そりゃ僕だって幾度となくあります。
いくら有限のこととはいえ、嫌なことはさっさと終わらせたい、という気持ちは。苦しいこと、辛いことはぱっぱーっと早送りさせて、楽しいことだけを実感できる人生になったら、どんなにいいだろう、と思ったことがあります。 ……そこそこ、いや、しょっちゅう…かな…(汗)
ただ、いざ未来で楽しいことを実感すると、それは、過去の辛いことや苦しいことが礎となっていることが痛いほどよく分かります。苦難の道をすっ飛ばして、楽しい結果だけが目の前にあったところで、何も実感が湧かない。苦難を乗り越えた後の楽しい瞬間だからこそ、他愛無いことでも凄く幸せに感じることだってある。
また、苦難の道のりは何も全部が全部苦しいことだけじゃない。九分九厘は苦しくても、ほんの僅かでも『楽しいこと』がどこかに転がっているはず。たった一粒の『楽しいこと』でも、救われることだってあるんです。「よっしゃ、まだ道のりは長いけど、頑張るぞっ」という気持ちを奮い立たせたり。
苦難を乗り越えた後に『楽しいこと』を味わっている時、
「苦しかったし、辛かったけど、本当にいい思い出だった」
泥臭かった過去も、清々しく振り返ることが出来ます。
『ブルース・オールマイティ』や『ザスーラ』のように、超常現象や人知を超えた能力を得るパターンのコメディ映画は、日を追うごとに、発想も内容もパワーアップしていますね。展開はシンプルですしベタですけれど、笑える内容てんこ盛りである割には、力強いメッセージも込められているのも確か。あまり大掛かりに宣伝していない映画とはいえ、色々な人に支持されている、というのがよく分かります。
でも、それは映画の面白さもそうですが、偏に観る方々皆が、過去に置き去りにしてきた『大切なもの』を抱えているからなのでしょう。
「もっと、家族と一緒の時間を作ってやるべきだった」
「もっと、友達の意見に耳を傾けるべきだった」
「もっとしっかりと仕事に取り組むべきだった」 etc...
時間というものは残酷なもので、どんなに願っても、どんなに悔やんでも、過去は決して戻ってません。また、過去を無かったことや、別の過去に仕立てることもできません。
だからこそ、楽しいと笑っていられる幸せな『未来』を望むのであれば、辛く苦しい『現在』でも、一歩一歩進んでいかなければなりません。後で公開しないために。忘れられない思い出として、自分と、自分の大切な人の記憶に残していけるように。
ところで。
この映画の邦題『もしも昨日が選べたら』は正直納得いかないのですが。
だって過去は変えられないんですから。見ることはできても。この邦題は一体どういう経緯で……
あと、この映画の邦題を漢字変換すると、↓のような表示が最初に出るんですよね……
『もしも機能が選べたら』
というわけで、万能リモコンにもしも機能が選べたら、というのを、自分勝手に考えてみました。
まぁ、早送り機能は要りません。やっぱりその時その時を大事にしたいですから。
そう来れば、やっぱり『一時停止』機能が必須でしょう!!
自分以外の時間が止まるのですから、一日24時間を、自由気ままに操れる、というのもなかなかよろしいのでは。
と、思い立ったが最後。
きっとその分、老化スピードが速くなるはずだ。
やっぱり、全てが思い通り、というわけにはいかないんですねー……