忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2017/06/23 05:29 |
[Review] ソーシャル・ネットワーク
ソーシャル・ネットワーク友達にしたら確実にメンドクサイと思われる人、と言われたら、確実に挙がる人だろうなぁ、というのが第一印象の作品。凡人にしたら絶対に分からない、分かるはずのないその卓越した頭脳は、まるで北野武監督を彷彿させます。得てして、『天才』と呼ばれる人はそうなのだと言わんばかり。
加えて、話すのが早く(彼だけではなくその周囲の人も)、ただでさえヒアリングに弱い僕が、一層英語を聞き取れず字幕にすぐさまギブアップしてしまったのは言うまでもなく。加えて自信家で、自分の作るものを誇示して止まず、頭にひらめいたらすぐさま行動せずにはいられず、そのくせ人の意見や忠告にはほとんどといっていいほど耳を傾けず、ひたすら狭い視野の中で自分の臨むままに突っ走る。周囲はそれに辟易し、構いたくないし構われたくもないと思いつつも、どこかで彼を意識せざるを得ない。いい意味でも、悪い意味でも。

そんな、いい意味では破天荒で型破りで、悪い意味では自分の信じたものしか持たず侍らず磨かない視野の狭い、気まぐれではないにせよ自分の視野・視界に入らない、または入る価値のないものは容赦無く振り落す主人公。そのまま年を取り、Facebookを世界的に有名にしても尚そんな自分で居続けるのかな、と思ったら、そこから先は思わぬ展開が。
一つは、Facebookの立ち上げから一緒だった友人が、『裏切り者』になってしまう、ということ。正確には意図的に『裏切り者』になったわけではありません。成り行きと、その後、巨大化したFacebookと彼との意識や方向性の違いが、そうなってしまった、というのが所以かと。
もう一つは、自分の意向や誇りと方向性を同じくしている人の、本性を知ってしまう、ということ。誇大広告とも捉えかねないが、一部の人にとっては心を鷲掴みにされてしまうくらいの卓越した話術。主人公にとって、譲れないものを抱えながらも、それを持続させるためのアイディアとコネクションを捻出。主人公にとっては、有難い存在ではあっただろうと思います。その時が来るまでは。慢心家の裏に潜む『危ない奴』の本性。きっとそれは、友人だけが知っていたのかもしれません。

そうして彼は、『億万長者』になりました。勿論、そんな成功を支援する『億万長者』もいれば、彼の『億万長者』を妬む者も。後者の方は、実際はどうなっていたのかは分かりませんが、少なくとも映画の中での描写では、正に敗者の薄汚いとも言える逆襲。まぁそれも、主人公のことが気になって仕方がないことの裏返し、とも言えなくもないですが。
それはともかく。
Facebookが成長するにしたがって、会員数も増えて、自分が手掛けたことが大きく成長していくのは嬉しかったけれど、結局のところそれはインターネット上での話。リアルな世界では、これまで一緒に戦ってきた人との軋轢が増えるばかり。そこで気づく。彼が本当に欲していたもの、望んでいたものは何か、を。
僕も実際そうじゃないから、素直じゃない人の気持ちはわかる。彼は、自分を見てほしい、自分を必要としてほしい、自分を認めてほしいという自己顕示を素直な形で表現することができない。だから捻くれた形での自己表現しか出来ない。Facebookは、素直じゃないがゆえに鬱積した感情が、彼の技術に対してぶつけた結果だとも思えます。そのぶつけた力が、世の中の面白さの原動力となり、最初はハーバード大だけ、次第にアメリカ国内の大学だけでなく海外の大学まで波及し、果ては社会に浸透する。それだけならいいとしても、結局のところ会社を運営するのは人であり、人は気持ちなくして動くものではありません。機械ではありませんから。

日本では、mixiやGREEが主流のソーシャル・ネットワーキング・サービス。しかし、それを利用しているユーザは、いったいどこまで自分の本当のことを公表しているのでしょう。そして、利用者は、いったいどこまでがその人の本当の情報だと思っているのでしょう。
まるでそれは、主人公を取り巻く周囲の人こそが、ソーシャル・ネットワーク内の嘘と虚栄に塗り固められた人物のよう。『天才』も『裏切り者』も『危ない奴』も『億万長者』も、彼の周囲を表しながら、それがそのまま彼のソーシャル・ネットワークとして形成されているようにも見えます。

現実世界とネット(仮想)の世界。一見すると、現実世界には本当(リアル)が目の前に現れるが、仮想世界は、それが本当のものかどうかは分からない。多分、嘘の情報が多いかもしれない。しかし本作の描写は、まるで、本当と嘘が逆転しているかのような錯覚も受けます。実際のところ、本作でなくても現在の世界も同じようなことが表れているようですが… いずれにしても、彼が本当に臨んだ姿とは、かなり違った形で成長したのでしょう。
彼にとってそれは、進化と呼ぶべきか退化と呼ぶべきか。多分きっと退化なのかもしれませんね。それは、彼のラストの描写が、物語っていると思います。

終始、会話が早くて聞くだけでは疲れてしまう作品です。途中まで観て、「あー、失敗したかな」と思いましたが、後半の展開を観て、なぜあれだけの賞を受賞し、またノミネートされたかの理由がわかりました。
一人の若者の、それを取り巻く若者の、成長と挫折と本当の臨むことが織り成す物語。あまりIT関係の難しいところに傾倒せず、登場人物の心の描写を鑑賞する作品だと思います。

