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2017/09/26 10:52 |
[Review] 20世紀少年 第二章 -最後の希望-
20世紀少年 第二章 -最後の希望-血の大晦日から15年が経過した2015年。『ともだち』をはじめとする首謀者達によって嘘の歴史で塗り固められ、本当の事実は闇の底に埋没してしまった未来。それまでにも数多くの『ともだち』による偽りの奇跡が世界を席巻し、国の指導者はおろか、宗教界の指導者でさえ『ともだち』の掌中の中に収められてしまっている。誰一人疑うことは無い。いや、誰一人疑うことは出来ないのだ。疑えば最後、異端として抹殺される。それも秘密裏に。その傍らで、人々は疑うことを知らなくなる。まるで『ともだち』が世界の中で唯一絶対の存在であるかの如く。
そこは言論の自由も、宗教の自由も、思想の自由も無い世界。現代の日本の法律ではあり得ない世界。但し、血の大晦日の本当の事実を知る者以外は。

『取るに足らない平凡な中年男女が世界を救う』という、如何にも荒唐無稽のように見えるけれど、子供の頃思い描いた理想には程遠いけれど、それでも懸命に地面を這い蹲るように生きる人達の物語。世界中が本当の事実を知らなくても、せめて自分達が知っていれば。全てを変えることはできなくても、たとえ世界中に罵られても、自分達だけはちゃんと本当の事実を覚えておこう。
でも、それは変に悟ってしまい、変に諦めを憶えてしまった大人の理論。自分の肉親が、これからも先未来永劫侮辱され続ける、辛酸を舐め続けることを強いられる、10歳代の青臭い若者からすれば、もはや耐えられないことかもしれない。

  「警察なんか大っ嫌い!」

あの時、まだ自分は何の力も持たない子供だった。誰かに頼らなければ生きていけない子供だった。もし自分に力があれば、肉親を助けることが出来たのに、悔しさを滲まずにはいられない。誰か、助けて。心の底からそう叫んでも、誰も助けてくれなかった。誰一人。そして、誰よりも大切な肉親は、偽りのテロリストに仕立て上げられた。

  「どうして戦うことをやめちゃったの!?」

戦うことをやめたいと思ったことはない。けど、今のこの状態で、一体何ができる? 相手は世界の国家や宗教界の指導者までも巻き込んだカリスマ。国家や宗教が味方になれば、自然とそれに従事する人達も味方になる。たとえそれらが盲目の羊達ばかりとはいえ、何十億という人間の力が合わされば、どんなに理想を掲げても、どんなに本当の事実をぶちまけても、大海原に小石を投げるが如く、ほんの僅かに波紋ができるだけ。波紋はすぐに消えて無くなる。
もどかしい。自分に何も出来ないことが、できたとしても、すぐに掻き消されてしまう今の世の中が。

  「どんなに最悪な状況でも、あいつは逃げなかった」

まるで子供の遊びなのに。あのころの情熱も青臭さも、とうに無くなっていたと思ったのに。大人になって、現実を知って、それにどっぷり浸かりすぎてしまったのがいけなかったのだろうか。
大人ぶってかっこつけて、そのまま諦めて世情に流されるという選択肢もある。でも、その選択肢を選んだら、きっとこの先後悔する。未来永劫、死ぬまで。きっと笑うかもしれない。バカなネタに使われるかもしれない。それでも、それまで共に戦う抜いた友人を、肉親を侮辱されるのは許さない。ほんの僅かな波紋でも、繰り返し繰り返し石を投げ続ければ、やがてその波は大きくなり、大きく広がり、大海原を覆い尽くす。それを信じて、今でも、石は投げ続けている。その大海原が、自分達を遥かに超える怪物だったとしても。



しかしながらこの作品、サスペンスドラマにしても、ヒューマンドラマにしても、か・な・り中途半端。血の大晦日の事件が発生して15年後、そこから『しんよげんの書』に書かれている人類滅亡の薬液散布に至るまでの間を描いた物語。なのですが、その物語を無理矢理2時間30分に押し込んだという形で端折りすぎ、展開があまりにも急すぎるため、観客は置いてけぼりされてしまうような結果に。『ハリー・ポッター』シリーズでも結構端折りすぎの部分は多く見られましたが、さすがにやりすぎではないかと思ってしまいました。
これまでのマンガ作品発の映画作品は、たとえマンガを読んでいなくても展開が分かるように作り上げるのが多かったと思います。『デスノート』は、オリジナルを若干含んでいるとはいえ、第一部の7巻までの流れを2章立てにしているので、サスペンスのハラハラ感と物語の重厚さを見事に両立していたと思います。ですが、今作はさすがに原作を読んでいないと、もはやついていけないという状態。いや、多分マンガを読んでもついていけなかったのでは、と思ってしまいました。
劇場では小学生~中学生も多かったのですが、かなり辛そうでしたよ。

仕事帰りに軽く映画鑑賞でも、という意味ではちょっとお勧めできません。多分鑑賞するだけで余計に疲れてしまうでしょう。製作者サイドも、この物語の詰め込み方は相当悩まれたのかもしれませんが、エンターテインメントからえらく懸け離れてしまった作品と感じてしまいました。


あ、でも小泉響子役の子は良かったですよ。

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2009/02/01 12:47 | Comments(0) | TrackBack(16) | Review - Movie

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