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2017/10/23 20:45 |
[Review] マリー・アントワネット
マリー・アントワネットこの映画のポイントは、『退屈』と『窮屈』。

政略結婚によって少女が嫁いだ先は、それまでの少女の日常から見ればあまりにもバカらしく、考えられないものばかり。目の前に陳列される日常品は、どれも一流の美術館に出してもおかしくないような、眩いものばかり。でも、彼女の目には、それらはくすんで見える。煌びやかな装飾品も、どこか灰色じみた感じがする。
観客は、そんな心情の少女の『目』に映し出された光景が、スクリーンに映し出されます。家具も、ドレスも、食べ物も、どれもこれも輝いて満ち足りているのに、少女の目には、ちっとも輝いているように見えない。どこに行っても人だらけ。人人人。皆傅いているのに。ちっとも満ち足りない。

そんな少女に、更に追い討ちをかけるのが、世継ぎ問題。
異国の地に、たった一人。嫁いだ瞬間から、次代の世継を産まなければならないことが宿命づけられている。一日、また一日、伴侶との間に何も無ければ、周囲から浴びせられる冷たい視線と罵詈雑言が激しさを増す。少女の身と心は、すっかりボロボロに朽ち果ててしまった。
そんな少女の目に飛び込む光景が、唯一『本当』にカラフルに輝くのは、友人達と朝まで遊んだり、演劇に興じたり。でもそれは、まるでシンデレラのように魔法がかけられている限られた時間の中でのみ。魔法が解ければ、また『退屈』で『窮屈』な生活に戻るだけ     


18世紀に実在し、歴史に名を残す有名な少女の物語。これが、少女と彼女を取り巻く人物の史実に合っているかどうか、また、彼女が本当にそういう心情にあったかどうかは別。実在した人物と史実を元に作られた、オリジナルの物語、として観るといいかもしれません。
少女であれば誰しも、「お姫様に生まれたい」「お姫様の生活をしたい」と憧憬を抱くものですが、本当にお姫様になった時のその生活ぶりといったら。彼女のことを、一人の『人間』として扱われていたのではなく、世継を身篭るための『器』とでしか、当時のヴェルサイユの人々は見ていなかったんでしょうね。

映し出される映像の数々は、正に『退屈』と『窮屈』をそのまま表現しているかのようでした。映画作品として、あまりにも駄作で『退屈』と思えるものは数あれど、意図的に『退屈』を映し出す映画は、ほとんど無いのではないのでしょうか?
まるで、観客がこの作品の主人公である少女と『同じ』目線で観てもらいたいがための作品になっていると感じました。

この作品は、ご覧になる方々の感受性に左右されるのは確かです。勿論、「終始退屈だった」と思われればそれまでですし、それを批判する資格など僕にはありません。が、この少女が実在していたにしろしていなかったにしろ、どれだけの苦痛と屈辱を味わっていたのか、それを汲み取ってご覧いただければと思います。

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2007/01/27 16:25 | Comments(0) | TrackBack(17) | Review - Movie

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