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2017/05/23 21:39 |
[Review] トゥモロー・ワールド
トゥモロー・ワールド漫画家・冨樫義博の作品『LEVEL E』(←実は富樫漫画で一番好きな作品)の中で、ある宇宙人と性交をすると、その宇宙人に内在するウィルスが散布され、地球人の生殖能力の一切が奪われ、数世代のうちに地球人は絶滅する、なんていう物語がありましたね。
漫画の世界ですので、未然に阻止され、その後も地球人としての人間社会が営まれるわけですが。

ただ、漫画の世界とは違い、現実はもはや『架空の世界』とは言っていられません。
方や日頃のストレスの鬱積により、発散の対象となった子供が死ぬ。一方で医療も食料も何一つ満足に与えられず、生きたいという強い意志も虚しく息絶える。
『本当』に起こり得る未来。それも、原因不明の病原体とかそんな生易しいもの以上に、大人たちの都合と身勝手な自己満足によって。

そして、何年経てようやく待望の子供が生まれたとしても、それでも人間は変わらず愚かな過ちを繰り返していくのだろうか。新しい生命の誕生を純粋に喜ぶことをせず、自分たちの主権を獲得するために、政争の具にするために子供を扱うのだろうか。
新たな生命の『幸せ』すら、一切排除された世界。それでは、神が人間を見放すのも、当然の事かもしれません。


近未来のSF映画というカテゴリーですが、舞台となるロンドンは現在と全くと言っていいほど変わっていません。広告媒体とかが動画になって、若干SFチックさを醸し出していますが、現在から20年の時を経ているにも関わらず『変わっていない街並み』を描写するのは、人間の『停滞』をまざまざと表現していると感じました。
何も変わっていない人間。欲望を満たすだけの身勝手さも、過去を反省し未来に活かさない愚かさも。変わったのは一つだけ。「子供が生まれなくなった」。
まるで、本当に神の怒りを受けたかのように、未来に何も感じなくなった世界。そんな世界に生まれた待望の子供は、一体、何を見、何を感じ、何を糧として生きていけばいいのでしょうか。

P.D.ジェイムズのミステリー小説『人類の子供たち(The Children of Men)』を題材にした、正しく現代に生きる『大人たちの責任』を警鐘する映画です。漫画と同じく、この映画もフィクションです。が、それでも顔を背ける事は出来ません。
本当に起こるかもしれない現状を見れば、それは当然の事かもしれません。

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2006/11/21 01:57 | Comments(0) | TrackBack(16) | Review - Movie

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"過去"と"未来"の両方に握手をする使命を持って人間は生まれる・・・ 『 トゥモロー・ワールド / 88点 / CHILDREN OF MEN 』 2006年 アメリカ/イギリス 109分 監督 : アルフォンソ・キュアロン 脚本 : アルフォンソ・キュアロン
ゆるーく映画好きなんす!| 2010/01/06 19:19
唯一の希望を失えば、人類に明日はない
Addict allcinema 映画レビュー| 2009/08/30 16:48
 『唯一の希望を失えば、人類に明日はない』  コチラの「トゥモロー・ワールド」は、11/18公開の人類に子供が生まれなくなってしまった近未来を描くSFサスペンスなんですが、観て来ちゃいましたぁ〜♪  監督は、「大いなる遺産」、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚...
☆彡映画鑑賞日記☆彡| 2007/11/08 22:22
未読ですが原作は、 イギリスの女流ミステリー作家・P.D.ジェイムズのベストセラー 「The Children of Men(人類の子供たち)」だそうですね。 DVDで鑑賞。 西暦2027年。 人間に子供が生まれなくなって18年がたっている。 世界の都市はテロ、様々な疫病や内戦等により次々
映画、言いたい放題!| 2007/07/03 09:51
『トゥモロー・ワールド』を観た。 2008年、世界中に吹き荒れたインフルエンザにより、消えた子供達。 人類が生殖能力を失ったリアルな世界観。 英国以外全部崩壊した近未来の世紀末。   昔は治安維持法、『ジャポニカ・ウイルス』は国民保安法、今回は国家治安...
ふかや・インディーズ・フィルム・フェスティバル| 2007/05/12 18:35
映画「トゥモロー・ワールド」に関するトラックバックを募集しています。
映画専用トラックバックセンター| 2007/04/23 21:09
トゥモロー・ワールド CHILDREN OF MEN 2006年 英  アルフォンソ・キュアロン 監督クライヴ・オーウェン  ジュリアン・ムーア  マイケル・ケイン  キウェテル・イジョフォー  クレア=ホープ・アシティ  チャーリー・ハナム う〜ん、、、...
猫姫じゃ| 2007/04/13 13:43
先日観た「パリ、ジュテーム」の一遍を撮っていたアルフォンソ・キュアロン監督の作品
はらやんの映画徒然草| 2007/03/25 08:57
監督:アルフォンソ・キュアロン 出演:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォー、チャーリー・ハナム、クレア=ホープ・アシティー 評価:87点 公式サイト (ネタバレあります) そろそろ何と....
デコ親父はいつも減量中| 2006/12/30 09:25
『トゥモローワールド』公式サイト 腹がよじれるほどの傑作。 X-MEN IIIもスーパーマンリターンズもアッサリ吹き飛ぶ。 脚本と映像、どちらも至高の一品。 絶対に映画館でやってるうちに見るべき、DVDなど待たずに。 映画好きなら何をおいても見ておかなければならな
MR.G in 我々はネコだ、抵抗は無意味だにょ| 2006/12/03 19:53
 SF映画かと思っていた「トゥモロー・ワールド」を見てきました。
よしなしごと| 2006/11/30 02:00
映画「トゥモローワールド」 原題:CHILDREN OF MEN 監督:アルフォンソ・キュアロン 原作: 出演:クライヴ・オーウェン,ジュリアン・ムーア    キウェテル・イジョフォー,マイケル・ケイン
 サ バ ペ| 2006/11/29 14:48
西暦2027年、人類はすでに18年間も子供が誕生していなかった。原因は分からず、人類滅亡の時が刻一刻と迫っていた。希望を失った世界には暴力と無秩序が拡まっていた。そんなある日、エネルギー省の官僚セオは、彼の元妻ジュリアン率いる反政府組織“FISH”に拉致される。ジュリアンの目的は、ある少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すために必要な“通行証”を手に入れることだった。最初は拒否したものの、結局はジュリアンに協力するセオだったが…。
しょうちゃんの映画観ないとあかんてぇ| 2006/11/21 22:38
2006年65本目の劇場鑑賞です。公開当日観ました。「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督作品。女流ミステリ作家P・D・ジェイムズの『人類の子供たち』を映画化した近未来SFサスペンス。子供が誕生しなくなった近未来の地球を舞台に、人類...
しょうちゃんの映画ブログ| 2006/11/21 22:37
2027年 子供が誕生しない未来 そう遠くない明日 人類だけが地球から消え去る 唯一の希望を失えば、人類に明日はない
ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!| 2006/11/21 19:35
「トゥモロー・ワールド」オープニング興収1.6億円。クライヴ・オーウェン「シン
映画コンサルタント日記| 2006/11/21 16:15

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