『神をも恐れぬ人間の傲慢』 。
子供の頃、何らかの悪さをすると、「お天道様が見ているよ!」とよく祖父母に叱られたことがあります。お天道様とは、所謂神様であり、悪い行いは全て神様はお見通し、その悪さに対する罰が下される、というこを意味します。また同時に地元のコミュニティが見ている、ということを意味します。近所付き合いが密で、お互いが助け合っているコミュニティの中では尚更の事、悪事をしても見張られ、するにも出来ません。
しかし、その悪事の規模や残酷さによっては、近所付き合いなど脆くも崩れ去ってしまうこともあります。恐ろしくて手が出せない。恐怖心を植えつけた張本人は、さぞかし有頂天な気持ちになるでしょう。かつて悪事をすれば、誰かが見ていて、誰かが叱った。しかし、そんな者はどこにもいない。どんなに悪事を働こうとも、罰を与える存在はどこにもいない!
膨張した人間の傲慢が行く末は、一体何なのか。この作品も、根底の底は同じような感想を持ちました。
しかし結局のところ、人の傲慢による『業』を成した見返りは、決して全て良いものではない。事業も拡大し、順風満帆な生活を送っているかに見えても、本人には一切の笑みは無く、どこか怯えた表情で毎日を過ごす。それまでに失ったものも数多くあるでしょうに、それが掛け替えの無いものとは気づかないのか、それとも気づいている振りをして無視しているのか、自分の『利』となるものの前では、全てが塵芥と化す。たとえそれが息子であろうとも、彼にとっては重要な働き手にすぎない。お金を生み出す道具にすぎない。
灰色に染まった心は、まるで今の物に溢れた世界に住む人々のよう。いや、今に限らず、神をも恐れぬ傲慢を持つ人間は、昔から多くいたのかもしれません。この作品は、その最たる例として取り上げた題材ではないかと思いました。だって、もうすぐ枯渇するかもしれない、代替エネルギーの開発を急がねばならない、地球環境に優しいエネルギー源を確保しなければならない、そんな風潮の世の中であるにもかかわらず、今も尚、『石油』の覇権争いは、世界規模で行われているのですから。
作風は、戦前や戦直後の画風、フィルム・ノワールというような感じでしょうか。割と淡々に進み、緩急もあまり無いので、刺激を求める方にはお勧めできない作品です。まぁ社会派ドラマですし。
それに、作品そのものから、「決して観客は、主人公をはじめとするキャラクター(ほぼ全員)とは相容れない」という感じが滲み出ています。エンターテインメントを追求する作品であれば、主人公(もしくは主人公側のキャラクター)の気持ちになって鑑賞、というのもありますが、この作品は正に真逆。決して相容れてはならない、受け入れてはならないというオーラが出ています。
そもそもが、「決して他人を信用してはならない、他人は自分の『利』の為に利用するもの」という主人公の意気込みそのものからでしょう。
子供の頃、何らかの悪さをすると、「お天道様が見ているよ!」とよく祖父母に叱られたことがあります。お天道様とは、所謂神様であり、悪い行いは全て神様はお見通し、その悪さに対する罰が下される、というこを意味します。また同時に地元のコミュニティが見ている、ということを意味します。近所付き合いが密で、お互いが助け合っているコミュニティの中では尚更の事、悪事をしても見張られ、するにも出来ません。
しかし、その悪事の規模や残酷さによっては、近所付き合いなど脆くも崩れ去ってしまうこともあります。恐ろしくて手が出せない。恐怖心を植えつけた張本人は、さぞかし有頂天な気持ちになるでしょう。かつて悪事をすれば、誰かが見ていて、誰かが叱った。しかし、そんな者はどこにもいない。どんなに悪事を働こうとも、罰を与える存在はどこにもいない!
膨張した人間の傲慢が行く末は、一体何なのか。この作品も、根底の底は同じような感想を持ちました。
しかし結局のところ、人の傲慢による『業』を成した見返りは、決して全て良いものではない。事業も拡大し、順風満帆な生活を送っているかに見えても、本人には一切の笑みは無く、どこか怯えた表情で毎日を過ごす。それまでに失ったものも数多くあるでしょうに、それが掛け替えの無いものとは気づかないのか、それとも気づいている振りをして無視しているのか、自分の『利』となるものの前では、全てが塵芥と化す。たとえそれが息子であろうとも、彼にとっては重要な働き手にすぎない。お金を生み出す道具にすぎない。
灰色に染まった心は、まるで今の物に溢れた世界に住む人々のよう。いや、今に限らず、神をも恐れぬ傲慢を持つ人間は、昔から多くいたのかもしれません。この作品は、その最たる例として取り上げた題材ではないかと思いました。だって、もうすぐ枯渇するかもしれない、代替エネルギーの開発を急がねばならない、地球環境に優しいエネルギー源を確保しなければならない、そんな風潮の世の中であるにもかかわらず、今も尚、『石油』の覇権争いは、世界規模で行われているのですから。
作風は、戦前や戦直後の画風、フィルム・ノワールというような感じでしょうか。割と淡々に進み、緩急もあまり無いので、刺激を求める方にはお勧めできない作品です。まぁ社会派ドラマですし。
それに、作品そのものから、「決して観客は、主人公をはじめとするキャラクター(ほぼ全員)とは相容れない」という感じが滲み出ています。エンターテインメントを追求する作品であれば、主人公(もしくは主人公側のキャラクター)の気持ちになって鑑賞、というのもありますが、この作品は正に真逆。決して相容れてはならない、受け入れてはならないというオーラが出ています。
そもそもが、「決して他人を信用してはならない、他人は自分の『利』の為に利用するもの」という主人公の意気込みそのものからでしょう。
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