ゲーム版『バイオハザード』はどのシリーズもやったことはないのですが、ゲームコンテンツが実写映画になっていること&ミラ・ジョヴォヴィッチが出演していること、というわけで鑑賞した作品です。あまりに動機が不純ですが深く追求しないで下さい(笑)
ホラー映画というのは基本的に苦手で、出来れば敬遠したいものですが、『バイオハザード』は別。何度でも観たくなる魅力を放っているのは、単にミラ・ジョヴォヴィッチの美しさが映えているだけでなく(爆)、映画そのものの面白さにもあるのでしょう。ゾンビがわらわら出てきて目を覆いたくなるようなグロテスクなシーン続出、だけではなく、『先に何があるか分からない』『無事に生きて出られるかが分からない』といった、決して誰にも予測できない戦慄の走る構成が、この映画をより一層強く引き立てています。
だって、普通ホラー映画が苦手な人にとってみれば、身を引いてしまうのが普通ですが、逆に乗り出してしまいましたから。しかも、かれこれ複数回鑑賞しているにも関わらず、常に新鮮な気持ちで観られるのですから。
物語自体はいたってシンプル。多少サスペンスフルな要素が詰まっていても、この映画は別にサスペンスではありませんし、スパイスにすらなりません。余計な演出を凝らそうとせず、あくまで『予測不能』という演出を十二分に引き出したことが、この映画の勝因ではないかと思います。
また、もう一つの演出は『限りなく現実的』であること。ゾンビという非現実的なクリーチャーであるにもかかわらず、映画の世界に引き込まれたのは、非現実的であろうとも、少しでも現実性を持たせ、まるですぐ側にゾンビがいるかのような錯覚。ゾンビ等のクリーチャーの恐ろしさばかりに奇をてらった映画とは違う臨場感が込められています。
逆に、主人公一行の人間関係や、ミラ・ジョヴォヴィッチ扮する主人公・アリスの封印された記憶や隠された任務を思い起こすシーンは、もうちょっとはっきりと出しても良かったような気がします。中途半端にシーンとして挿入されたので、その繋がりが不完全燃焼に終わってしまったのではないか、と。まぁ、突出すべき『予測不能』の要素が十分すぎるので、そこまで気になるほどではありませんが。
でも。きっとそれは中途半端でOKなのでしょう。
だって。
この身の毛もよだつ戦慄は、まだまだ終わりそうにありません。それは、この映画のラストシーンに描かれているので……