拍手

PR

2011/01/25 22:50 | Comments(0) | TrackBack(18) | Review - Movie

トラックバック

トラックバックURL:
監督 デヴィッド・フィンチャー 主演 ジェシー・アイゼンバーグ 2010年 アメリカ映画 120分 ドラマ 採点★★★★ いつまでも根に持って虎視眈々と復讐の機会を伺うタイプではないんですが、“機会があれば仕返ししたいリスト”ってのを常に心の奥にしまっている私…
Subterranean サブタレイニアン| 2011/08/13 21:11
11-10.ソーシャル・ネットワーク■原題:TheSocialNetwork■製作年・国:2010年、アメリカ■上映時間:120分■字幕:松浦美奈■鑑賞日:2月1日、TOHOシネマズ・六本木ヒルズ(六本...
KINTYRE’SDIARY| 2011/03/25 23:35
 『天才 裏切者 危ない奴 億万長者』  コチラの「ソーシャルネットワーク」は、いよいよ2日後に迫ったアカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞、録音 ...
☆彡映画鑑賞日記☆彡| 2011/02/27 18:24
ソーシャル・ネットワーク 映画 - goo 映画 ソーシャル・ネットワーク:作品情報ー映画.com 「ソーシャル・ネットワーク」オフィシャルサイト ソーシャル・ネットワーク@ぴあ映画生活 ソーシャル・ネットワーク (映画)-Wikipedia ○作品データ(映画.com) 原題:The Socia...
itchy1976の日記| 2011/02/25 18:00
『 ソーシャル・ネットワーク 』 (2010)  監  督 :デヴィッド・フィンチャーキャスト :ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、アーミー・ハ...
さも観たかのような映画レビュー| 2011/02/23 02:54
あらすじハーバード大生のマークは、彼女に振られた腹いせに女子の品定めサークルをネットに立ち上げるが・・・。感想世界最大のSNSフェイスブックの生みの親で史上最年少億万長...
虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映...| 2011/02/09 21:19
 世界最大SNS・Facebookの創設者マーク・ザッカーバーグがFacebookを作る過程を描いた作品ソーシャル・ネットワーク、観た人に「フェースブック」を知らなくても楽しめるかを確認した後、観てきました。
よしなしごと| 2011/02/08 11:30
 すでにグラミー賞の4冠を獲得していて、さらにアカデミー賞の最有力候補ともされていますから、早目に見ておこうと、『ソーシャル・ネットワーク』を吉祥寺のバウス・シアターで見てきました。 (1)この映画はFacebookの創始者であるマーク・ザッカーバッグ氏のことを中...
映画的・絵画的・音楽的| 2011/02/06 08:10
現在世界最大のSNSへ成長しているフェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグを
はらやんの映画徒然草| 2011/02/05 18:11
ソーシャル・ネットワーク (デビッド・フィンチャー 監督) [DVD] 解説(amazonよ
青いblog| 2011/02/05 12:34
ゴールデン・グローブ賞の ドラマ部門作品賞を受賞して アカデミー賞の有力候補にもなった 「ソーシャル・ネットワーク」 これは見逃せません! ああ、アカデミー賞前後は、名作が多くて嬉しい!
Playing the Piano is ME.| 2011/02/03 02:10
世界で5億人以上が登録しているSNS(交流サイト) 「Facebook(フェイスブック)」の誕生物語。 自分は未登録。→登録しました。 ソーシャル・ネットワークを略してSNS。 日本でのSNSといえばmixi。 ...
単館系| 2011/02/02 22:29
 『ソーシャル・ネットワーク』というタイトルは、とうぜんFacebookそのものが代表するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことだと思った。  しかし、それでは映画の題材にならないだろう。デ...
映画のブログ| 2011/02/02 19:36
  □作品オフィシャルサイト 「ソーシャル・ネットワーク」 □監督 デヴィッド・フィンチャー □脚本 アーロン・ソーキン□原作 ベン・メズリック □キャスト ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク■鑑賞日 1月23日(日)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想>  起業して大成功をおさめるその裏側には、やはり人知れず様々な裏切りの積み重ねが秘められているもの。 現在、若くして世界最大のSNS「F...
京の昼寝〜♪| 2011/02/02 12:46
先日発表された、TIME誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」。 その人物は、マーク・ズッカーバーグ。 この「パーソン・オブ・ザ・イヤー」を、デビット・フィンチャーが料理するとどう仕上がるか。 それは一言で説明できる(そんな映画は珍しい) = Just Brilliant!! ...
日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜| 2011/01/28 05:47
映画「ソーシャルネットワーク」観てきました。10年くらい前に、会社の後輩が、ネットで知り合った京都の子と付き合ってる、という話を聞いて、「情けねえ、ネットなんかで女を見つけてんじゃねー!」と、思ったことがあります。いかがわしいサイトで知り合ったわけではなさ
幕張コーポ前| 2011/01/28 00:14
「ソーシャル・ネットワーク」を観ました。この映画は、2004年にマーク・ザッカーバーグが創設したSNS「Facebook」の誕生の瞬間を描いた作品です。実話をベースに作られたそうですが、当のザッカーバーグの全面協力とはいかなかったらしいですから、どこまで真実に...
MOVIE レビュー| 2011/01/27 11:42
成功と孤独は表裏一体。  
Akira's VOICE| 2011/01/27 10:28

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<[Review] RED | HOME | [Review] アンストッパブル>>
忍者ブログ[PR]