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2024/11/22 10:28 |
[岩手] 厳冬平泉
松島ではまだ雪が積もっているとはいえ、そこにははっきりと春の息吹を感じる景色が広がっていました。しかし、ほんの少し、県を跨いだだけなのに、平泉ではまだ雪に閉ざされた雪原の国。
折りしも平日のため人も少なく、人通りはとっても少なく、音も遠くの方までよく聞こえてしまうくらいの静寂さ。しかも平泉駅を降りて思ったこと。

娯楽施設は勿論のこと、御食事処もお土産屋もすんごく少ないのっ!

線路を跨いで東側(北上川側)に行けば、商店街が見えるのですが、それでも商業主義的なものではなく、生活必需品が主、という感じ。全く無いわけではないのですが、個人的にはちょっと寂しいような気がします。
それはやはり、奥州藤原氏を始めとした文化財や史跡が多いから? それとも、住宅街が広がっているように見えるから、商業施設が進入しにくいからなのでしょうか? いずれにしても、賑やか好きな方であれば、冬に平泉を訪れるのはあまりお勧めしません。むしろ夏場でしょうか。特に、奥州街道から中尊寺に向かうまでの道のりは、伊勢神宮の内宮のような神秘さを感じます。雨の日に訪れるのもまた違う側面があっていいかもしれません。

但し、道は超ぬかるみますのでご注意を


毛越寺 大泉が池 中尊寺 本堂 北上川と駒形峰



そうはいうものの、やっぱり僕は冬場の東北が凄く好きなのです。遠くまで見渡す限りの山々を愛でながら、スノー・モンスターとも呼ばれる樹氷を眺めるのもよし、湿度のない朝の光を浴びて、金色に染まるダイヤモンドダストを眺めるのもよし(両方とも未だ体験したことが無いので、一度は見てみたいと野望に燃えています)。
そして、音のない白銀の寺院。冬を象徴する景色に魅せられているので、こういうところは僕にとってはもってこいなのです。勿論、防寒の用意は欠かせません。

平泉は、まず旧観自在王院庭園を通り、毛越寺へ。
旧観自在王院庭園の看板はあるけど、当の庭園は一体どこに……? と思ったら、雪に埋もれていました。ちょいとげんなり気味の気持ちで毛越寺へ。まずここの庭園にしばらく入り浸ってしまいました。それくらい、雪と氷に覆われた庭園は、どこから見ても飽きないくらい美しかったのです。

金鶏山を経由して中尊寺へ。しかし中尊寺はあまり期待しすぎは禁物かもしれません。
そりゃ、重要文化財ですからおいそれと外に出すのは禁物なのでしょうけれど、最近建てられた建物の中に金色堂を収納するのは、やはりちょいと味気無いように思ってしまうのです。そこがちょっと残念でした。

最後は高館義経堂へ。そこから眺める北上川と駒形峰が、冬の厳しさを物語るようにどっしりと構えていて、圧巻でした。
北上川をずーっと先の方まで見てみると、何やら工事現場が長く続いているようで。これは、文化財保護のために堤防や道路(バイパス)の位置をずらす計画なのだとか。しかし、観光客側としては、何か世界遺産の冠を頂くために躍起になっているような気がしてならないのです。勿論、平泉は有形無形共に後世まで残しておかなくてはならない文化財が多く存在しますが、無理矢理世界遺産を取得するために色々といじくり回していると、何だか取り返しのつかないような気がしまして……。
ただ、地元の皆様の強い想いもあるかもしれませんので、杞憂で終わってほしいと思います。



『岩手県』の写真集についてはこちら

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2009/02/24 23:41 | Comments(0) | TrackBack() | Outdoors

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