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2024/04/18 10:29 |
[Review] レイン・フォール/雨の牙
レイン・フォール/雨の牙『ミッドナイト・イーグル』でも同じような感想を抱きましたが、日本映画は、国を巻き込むようなサスペンス・アクションやフィルム・ノワールというのは苦手なのでしょうか? あまりお金をかけれるような作品ではないのか、日本人が『東京』という見慣れた舞台で繰り広げられるのを見ているからなのか、はたまた『東京』が、フィルム・ノワールを描くのにあまり適さない作品だからなのか。
いずれにしても、楽しみにしていた作品であっただけに、そこまで作品にのめり込めなかったのは残念に思えます。


バリー・アイスラー原作のハードボイルド小説『雨の牙』の映画化作品。
とはいえ、ほとんどがマックス・マニックス監督のオリジナルとして撮影された、とのこと。原作を読んでいる人にも、「どうせ同様の結末なんでしょ」と思わせないための工夫なんだと思うんですが、どうしても原作と見比べてしまうのは人の性。
やはり、東京という世界最大の都市で、昼夜問わず大勢の人が行き交う不夜城都市が舞台というのは、いささか無理があったようです。だって、殺す側・殺される側が誰であれ、監視する側、監視される側が誰であれ、必ず人目につくから。逆に、そんな状況下でどのような攻防が繰り広げられるのか、というのが見物かと思っていましたが、仮にもプロ集団であるはずのCIAがこんなお粗末な展開の連続じゃ、ゲイリー・オールドマンでなくても怒鳴り散らしてしまいますヨ。

加えて、原作は今の東京を具に観察し、東京の良さや悪さ、照らす光や潜む闇、酸いも甘いもほろ苦いも点在する『東京』を、時には冷淡に、時には芸術的に表現されていたのに。今作は、「『東京』を舞台にした」という感じがいまいち伝わってこない。
また、今作のあおりとして用いられたのが、『逃げる二人に、東京が牙をむく』でしたが、どちらかというと牙を向けられているのは、逃げる二人(ジョン・レインと川村みどり)じゃなくて、追う方に見受けられるのですが……。
フィルム・ノワールにしては官能的なシーンも全くなし。R指定が無いことでうすうす感づいてはいたんですが。

とまぁ、色々と感じたことを並べてみて、「本当にこんな作品を作りたかったのか?」と思ってしまうのです。いや、皆さんやはりプロですし、もっといい作品を、面白い作品を、という意気込みがあったのでしょう。あくまで想像ですけれど。


これまでも、『東京』を舞台にした作品はいくつかありましたが、撮影するのに時間がかかったり、特別な許可が必要だったり、すぐそこに魅力的な材料があるにもかかわらず、うまく入手できないことにヤキモキしている映画制作者サイドが多いと聞きます。
もう少し、東京とは映画作成に寛容になるべきではないかと。国内だけでなく、海外も含めて。折角、東京の魅力を作品に込めて発信しようとする人たちがいるのですから。何だか勿体無い気がします。

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2009/04/26 12:12 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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