるのは、訳の分からない、考える暇すら与えられない事実、現実だけ。更に、『クローバー・フィールド』とは違い、今作の脅威は目に見えない。だからこそ怖い。どこに逃げたらいいかも分からないから。

地球環境破壊の警告かもしれないし、単に人類の進化の成れの果てかもしれない。
いずれにしても、未だ人間は、未知なる領域の事象を前には、全くの無力であること。それを震撼させる作品であると思いました。

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2008/08/13 22:05 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie
[Review] ダークナイト
ダークナイト得てして、悪党というのは、欲望を目の前にすると、手元が狂う、目的がかすむ。その欲望を満たしたいがために、課された目的を台無しにしてしまう。
真の邪悪というのは、そんな欲望すらもそぎ落とした存在なのだろう。だから迷いが無く手元が狂わない。目的を見落とさない。自分が思い描いたとおりに世界が動く。自分が思い描いたとおりのルールが、世界に蔓延る。
そんな邪悪な存在だから、人心を操るのもうまい。スピリチュアルな部分ではなく、詐欺師的な手法で。選択を課された側は、それが誰かの生命を奪いかねないとは知らずに。「他人を押しのけても、踏み台にいても、生き残りたい」という欲望。古来より人間誰しもが持っている、そしてそれによって幾度と無く争いの元となってきた欲望。『二つのうち一つ』という限られた選択を巧みにちらつかせ、人の奥底に眠る醜い悪の部分を引きずり出す     



今作が、アメリカで歴代新記録となるほどのオープニング興行収入を得ていた、ということですが、確かにそうだと頷ける作品です。
これまでにも、予想できない、先が読めない作品というのは数多く公開されていますが、この作品以上に、「次に何が起こるか皆目検討がつかない」という作品は無いのでは、と思うくらいの展開。
また、犯行を計画しているのは、確かに今作の黒幕である『ジョーカー』。でも、実際に犯行に及んでいるのは、ほとんど彼本人ではない。彼の手駒であり、そして彼の犯行計画によって嵌められた一般市民。「自分だけは生き残りたい」という欲望を巧みに利用した、極めて狡猾な犯行計画。そこには、『勧善懲悪』という言葉は存在しない、一歩間違えれば、これらの悪と奮闘するバットマンですら悪に染まってしまうかもしれないという危うさを醸し出しています。

考えさせる、というより、エンターテインメント作品でありながら人の心の中の深い闇に入り込み、人心そのものを問う社会派作品的な側面も持つ、最高傑作の作品であると思います。


この作品では、これとは別に感じた側面があります。それは『ヒーローに頼りすぎたツケ』。

どんなに常人の力を誇ったとはいえ、バットマンはこの世に一人。それも、実は宇宙人というわけでもなく、突如超人的な能力を得たわけでもなく、自らの自助努力によって力を得た、『人間』。だから、全ての悪事を解決できるわけでもなく、見通せるわけでもない。それなのに、人は都合のいいところでバットマンに頼り、都合が悪くなるとバットマンを罵る。だから、いざ自分達だけの力で選択しなければならない直面に立ち会った時、社会ではどんなに偉ぶったご大層な人物でも、醜い一面を見せる。まるで、ジョーカーが「待ってました」と言わんばかりの醜い一面を。
それこそが、これまでヒーローに頼りすぎていた人間の脆弱な一部分であり、それが増長すれば、誰しも自分が助かりたいと、醜い争いを始める。

それでも、人間の心の奥底は完全なる悪ではなく、ほんの少しでも良心が存在する。そう思うのがバットマンだけ、というのも、まだまだ哀しい話ではありますが……


全てが恐怖と闇色に渦巻く世界を、フィクションでありながらも限りなくリアルに近づけて描いた『ダークナイト』。完全に予測不可能な世界を、どうぞ最後までご覧になってください。

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2008/08/10 11:23 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie
[山梨] 真夏の楽園

基本的に人ごみが嫌いですので、外出でいくところといえば、閑散としていたり、静かなところを好んで行きます。が、やっぱり夏だもの、夏の象徴といえば『向日葵』でしょうということで、山梨県は北杜市にある、明野ひまわり園へ行って参りました。
折りしも今の時期は、『明野サンフラワーフェス』が開催されており、メイン会場をはじめ、辺りは向日葵の花で埋め尽くされているかのようでした。


明野ひまわり園 - 其の一 明野ひまわり園 - 其の二 明野ひまわり園 - 其の三



けれど実際のところ、この辺りにはそれ以外にこれぞといった名所があまりないのですよ。残念なことに。強いて申し上げれば、山梨県立フラワーセンター・ハイジの村とか、ミサワワイナリーといったところでしょうか。
どちらかというと、季節に合わせた農業的なイベントが多いところなのでしょう。夏だと、ブルーベリー狩りやジャガイモ掘り、秋はさつまいも掘りやりんご狩りといった具合に。
ただ、北杜市全体としては、美術館が非常に多く、美術的な観光の名所として知られているようです。今回の旅は『向日葵』がメインでしたが、文化や美術を中心とした観光も是非体験してみたいものです。

さて、最近は妙に雨男になっているワタクシ。『明野サンフラワーフェス』に到着した時は晴れていたものの、遠くには夏特有の入道雲が発生し、今にも雨が降りそうな雰囲気になっていまいた。
それが的中し、帰ろうとした際はやや小雨がぱらつき、電車に乗って帰路につくや否や、甲府近辺のJR線・私鉄各線が、大雨や落雷の影響で一時運転ストップ! 中央本線は辛うじて無事だったため、そのまま足止めを食らわず帰ることが出来ました。
山の天気は変わりやすいとは言うものの、ここまで連日のように急激な変化をするようなものなのか? と疑ってしまう今日この頃であります。。



『山梨県』の写真集についてはこちら

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2008/08/09 18:14 | Comments(0) | TrackBack() | Outdoors

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