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2024/03/28 17:55 |
[Review] 魔法にかけられて
魔法にかけられて御伽の世界では、心優しく美しい姫が歌を歌うと、どこからともなく動物が集まってくる。リスや小鳥、蝶やてんとう虫、そして小鹿といった小動物が姫の下へ。一緒に歌い、踊り、姫と話をしたりしながら、楽しいひと時を過ごす。

これをニューヨークでやったらどうなるか。

あまりにもシュールすぎる展開にっ!!

でもそれが妙に現実っぽくて、もの凄く笑えました。


これまで、現実の世界から御伽の国に迷い込み、そこで様々な経験をする、という作品は数多く公開されています。しかし、その逆、しかも現実を実写でリアルに表現する作品というのは、僕が知る限り(さして多くの作品を鑑賞していないんですけれど…)、この作品が初めてではないかと。『現実の世界から御伽の世界へ』は、決して現実の世界では見ることのできない、魔法や超常現象、架空の生物や宝物が目の前に繰り広げられる。不可解な出来事に四苦八苦しながらも、仲間の助けを借りながらも、心と身体を成長させていきます。
それに対し、『御伽の世界から現実の世界へ』は、やはり基本方針は心と身体の成長。でも打って変わって超現実的。最初はもう世間知らずを通り越した天真爛漫さで、無駄に歌声と踊りを撒き散らします。御伽の世界なら、誰もが振り向いて見とれることでしょう。でも、ニューヨークでは、誰も彼もが、自分に協力的ではない。御伽の世界に迷い込んだ現実の住民とは方向性は違えど、自らの運命は自らで切り開く、そんな逞しさが滲み出ています。

でも、この作品を鑑賞して、何よりも嬉しかったのは、そんなまるで空気の読めない彼女の天真爛漫さでも、心の底から楽しみ、人々を祝福し、そして泣いてくれる、という素直な感情に、現実の人達が触れたことで、「痛みを分かってくれる人がいたんだ」と思うようになったということ。
それは、ニューヨークではなく東京でも言えることです。どこか目が虚ろで、全てが他人事にしか見えず、真に信じられるのは自分だけ。いや、自分自身ですら、信じるに値するかどうか分からない。それでも彼女は、真剣に悩み、苦しみを分かち合おうとし、共に楽しもうとする。本当は誰かと触れ合いたくて、でも信じられるか分からなくて。その心の蟠りを、天真爛漫さで解いていく。その時思う。「ああ、この街も、捨てたもんじゃないな」って。

邦題『魔法にかけられて』の通り、いくつか魔法が出てくるのですが、視覚効果として派手に表現されるのは、魔女の魔法くらいでしょうか。
ジゼルも魔法を使えるようですが、小動物と話したりするくらいで、炎や氷が出せたり、空を飛ぶなんてことはなく。でも、登場人物はもとより、鑑賞者もウキウキさせるその力こそが、本当のジゼルだけが持ち得る『魔法』かもしれません。もし本当に御伽の国の姫が現実世界に来ることがあるのなら、是非東京に! と言いたいところです。


ところで。
勿論、この物語は、ちゃんと御伽の物語のように、ハッピーエンドです。そのお相手は……!

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2008/03/15 22:59 | Comments(1) | TrackBack() | Review - Movie

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コメント

おもしろそうですね
おとぎの国
をゲームの世界と置き換えると・・・
もう実現したますね
posted by きゃっURLat 2008/03/19 11:56 [ コメントを修正する ]
Re:無題
ご来訪&コメント有難うございます。
確かに、日本発のゲームとか、実写で公開されている作品も多いですね。現実世界で繰り広げられると、ちょっと困ったちゃんですが…(汗)

>おもしろそうですね
>おとぎの国
>をゲームの世界と置き換えると・・・
>もう実現したますね
2008/06/09 18:50

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