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2025/07/22 11:12 |
[Review] 007/慰めの報酬
007/慰めの報酬『007/カジノ・ロワイヤル』に引き続き、ダニエル・クレイグ氏がジェームズ・ボンド役を務める007シリーズ第22弾。数々の女性を侍らせながらも、洗練され卓越された頭脳と行動力で、冷徹にスパイ活動を遂行する姿は、女性の憧れの的であり、男性の羨望の的と言えます。
しかし、前作といい今作といい、ジェームズ・ボンドはどちらかというと『未完成の男』を象徴しているように思えます。前作は、晴れて『00』の称号を手にすることが出来たため、任務にもとりわけな力を入れてしまうやんちゃで粋がったジェームズ・ボンド。任務中に知り合った女性を心底愛したものの、その彼女の裏切りと死別の狭間で、自分の心や怒りの遣りどころが検討つかない。スパイたる者、冷徹に任務をこなす。そう自分に言い聞かせつつも、撃つ引き金の行く先は、かえって破滅をもたらすことに。今作は、そんな心の傷や遣り場のない怒りを抱えながら、もがき苦しむジェームズ・ボンドを演じているように思います。

任務に冷徹な男の『未完』を綴った作品。最初から完璧なものなどどこにも無い、ということを教えてくれるからこそ、女性だけでなく男性からもどことなく受け入れられるのではないかと思います。


しかし今回はなかなか激しいですね。陸海空と追われるとは。カーチェイスだけ、とかでしたらいくらでもアクション映画で取り扱っていますけれど、陸海空全てに渡った敵味方の攻防戦なんていうのは、この作品くらいなものではないのでしょうか。また、前作は『カジノ』がメインツールとして前面に出ていたので、『諜報活動』というイメージが割りと薄いと感じましたが、今回はスパイらしく、そしてあまり仰々しいハイテク機器を使わない、己の五感と勘をフルに用いた諜報活動が多いと思います。

一方で、今作はヒロインとの絡みがほとんど無いのがちょいと残念。立場的にもボンド・ガールという立ち居地ではなく、最初の方とクライマックスに登場するくらいで、個人的にはもう少しヒロインとのシーンを増やしてほしかったと思います。
まぁ、今作のような「誰も信じない」という空気を前面に出しているジェームズ・ボンドからすれば難しいのでしょうけれど。


そして、毎度のことではあるのですがやはり今作でも鑑賞後に非常に強烈な後悔の念を覚えたのが、自分の英語力の無さ。そろそろ後悔するだけで留まらず、本気で勉強しようと思います。
この類の作品は、むしろその方がもっと楽しめる……はず!

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2009/01/18 12:43 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie
[Review] チェ 28歳の革命
チェ 28歳の革命『祖国か、死か』。

第2次世界大戦直後の南米。未だに欧米諸国の植民地支配と圧制の陰が色濃く残っている世界。戦いによって疲弊した人々に対してさえも容赦なく搾取の日々は続き、格差はどんどん広がっている。それに呼応するかのように革命やクーデターの声が日々高まっている。それでも、民衆が望んだ未来が訪れることなく、一つ、また一つと革命の火種が潰える日々。ゲバラ青年は、中南米を旅する中で、そんな人々の嘆きを具に垣間見ていたそうです。

「革命を起こす」。声に出すのは簡単でも、実際に実行に移すのはそう簡単なことではありません。革命は一人では出来ない。多くの人員の理解を得、力を借り、結集し突き進めていかなければならない。「一人の思想が全てを動かす」。それが如何に困難を極めるか、世界中の歴史が物語っています。
加えて、革命勢力があるということは、その反対の現在の政権の勢力もあるということ。革命勢力とは正反対の思想を持ち、勿論それを支持する団体も存在する。人間とは本来利己的な存在。一度手にした力や権益を、そうやすやすと手放すことはしない。「他の誰かのために」「他の誰かと共に」という考え方は、表面的に繕っても、本音の奥底は微塵も感じていない。

