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2024/04/24 18:35 |
[Review] エリザベスタウン
エリザベスタウンいわゆる、「自分自身は順風満帆である」ことを確信して止まない、自信過剰で見栄っ張りな男の物語。目の前で起きたことが信じられず、ただ逃げている、逃げていれば、きっと今の惨めな自分も醒めてくれる、とでも思っていたのでしょうか。
自分の父親が死んで、父親の遺体を引き取ろうとした矢先、多くの人が故人の死を嘆き悲しみ、哀悼の意を自分自身に向ける。「あいつはいい奴だった」「彼のことを尊敬して止まなかった」。

周囲の人は、家族も含めて、皆、故人の話で持ちきり。この映画、一体誰が主人公なの? と疑いたくなるようなシーンが続き、最後のシーンで、そういった疑問が湧き出た意味がようやく分かりました。主人公とヒロインが、互いに『穴埋めの関係』と言ったのも。何だか単調で、複雑怪奇で、物語に大した波が無いのでむしろ眠気を誘うような映画でしたが、案外、奥が深いのかもしれません。

それは、本当の意味で自分は自分を理解しておらず、むしろ、他の人の力によって本当の『自分』が何なのかを理解する、ということ。そして、これから先どうあるべきか、を理解する、ということ。
疎遠が続いた親戚でも、肉親すらも成しえなかったことを、会ってたった数日の女性が成しえたのも、単純に『スチュワーデス』という接客サービス以上の何かがあったからだと思います。それこそ、主人公との同じような体験をしたことのある人間だからこそ、なのでしょうけれど。
伊達に、『穴埋めの関係』を語っていません。

「失敗してもクヨクヨするな」
なんて、今の世の中氾濫しすぎるくらい言われている言葉ですが、ちっとも分かっていないくせに偉そうな口をぬかすな、と反抗したくなることもあります。
けれど、取り戻そうとしても二度と取り戻せないものもある。この映画でそれを暗に示しているのが、『父親の死』です。死んだものは二度と生き返らない。過去の思い出だけが心に残り、それを共有できる人は、もう傍らにはいない。

   「大失敗してもしがみついて、そこから伸し上がっていくことが偉業なのよ。」

大切な人の命が無くなったことに比べれば、クビになったことなど取るに足らないこと。「また次がある」なんて不確定なことを言われるより、「しがみついてでも勝ち取れ」と言われたほうが、今まで自分が信じてきた道を歩んできたことが、どんなに惨めでも、価値がある、と思えてくる。
やや強引ですが、そんなメッセージが込められているんだと思います。
また、あれだけ多くの人が自分の父親を慕ってくれたのは、それだけ、彼自身も(大)失敗を繰り返し、それでも、しがみついて自分の信じる道を歩いていく、という『偉業』を成し遂げたから、なのではないのでしょうか(そのエピソードは描かれていませんが、色々な対比の意味で、そんな感じがします)。

そして、そんなふうに自分を導いてくれる人がいたら、その人にとって、どれだけ『幸せ』なことでしょうか。


   「人生、山あり谷あり」

これから先、僕の人生もそうなのでしょう。僕も負けてはいられません。

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2006/07/13 21:23 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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