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2024/04/26 16:43 |
[Review] ドリームガールズ
ドリームガールズ舞台の頂点にのし上がりたい、歌手。
多くのヒットを世に送り出したい、経営者。
自分の理念と魂を表現したい、アーティスト。

何もかもが違う人間が、同じ舞台に立つ。同じ舞台の上で、違う線が交じり合う。交じり合って出来上がるものが何なのか、それがどこへ向かうのか、きっと誰も知らない。
それが、彼らの望みが絶望へと変わり、打ちひしがれるものかもしれない。でも、彼らは止まることが出来ない。止まってしまったら、彼らの望み『そのもの』が潰えてしまうから。


ショー・ビジネスの、表舞台と裏舞台の悲喜交々。煌びやかに輝き、歌い、踊り、世界を華やかに彩る彼女達も、その裏では数々の陰謀や確執のマリオネットと化していた。彼女達が表舞台に出るたびに、一曲一曲歌うたびに、有名になっていくたびに、少しずつずれていく夢への道筋。
気づいたときには、もう、自分が見えていた、見ようとしていたものが、見えなくなっていた。

   「どうしてこんなことになってしまったのか?」

そう思った彼らは、やがて気づく。その答えは、『自分自身』の中にあるということを。
もう戻れない。やり直すことさえままならない。ましてや、失ったものを取り戻すことなど。
ならば、これからの道を突き進むしかない。どんな困難が待ち受けていようとも、何回挫折に見舞われようとも。己の力で、己が最も信じる道を。


歌、踊り、パフォーマンス、そして生き方。
スクリーンに映し出される彼らの生き様は、正にパワフルそのもの。
そして時折魅せる繊細さと、人間が人間であるが故の愚かなかけあい。光と影、表と裏に翻弄される彼らは、正に現代にも通じる何かを見せられているようで、最後まで引き付けられる作品でした。
でも、何より作品から溢れるばかりのパワー! これには、圧倒される方も大勢いらっしゃったのではないのでしょうか。

人間は決して一人では生きていくことは出来ず、一方で、複数の人間で生きていくからこそ、必ずそこに軋轢が生じ、時として個々の関係に亀裂を生じさせることがあります。
一旦壊れてしまったものを、元に戻すことは、そうそう容易なことではありません。だからこそ、それをどのように乗り越えていくか、そこに、人間が持つ本当の『強さ』が表れるのではないのでしょうか。

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2007/02/24 22:06 | Comments(1) | TrackBack() | Review - Movie

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コメント

相変わらず文章うまいね~
ドリームガールズ、見たくなったので見てきます!
posted by たいちat 2007/03/01 00:34 [ コメントを修正する ]
Re:無題
お褒めに預かり、光栄です。

『ドリーム・ガールズ』は、ショービジネスの裏舞台の確執や陰謀が数多く描かれていますが、色々な要素はあるものの中途半端な感じはなく、また表舞台との煌びやかなシーンの対比として、クッキリ別れているので、とても感情移入しやすい映画だと思います。

是非、楽しんでください。

>相変わらず文章うまいね~
>ドリームガールズ、見たくなったので見てきます!
2007/03/04 19:14

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