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2024/04/26 20:24 |
[Review] ダ・ヴィンチ・コード
ダ・ヴィンチ・コードジャーナリストには悪評、失笑も=「ダ・ヴィンチ・コード」


【カンヌ(仏)16日】 今年最も話題となっている映画「ダ・ヴィンチ・コード」が16日、カンヌ映画祭の初日(17日)の特別上映に先立って、ジャーナリストや批評家たち向けに上映されたが、評判は芳しくなかった。上映が終わると、拍手の代わりに口笛が聞かれ、重要な場面では失笑も漏れた。

(時事通信(2006年5月17日)より一部抜粋)


「ダ・ヴィンチ・コード」鳴りやまない拍手


【カンヌ(フランス)17日】 「第59回カンヌ国際映画祭」がスタートし、オープニング作品に「ダ・ヴィンチ・コード」(ロン・ハワード監督)の上映で11日間の幕を開けた。冷たい反応が目立った前日のプレス試写とは一転。上映後はスタンディングオベーションが起きる盛り上がりぶりだった。

(スポーツ報知(2006年5月19日)より一部抜粋)



というように、開幕前から意見や評価が真っ二つに分かれる『ダ・ヴィンチ・コード』。
予てから、2000年に渡るキリスト教の事実を捻じ曲げている映画として、特にカトリック信者から手痛い抗議運動を受けるなど、一クセも二クセもある映画でしたが、宗教とはかけ離れた、ジャーナリストやカンヌ国債映画祭のオープニングでも、ここまで真っ二つに意見が分かれるとは。
世紀の秀作か? それとも地に堕ちた駄作か? 原作の大ファンなだけに、これだけの社会問題を醸し出しているような映画は、是非観に行かないと! と思って、喜び勇んで行きました。


その結果。
非常に残念な結果に……   orz


やはり上下巻(文庫本サイズだと上中下巻)に分かれるような、内容の濃い小説を、2~3時間で映画化するのは、やはり無理がありました。要所要所で端折り過ぎなところがいっぱい。
原作が面白かったので、「このシーンはどう表現されているんだろう!?」というワクワク感が一瞬にして消えてしまったのは言うまでも無く。あの重厚で、多少無理な設定があろうとも夜を徹して読み通してしまいそうな小説の持つ魅力は、映画にするにはあまりにも詰め込みすぎな感じがして。原作を読んでいる人間が観ると、BGMの重厚な雰囲気すら、何となくわざとらしく感じられてしまうのは否めません。

確かに面白かったけど、急ぎすぎる感じがして、決して秀逸な作品とは言えないように感じました。
また、原作を読まない方が、かえって面白いのかもしれません。この映画に関しては。
(あ、でも、小説を読まないと分からない内容がいくつか。でも読まなくても何とかなるかも。個人的な見解なんですが)

更に、2000年に及ぶキリスト教が隠蔽してきた数々の謎を語るエピソードも、個人的にはどこか妙にへっぴり腰に感じました。
あれだけ「時を越えて、2000年に渡る最大の謎が、今暴かれる!」なんていうキャッチフレーズが流れていたのに、どこかしら世間を気にしているかのような。教会がひた隠ししていた事実を暴く場面は、どこかトーンダウンをして、もしくは一歩引いた状態で暴こうとしているところに、「あー、何か世間の評価(特にキリスト教信者)を気にしてるなー」という感じがしました。

改めて、この物語を映画化するのは、本当に難しいなぁ、と感じました。


そして、この映画で個人的に一番の注目のキャラクターは、シラスを演じるポール・ベタニーでしょう。
オプス・デイの盲目的な信者で、ゾッとするほどの恐ろしい暗殺者の顔をする彼は、この映画のダークなサスペンス色をより一層濃く表しています。
ある意味ハマり役だったりして(笑)
改めて。

「原作を何も知らない」状態で観た方が面白かったな、と思いました。
多少情報の詰め込みすぎ、というのは否めないけれど、サスペンスとしての面白さ、緊迫感はすごく楽しめたな、と思います。
まあ、ベズ・ファーシュ警部やヴェルネがちょいとおマヌケさんくらいでしょうか(笑)


あとは、若干不明な点が。

ソニエール館長は、何故、ロバート・ラングトンを探せ、とダイイング・メッセージに残したのか?
今夜会うはずの相手だから? 象徴学の権威であるから?
シオン修道会が何としてでも守りたかったもののために、彼の知恵を必要としていた理由が不透明です。

アリンガローサ司教は、ベズ・ファーシュ警部に、「ロバート・ラングトンが自分のところに懺悔をしにきた。今宵、人を殺してしまった事を」という内容を電話で伝えたそうです。
それで、ベズ・ファーシュ警部はロバート・ラングトンを追うようになりましたが……
何故、こんな電話をしてきたのか? シラス修道僧の行いを隠したかったから?
では、いつ、どこでロバート・ラングトンの情報を知ったのか?
シラス修道僧がソニエール館長を襲った時、シラス修道僧がソニエール館長の手帳の予定表を見たから? そこに今日の日付で載っていたロバート・ラングトンを、たまたま利用したのか?
この部分もやっぱり不透明で、結局のところ推測でしかないんですが……

全ての見せ場を完璧に作る必要はないと思いますが、↑のような、ちょっと「?」と思ってしまうようなところは、多少強引でも、後付が欲しかった、というのが正直なところです。
改めて観た後でも、この映画、やっぱり「映画化難しい」と感じました。

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2006/05/20 23:15 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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