テキサス出身の下院議員。熱心な信徒の大富豪。盗聴技術に才長けるCIAエージェント。
共通点は、頭の回転が速く行動力に優れ、問題に対し真っ直ぐに取り組んでいること。そして何より、性格に問題があること。「完璧な人間なんてこの世にはいない」の正に代表格とも言えそうな面々ですが、得てして、世界を変えてしまうような影響力を持つ人達って、こういった人達なのかもしれません。それに何と言っても、議員ならではの影響力やコネクション、富豪ならではの財力、CIAならではの知識や専門技術が揃っているのです。その上で性格に問題があるのですから、逆らいでもしたら最大火力で反撃されそうな気が……(汗)
この物語は、1980年前後、当時の社会主義国家の代表ともいえるソビエト連邦が、アフガニスタンに侵攻するというご時勢の物語。数回の当選くらいで取り立て実績もない下院議員チャーリー・ウィルソンが、大富豪ジョアン・ヘリングの後押しもあり、CIAエージェントのガスト・アブラコトスの助力を得て、アフガニスタンからソ連軍を撤退させようとするもの。当時のアメリカとソ連は、冷戦の真っ只中。お互いが核兵器をちらつかせるような体制で、説得に応じるなんてことはまずあり得ない。それに、ソ連に対抗するために昼夜戦っている兵士達が何よりも欲しがっているのは、食糧よりも資金よりも、ソ連軍を駆逐するための武器。アフガニスタンが自由を勝ち取るためにアメリカが採った作戦は、結局のところ、今も変わっていない血で血を洗う作戦。誰かを救うために、誰かを殺す。当時は正しいと思えても、これから先もずっと正しい選択とは限らない作戦。
結果として、アフガニスタンが自由を手に入れたのは、ほんの束の間。今の光景は、当時と劇的には変わってるとは思えません。テロリストがそこかしこに潜んでいて、昼夜問わずの自爆テロの横行。そのテロリストの犠牲になるのは、いつの時代も、どこの国でも、やっぱり子供や弱者がほとんど。一時凌ぎの、血で血を洗う歪んだ作戦は、本当の意味の幸せはもたらしてくれないという格好の形となってしまったのです。
一見すると『力が正義』という、いかにもアメリカらしい映画のように見えますが、その後の世界情勢の中で生きている僕たちからすれば、その考えがどれだけ世界を更に混沌とさせているかを知っています。そして単にアメリカだけの問題ではない、ということも。いつの時代も、「先々を見据えて作戦を練る、政策を打ち出す」ということがどれほど難しいか、身に染みるくらいに突きつける作品です。
それにしても。富める者とそうでない者の歴然とした差を並べるようにして映し出されると、しみじみ思いますね。「この世に公平なんてありはしない」って。
今正に砲弾で誰かが傷つき、誰かが死んでいる、というときに、優雅に美酒を美女を侍らせて美しい夜景に酔いしれているのですから。いくら紛争解決に問題意識を掲げているとはいえ、「これは富める者の特権だ!」と言わんばかり。実在の人物を基にした物語ですので、一政治家としての説得力は皆無に見えるのですが、今のアメリカを初めとする打算的で刹那的な政策を見る上では、とても説得力があるように見えてしまいます。全てにおいて、皮肉たっぷりの作品ですね。保守派には受け付けなさそう。
共通点は、頭の回転が速く行動力に優れ、問題に対し真っ直ぐに取り組んでいること。そして何より、性格に問題があること。「完璧な人間なんてこの世にはいない」の正に代表格とも言えそうな面々ですが、得てして、世界を変えてしまうような影響力を持つ人達って、こういった人達なのかもしれません。それに何と言っても、議員ならではの影響力やコネクション、富豪ならではの財力、CIAならではの知識や専門技術が揃っているのです。その上で性格に問題があるのですから、逆らいでもしたら最大火力で反撃されそうな気が……(汗)
この物語は、1980年前後、当時の社会主義国家の代表ともいえるソビエト連邦が、アフガニスタンに侵攻するというご時勢の物語。数回の当選くらいで取り立て実績もない下院議員チャーリー・ウィルソンが、大富豪ジョアン・ヘリングの後押しもあり、CIAエージェントのガスト・アブラコトスの助力を得て、アフガニスタンからソ連軍を撤退させようとするもの。当時のアメリカとソ連は、冷戦の真っ只中。お互いが核兵器をちらつかせるような体制で、説得に応じるなんてことはまずあり得ない。それに、ソ連に対抗するために昼夜戦っている兵士達が何よりも欲しがっているのは、食糧よりも資金よりも、ソ連軍を駆逐するための武器。アフガニスタンが自由を勝ち取るためにアメリカが採った作戦は、結局のところ、今も変わっていない血で血を洗う作戦。誰かを救うために、誰かを殺す。当時は正しいと思えても、これから先もずっと正しい選択とは限らない作戦。
結果として、アフガニスタンが自由を手に入れたのは、ほんの束の間。今の光景は、当時と劇的には変わってるとは思えません。テロリストがそこかしこに潜んでいて、昼夜問わずの自爆テロの横行。そのテロリストの犠牲になるのは、いつの時代も、どこの国でも、やっぱり子供や弱者がほとんど。一時凌ぎの、血で血を洗う歪んだ作戦は、本当の意味の幸せはもたらしてくれないという格好の形となってしまったのです。
一見すると『力が正義』という、いかにもアメリカらしい映画のように見えますが、その後の世界情勢の中で生きている僕たちからすれば、その考えがどれだけ世界を更に混沌とさせているかを知っています。そして単にアメリカだけの問題ではない、ということも。いつの時代も、「先々を見据えて作戦を練る、政策を打ち出す」ということがどれほど難しいか、身に染みるくらいに突きつける作品です。
それにしても。富める者とそうでない者の歴然とした差を並べるようにして映し出されると、しみじみ思いますね。「この世に公平なんてありはしない」って。
今正に砲弾で誰かが傷つき、誰かが死んでいる、というときに、優雅に美酒を美女を侍らせて美しい夜景に酔いしれているのですから。いくら紛争解決に問題意識を掲げているとはいえ、「これは富める者の特権だ!」と言わんばかり。実在の人物を基にした物語ですので、一政治家としての説得力は皆無に見えるのですが、今のアメリカを初めとする打算的で刹那的な政策を見る上では、とても説得力があるように見えてしまいます。全てにおいて、皮肉たっぷりの作品ですね。保守派には受け付けなさそう。
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