見事にやられたよぅ ママン…… orz
物語の大まかな道筋は、間違いなく「『完璧に統制された社会』と『それに立ち向かう反抗勢力』を描いた映画」です。代表作としては、『マイノリティ・リポート』、『アイ・ロボット』、『アイランド』がそうですね。
これらはそれぞれ、『犯罪予知システム』、『ロボット』、『クローン』を主軸に、鬱陶しいくらいの管理社会が描かれていますが、この『イーオン・フラックス』は、どちらかというと『マイノリティ・リポート』に良く似ています。また、物語の展開の仕方やアプローチの仕方も『マイノリティ・リポート』に似ていると思います。
ただ、大きく違うのは、『マイノリティ・リポート』はミステリー映画で、『犯罪予知システム』という主軸を大きく変えずに真相が明らかになる映画に対し、『イーオン・フラックス』は、ミステリー映画ではないので、黒幕が最初から分かっているものの、『主軸』となるものが後半になって徐々に明らかになっていき、最終的に収束する、というものです。
そういう意味もあってなのか、序盤の段階ではあまりよく物語の展開が良く見えず、また、人物の相関関係もあまりよく分からなかったのですが、中盤から後半にかけて、話の道筋が一気に『一つの点』へと導かれた時は、それこそ『マイノリティ・リポート』以来の感激を味わいました。
なるほど、それなら、プリ・ヴィジョンで『ハウルの動く城』ばりにほとんど情報を出さなかったことも頷けます。最初は「大丈夫かこの映画?」と思ってました。アカデミー主演女優賞のシャーリーズ・セロンが主役なだけに。
それにしても、シャーリーズ・セロンの身体の柔らかいこと柔らかいこと。
昔、バレエをしていたそうですが、それでもあそこまでの柔らかさは無いだろう、って感じでした。むしろ中国雑技団? サーカスのコントーションとか。
また、この映画で難(難というほどのものではありませんが…)を言えば、『全身武器』と銘打っているのに、あまりそういう感じがしないこと。
拳銃と格闘と、隠し武器で戦っているのですが、もちょっと『全身武器』っぽくてもいいのでは。例えば、髪の毛に特製の薬をまぶすと、針のような武器になるとか。
……って、それは妄想のしすぎか。(汗)
この映画のセットや小物で、ちらちらとですが日本形式のものが出ているのはちょっと感激しました(パンフレットを見ると、正確には違うようですが…)。
通行人がさしている傘だったり、主人公イーオンが侵入した黒幕の部屋だったり、主人公の妹の住まいだったり、桜が咲き乱れる公園だったり。
この映画の元は、どうやらアメリカのアニメらしいので、もしかしたら、そこで描写されている背景が、そういう日本テイストのものがあったのかもしれません。一面無機質な灰色を彷彿させる未来社会のセットなだけに、時折出てくる日本テイストのセットは、観ていてちょっと嬉しかったです。
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