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2024/05/06 19:25 |
[Review] ブレイブ ストーリー
ブレイブ ストーリー宮部みゆきのファンタジー小説『ブレイブ・ストーリー』のアニメ映画。

これは原作を読まずに映画鑑賞に挑戦しましたので、予備知識なしでは若干の不安が残りました。ファンタジーものの映画は、得てして複雑な物語になりやすいですから。ネタバレを取るか、新鮮味を取るか。

そしてそのジレンマは、杞憂に終わった事は言うまでも無く。この映画は間違いなく、小学生の道徳の授業そのまんまの映画ですから。複雑な物語展開はありません。まだオトナの汚れきった世界に浸っていない、純粋無垢な少年少女向けの映画なのです。
もちろん、アニメ映画とは思えないほどの美しい映像は、大人の人でも一見の価値はありますが、如何せん、観終わった後の微妙な後味の残り加減が何とも……。


それは、この映画で最も伝えたいこと。
「己の願いのためなら、何をやっても構わないのか」


頭では分かっているのですよ。大人は誰でも。
例えば、「~~を殺せば、貴方の願いはかなえられる」
願いをかなえたら、同時に殺人犯。でも、~~を殺さなければ、願いはかなわない。
その願いが、終生貴方の人生を幸福にするだけのものであれば、貴方は~~を殺しますか?

「世の中全ての人が幸せになれる願いなんてあり得ない」

理屈では分かっていても、それでも願わざるを得ないこともあります。
誰が不幸になっても、誰が死んでも、振り返れば多くの屍が横たわっていても。
この先、どんな艱難辛苦が待ち受けていても。

ワタルとミツルは、正に『子供』と『大人』の対比ですね。
ミツルも、最後の宝玉を手に入れれば幻界が滅びる、それは間違いである事を頭の中のどこかで知っていた。でも、間違いだと知っていても、それを自分で無理矢理振り払った。「そうなっても構わない」と思うほどの願いがあったから。
そう、大人の視点で観ると、ミツルは決して間違っていないのです。
本当に「正しい事」なんて、きっと誰にも分からない。ミツルも、考えに考えての答えだったのかもしれない。


この映画に、正解はありません。
大人は誰でもそう思うでしょう。だからこそ、微妙な後味を感じたのかもしれませんが。でも、まだ社会の奥深い闇の部分を知らない、触れていない子供にとってみれば、いい機会なのかもしれません。
「本当に大切な事な何なのか」ということを学びとる事を。

しかし、「正解はない」ということを分かりきっている大人としても、もう一度立ち返ってみる上でもいいのかもしれません。分かりきった事でも、『本当に』分かりきった事ではないかもしれませんから。

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2006/07/09 00:15 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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