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2017/07/21 15:45 |
[Review] 王妃の紋章
王妃の紋章今でこそ『家族を大事にしよう』というスローガンが、日本だけでなく世界各地で見受けられますが、それは家族との繋がりが希薄になりつつある今だからこそ。しかし、昔は、とりわけ貴族や王族、武士の間では、(勿論一部でしょうけれど)家族というのは、邪魔で、忌むべき、時に消えて欲しい存在だったのですね。それこそ、日本だけでなく世界で見受けられた現象、という意味で。
「家督を継げるのは正妻から産まれた子であるからこそ。先に産まれたのに側室の子供には、継承権すら与えられない」「『次に産まれた』というだけで、家内での扱いは雲泥の差。長子には自分に勝るものなど何も無いのに」「まだ子を成していない、あるいは未だに姫君のみの出産で、一族郎党全てから白眼視される」等々。

そんな息も詰まるような宮中の暮らしは、たとえ西暦が3桁の中国であろうと、マリー・アントワネットが生きた18世紀であろうと、大した差は無いのですね。どんなに煌びやかな装飾や衣装に囲まれても、自分に忠実な者達を侍らせても、そこは暗く冷たい鳥籠、牢獄と一緒かもしれません。


10世紀の唐時代の中国。豪華絢爛、全てが雅やかに彩られた宮中で蠢く、家族の愛憎。微笑ましく食事する姿も、それは全て表面だけ。心の中は、嘘と隠し事と憎しみで淀んでいる。
作品の序盤は、単に宮中の一日を描くに過ぎない退屈な作品では、と思っていました。しかし、サスペンス映画を追うかのように、時間が経過すればするほど、登場人物の歪んだ関係が色濃く浮き彫りにされる。次第に明らかになる互いの腹の内。しかし、それをどのような手で遂行するかは、まだ双方とも明らかになっていない。どちらが互いの手を読み、それを制するか。
しかし分かっていることは一つ。どちらに転がっても、双方とも破滅しかない、ということ。これまでの中国の武侠映画を初めとするアクション映画は、何と言っても見所はその驚くべき体躯の駆使(まぁワイヤーアクションですけれど…)と、何千何万と出現する兵士、そして一糸乱れぬ動き。「戦争をするのは兵士だが、戦争を起こすのは政治家」の格言よろしく、本来なら家族間で収めるべき事態のはずなのに、なまじ王族の中でのいざこざですから、そのスケールの壮大さといったら。

そして、やはりラストは破滅でしかありませんでした。どちらから勝つにせよ、その損害は著しく大きく、国家の存亡を揺るがすに至る可能性だってある。すごく救いようの無い、後味の悪いラストです。勿論、そうなることは百も承知で作った作品かもしれませんし、その『後味の悪さ』から何を見出すかにもよりますけれど。


それにしても。
予算の配分を間違った作品か? と思ってしまうかのような、あまりにも不自然すぎる合成の数々は一体何なんでしょう?
この作品で最も表現したいのは、表向きの豪華さと、其の裏に蠢く陰謀なのでしょうけれど、それでしたら表の豪華さを、最後まで徹底して貫いて欲しかったな、と思いました。宮中の絢爛豪華さも、マスゲームのような大量の人の動きも目を見張るものだったのに、残念です。

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2008/05/02 22:47 | Comments(0) | TrackBack(4) | Review - Movie

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