映像技術の為せる業なのか、それとも彼女自身の持つ性分なのか。『プライドと偏見』、『シルク』、そして『つぐない』の中で演じられるキーラ・ナイトレイの、まるで静かに佇むような女性像には、本当に息を飲んでしまうくらいに引き込まれます。
小説の登場人物を忠実にそのままに、でも、まるで小説から飛び出たような、でもない。ましてや小説の登場人物を超えた人物像の表現でもない。僕自身のボキャブラリーのため、適切な表現が出ないのがもどかしいのですが、兎にも角にも、単に『演じる』には留まらない魅力が表れていると感じました。映画サイト内のインタビューページとかでも、彼女は原作小説『贖罪』の大ファンなんだとか。それだけ、この作品に対する思い入れがあるのでしょう。
人間誰しもが持つ感情『嫉妬』。人間は人間である限り、誰しもが持ち得る感情。所有欲を満たしたり、優越感に浸ったり、自分に目を向けてもらいたかったり。そんな些細な嫉妬心が、一組の男女の運命を大きく狂わせ、一生消えない罪悪感として心に刻まれた物語。一つ一つの過ちは些細なことのように見えても、時として人の一生の全てを変えてしまうほどの効力を持つ。
そしてその過ちは、どんなことがあっても消えることが無い。無かったことにもできない。人の一生を変えてしまった者は、それと同じくらいの業が錘となって圧し掛かる。小説というフィクションの世界とはいえ、避けることのできない因果の渦が緻密に描かれていると思いました。
そして、やはり犯した罪と報いである罰が描かれた本作の最後は、幸せになることはなく、本来なら幸せになれるはずだった心は永遠に引き裂かれたままに、男と女は朽ち果てる。そうしてしまったのは、一人の少女の嫉妬心からなる証言。その後、彼女が贖罪の道を歩むも、もはやそれを赦す相手は、この世には居ない。結局その少女も、決して晴れることの傷ついた心を抱いたまま朽ち果てようとする。
そんな少女の心を、僕たち鑑賞者にはどう映り、そしてどう判断するのでしょうか。賛否両論はあるでしょう。既に亡くなっているのだから、決して赦されるはずはない。方や、僕たちだって日常的に誰かに嫉妬心を抱いて、誰かを傷つけている。だから彼女も赦されると思う、等々。でも、引き裂かれた男女と少女の本当の苦しみは、決して分からない。それは現実の世界の出来事であろうとも。
小説の世界とはいえ、現実の世界にまるで鏡のように映し出す、重いテーマを投げかけているようにも感じます。
小説の登場人物を忠実にそのままに、でも、まるで小説から飛び出たような、でもない。ましてや小説の登場人物を超えた人物像の表現でもない。僕自身のボキャブラリーのため、適切な表現が出ないのがもどかしいのですが、兎にも角にも、単に『演じる』には留まらない魅力が表れていると感じました。映画サイト内のインタビューページとかでも、彼女は原作小説『贖罪』の大ファンなんだとか。それだけ、この作品に対する思い入れがあるのでしょう。
人間誰しもが持つ感情『嫉妬』。人間は人間である限り、誰しもが持ち得る感情。所有欲を満たしたり、優越感に浸ったり、自分に目を向けてもらいたかったり。そんな些細な嫉妬心が、一組の男女の運命を大きく狂わせ、一生消えない罪悪感として心に刻まれた物語。一つ一つの過ちは些細なことのように見えても、時として人の一生の全てを変えてしまうほどの効力を持つ。
そしてその過ちは、どんなことがあっても消えることが無い。無かったことにもできない。人の一生を変えてしまった者は、それと同じくらいの業が錘となって圧し掛かる。小説というフィクションの世界とはいえ、避けることのできない因果の渦が緻密に描かれていると思いました。
そして、やはり犯した罪と報いである罰が描かれた本作の最後は、幸せになることはなく、本来なら幸せになれるはずだった心は永遠に引き裂かれたままに、男と女は朽ち果てる。そうしてしまったのは、一人の少女の嫉妬心からなる証言。その後、彼女が贖罪の道を歩むも、もはやそれを赦す相手は、この世には居ない。結局その少女も、決して晴れることの傷ついた心を抱いたまま朽ち果てようとする。
そんな少女の心を、僕たち鑑賞者にはどう映り、そしてどう判断するのでしょうか。賛否両論はあるでしょう。既に亡くなっているのだから、決して赦されるはずはない。方や、僕たちだって日常的に誰かに嫉妬心を抱いて、誰かを傷つけている。だから彼女も赦されると思う、等々。でも、引き裂かれた男女と少女の本当の苦しみは、決して分からない。それは現実の世界の出来事であろうとも。
小説の世界とはいえ、現実の世界にまるで鏡のように映し出す、重いテーマを投げかけているようにも感じます。
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13歳の少女がついた嘘、しかし、初恋の
人でありお姉さんを強姦していたと錯覚が
嘘を引き起こしたのかもしれませんね。
その嘘で引き裂かれ、結ばれなかった二人。
ブライオニーの最後のつぐないは、
許されたのでしょうか?
嫉妬はときに真実を曲げてしまうのかもしれませんね。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
この作品は、様々な登場人物の立場で鑑賞することによって、色々な観方ができる作品と感じました。
例えば、ブライオニーの立場であれば、ロビーに対する秘めた想いを持っているが為のもの。たとえ姉であれ、好きな人に振り向いて欲しいと思う嫉妬心は、ある意味否めないと思います。
ですが、その嫉妬の対象となるロビーやセシーリアの立場であれば、また観方は変わるでしょう。また、もし二人の関係がもっと対等なものであれば、ブライオニーの嘘による告訴の結果、軽微なもので済めば、また違った結果になっていたかもしれませんが……
難しいところですが、すごく奥深い作品ですね。
>TBありがとうございました。
>13歳の少女がついた嘘、しかし、初恋の
>人でありお姉さんを強姦していたと錯覚が
>嘘を引き起こしたのかもしれませんね。
>その嘘で引き裂かれ、結ばれなかった二人。
>ブライオニーの最後のつぐないは、
>許されたのでしょうか?
>嫉妬はときに真実を曲げてしまうのかもしれませんね。
>
>今度、訪れた際には、
>【評価ポイント】~と
>ブログの記事の最後に、☆5つがあり
>クリックすることで5段階評価ができます。
>もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!