僕は共産主義の人間ではありませんが、それでも、チェ・ゲバラの、自らの信じた革命を推し進めるという強い意志の傍らで、「他の誰かのために」「他の誰かと共に」の意思が色濃く出ているところに、彼の『男気』のようなものを感じました。
常に前線に出て戦いつつも、傷ついた者は必ず収容する。捕虜として捕らえた敵に対しても、極力侮辱的な行為は行わない。仲間から何か教えを乞われてもそれを受け止めて教授するし、規律に反する行為をしたものは厳しい処分を下す(それは時に命を奪うことも…)。
最初はほんの数人にすぎない部隊も、徐々に増え、部隊に賛同する者も老若男女問わず集まってくる。革命を起こす以上、なるべく多くの人は欲しいが、やはり即戦力となるものが欲しいのは本音ですね。武器を持たない者、教育を受けていない者、また年端もいかない者はは帰れという。一見残酷に見下すようでも、一種の優しさなのかもしれません。本来だったら教育を受ける間もなく突進するような部隊が多い中でも、彼は部隊の一人一人が教育を受けるようにさせているから。
確かに部隊は数が多ければ多いほど有利なのかもしれない。でも、どんなに数が多くても、士気が伴わなくては何も意味が無い。時として無名兵士の銃弾が、一気に形勢を逆転することもある。彼はそれを知っているからこそ、部隊の訓練や教育、そして規律に余念が無かったのでしょう。
最初はフェデル・カストロに共鳴した革命の小さな火種が、徐々に大きくなり、業火となってキューバを覆う。民衆の支持も得てその炎が大きく燃え盛り、キューバ革命は達成するのです。

さて、本作は革命遂行時のチェ・ゲバラと、革命終了後の数年後にアメリカでインタビューを受けるチェ・ゲバラと交錯しながら進みます。
しかし、(主演のベニチオ・デル・トロ氏の演技の賜物であるのでしょうけれど)両者のチェ・ゲバラ像は全くと言っていいほど異なります。革命遂行時は、部下からも民衆からも慕われる、気さくだけど誇り高い一人の将校というイメージが強いのですが、革命数年後のチェ・ゲバラは、恐帝と紙一重の恐ろしさが際立つ人物に。
一体、何が彼をそこまで変えたのか。外面は変わっても、その内面は何一つ変わっていないのか。その真相は、もしかしたら次回作の『チェ 39歳 別れの手紙』で語られるのかもしれません。

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2009/01/17 23:15 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie
[Event] 未来をひらく福澤諭吉展
未来をひらく 福澤諭吉展慶應義塾が設立されてから150年。その記念の展示ということで、『未来をひらく 福澤諭吉展』の観覧に、東京国立博物館 表慶館に行ってきました。
実のところ表慶館に入るのはこれが初めてです。本館はこれまでに何度も行ったことがあるんですが。中に入ると、まるで明治時代から昭和初期にタイムスリップしたみたいでビックリ。豪華なつくりでありながらどこか厳かな雰囲気が漂うのは、これまで先人が築き上げてきた、美術・芸術・科学の集大成ならではなのかもしれません。

さて、展示はというと、咸臨丸に乗ってヨーロッパ先進国を周遊してきた当時の写真から、福澤諭吉の遺品や格言に至るまで、「封建社会だった日本を世界に広げつつも、自身は一貫して独立自尊を貫いてきた『福澤諭吉』がどのようにして形作られてきたのか」を念頭に展示されていました。その集大成が、慶應義塾として形を成したのは言うまでも無く。
また、彼に呼応するかのように、慶應義塾出身の卒業生が築き上げてきた文化や一流企業も、後半に展示されていました。今でこそ形を変え、名前を変えている企業もありますが、その名だたる企業名は、今でも一流企業として世に馳せています。

展示では、福澤諭吉の教育の指標として色々なものが挙げられていますが、その中で大きく取り上げられているのが、『身体』と『気品』。
福澤諭吉自身が幼い頃大病を患っていたこともあり、『身体』は全ての基本、『身体』はその後様々なことを学ぶに当たる上で必要不可欠なものとして定め、『体育』の授業を積極的に取り入れたそうです。後々、福澤諭吉自身も三田の屋敷周辺を毎日散歩していたそうで。「健全なる魂は健全なる肉体に宿る」とよく言いますが、それを体現した教育方針に思いました。
『気品』に関しては、酒に酔った宴会よろしくドンチャン騒ぎするのを嫌うところから、常日頃から品位良く保った行動を、といったところでしょうか。しかし今の日本の状況を見たら、何と思うのでしょうね…

そして、展示会の最後の方に、↓のような問いかけのメッセージが掲示されていました。何でも、福澤諭吉がやってみたかったことであるけれど、果たすことなくこの世を去ったとか…
皆さんは、どうお考えですか?


「気品」とは何だと思いますか。あなたが「気品」を感じる人物は誰ですか。

あなたに宗教は必要ですか。人間を超えた存在に救われたと感じたことはありますか。

学問はなぜ必要だと思いますか。いま、何か一つのことを自由に研究することができるなら、何を研究しますか。

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2009/01/12 16:03 | Comments(0) | TrackBack() | Outdoors
[千葉] Who realizes my wish ?

あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
こんなとこ誰も見ちゃいないけどな、はははっ…… orz


成田山新勝寺・釈迦堂 成田山新勝寺・大本堂 成田山新勝寺・平和大塔



混んでるところ・騒がしいところが大嫌いな僕なのに、初詣の場所に選んだのは成田山新勝寺。初詣客数全国2位なのに何故選んだのか、それは『未だに行ったことが無いから』という、本当にしょーもない理由でした。やっぱり寺院巡りは、人の少ない静かなときに限ります。だって折角お参りしたところでほんの数秒の交代制。霊験もへったくれもあったもんじゃねぇって感じ。

結局何願ったっけ?」と後々になって反芻しつつも、果たして神に願懸けしてでも叶えたい願いってあったっけ? と思ってしまいました。願いはあります。でも、どれをとっても『叶えるのは自分』と思うものばかり。結局、歳を取るにつれて思うのは、本当に叶えたい願いというのは、自分自身ではないかと。傲慢のように思えるかもしれませんが。
ですので、神への願懸けとして強いて申さば、「自分で願いを叶えることが出来ますように」という感じでしょうか。


昨年は、仕事関係では不満なことはあまり無く、そういう意味では人並みに幸せに暮らせたと思います。不況のあおりはモロに食らってしまいましたが。しかし、ある日無理以上の歪みを生んでしまうのような仕事を請け負ってしまい、2ヶ月に渡る体調不良に。ようやく回復しつつあるものの、まだ体の中で淀んでいるような、そんな感じがします。加えて、家族にも一年を通して病が流行った一年であり、改めて、自分だけでは何も出来ない無力感に苛まれました。
それでも、ただ単に立ち尽くしているだけでは何も動かない。何も進まない。『自分の願いを叶えるのは自分』である。改めて、そう胸に刻んだ一年の始まりなのでした。



『千葉県』の写真集についてはこちら

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2009/01/01 20:24 | Comments(0) | TrackBack() | Outdoors
[Review] K-20 怪人二十面相・伝
K-20 怪人二十面相・伝この冬に公開された作品を、そんなに数多く観ているわけでもないのに、何故か勝手に「この冬の一押し作品はコレ!」と言ってしまう作品。しかも出てくる俳優さん・女優さんたちが、三谷幸喜監督の作品に引けを取らないくらいのゴージャスさ。しかも、単にゴージャスだけでなく、それぞれの立場や演じ方が面白いくらいに絶妙で、終わるまで楽しく観賞することができました。
何と言ってもこの作品でツボだったのが、かの有名な探偵『明智小五郎』を演じる仲村トオル氏でしょう。なにぶん、シリアスな役とか固い役、それも割りと悪役に近いが多かったのですが、「こ、こんな一面(というか演じ方)があるとは!」と、良い意味で驚きを隠せませんでした(当然、僕の不勉強であるが故ですが…)。また、羽柴家の令嬢役の松たか子氏。多分、単なるか弱いお姫様に過ぎない役柄だったら、絶っっっ対似合わなかったと思うんです。しかし、やはりそこは違ってました。単なる守られるだけではなく、その破天荒と言うばかりの行動が繰り広げられるのですから、「やっぱりこうでなくっちゃ!」と(勝手に)納得してしまいました。勿論、令嬢ならではの世間知らずや天然ボケっぷりのギャップも面白かったです。


最初は割りとシリアスな場面が続きましたが、中ほどになってから徐々に笑いとキャラクターのはっちゃけた行動が次第に大きくなり、最後の最後で、怪人二十面相の正体が明らかに。
結構最初のうちから、二十面相が素顔を出すようなシーンがあって、「あれ?」と思った次第です。だって、この作品のキャッチフレーズは、『怪人二十面相は誰だ!?』。こんなに早々と正体を明らかにしていいのか? と疑問に思ってしまうのも無理はありません。となると、この作品のクライマックスの醍醐味は、如何にして二十面相を捕まえるか、もしくは二十面相の盗みの野望を阻止するか、というところになるのです。
が、クライマックスに差しかかろうとする瞬間に、「明らかに、主要登場人物の誰かが二十面相である」的な展開がありました。しかし、不覚にもそのことをあまり用心深く考えていなかったのです。そして、早々とさらした顔でさえ、実はフェイクであったことには本当に脱帽しました。単純に素直に鑑賞すれば、本気で「二十面相にやられた!」と思わずにはいられないフェイク。二十面相の口上を聞けば、なるほどと思うかもしれませんが、普通は誰しもそうは思わないでしょう。固定観念を逆手に取ったフェイクです。

そして二十面相は、ターゲットにした獲物を、果たして盗むことが出来るのか。それとも、阻止されてしまうのか。それは是非劇場でご確認ください。やっぱり、アクションとかサスペンスには無い、純粋なエンターテインメントを鑑賞するものいいですね。

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2008/12/23 15:48 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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