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2024/11/22 06:27 |
[Review] ハプニング
ハプニングタナトス [Thanatos]

(1) ギリシャ神話で、『死』を擬人化した神。

(2) フロイト用語。攻撃、自己破壊に向かう死の本能をさす。



M・ナイト・シャマラン監督の作品は、僕個人的にはどうも不発が多かったので、あまり期待せず気負いもせず鑑賞しました。正にそれが当たり、だったのかどうかは分かりませんが。今作は割りと素直に観ることができました。
特に、ラストでアボーン(死語)とされるくらいに脱力的な展開をされることがしばしば。なので、それまで心地よく、現実と非現実の境界線を彷徨っていた、何とも表現し難い心地よさがあったのが、いきなりトンデモナイ予想外展開、というより裏切り展開に引きずり込まれたりなんかして……。今作も、はっきりとしたラストを提供するわけではなく、ある意味非常に曖昧な終わり方をしています。でも、個人的にはそれの方がいいかも。変に「今回の異変の正体は~~」というふうに固定的な結果を提示されると、それまでのサスペンスフルの高揚が一気に萎えてしまいそうで(『サイン』とか『レディ・イン・ザ・ウォーター』とかがそう)。まぁ、こればっかりは観る人の好みによって分かれるかもしれませんが。

人類を突然襲う、謎の奇怪な行動。
同じ言葉を繰り返したり、意味不明の言葉を言うようになる。まるでマネキンのように、歩みを止める。最後に、自分を『死』に追い込む。
誰かを殺すわけでもない。特定の場所でしか起こらない(作中では、アメリカ東海岸の一部)。特定の時間でしか起こらない(作中では、ある朝から、明朝までの約1日)。
様々な憶測が広がる。テロなのか、政府秘密組織の薬品散布なのか、それとも毒素を振りまく植物の突然変異あるいは突如とした攻撃サインなのか。全く分からない。だって目に見えないから。目に見えないから捉えようがない。原因を特定しようが無い。様々な憶測が縦横無尽に飛び交う。でも所詮は憶測に過ぎず、真実ではない。どう対処したらいいのか、どこに逃げたらいいのか、全く分からない。
『クローバー・フィールド』と映像表現は異なるものの、何の情報も与えられず、ただ逃げ惑うだけの構成は同じ思います。たとえ観客ですら、真実は与えられない。ただ目の前に広がるのは、訳の分からない、考える暇すら与えられない事実、現実だけ。更に、『クローバー・フィールド』とは違い、今作の脅威は目に見えない。だからこそ怖い。どこに逃げたらいいかも分からないから。

地球環境破壊の警告かもしれないし、単に人類の進化の成れの果てかもしれない。
いずれにしても、未だ人間は、未知なる領域の事象を前には、全くの無力であること。それを震撼させる作品であると思いました。

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2008/08/13 22:05 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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