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2024/04/19 10:48 |
[Review] 幸せのちから

幸せのちからウィル・スミスも走る走る走る走る走るー!!


ホームレスになるほどのどん底に陥ったものの、自らの望みを諦めず這い上がった、実在する男のサクセス・ストーリー。
アメリカン・ドリームを象徴する物語、と言われているこの作品です。が、確かに主人公の奮闘振りには目を見張るものがありますし、最後についに夢を掴んだ瞬間は、「ああ、本当によかった」と思うけれど、「この作品が好きですか?」と問われると、「う~ん…」と首を傾げてしまうのが正直なところ。

なぜかというと、端から見れば、主人公は途轍もなく意地っ張りで頑固で、時には身勝手であるから。妻も子供も、生活する場を維持していく身であるにもかかわらず。同じアメリカン・ドリームとしての作品であるならば、ジム・モリスの半生を描く『オールド・ルーキー』の方が僕は好きです。

けれど、そんな彼に対しても、見習わなくてはならないところがあって。それは、『一切妥協を許さないところ』。そして、『何が何でも、しがみ付いてでも守り通すこと』。
サバサバした性格の人間であれば、もし夢を、自分の望みを追い続けるならば、それ以外のものを切ってしまうと思うんです。自分の家族とか。その姿勢に家族が薄々でも感付いてしまうと、「貴方の負担になるなら別れましょう」といって離別してしまう。この作品の主人公の彼は、奥さんとは別れてしまうけれど、本当はしがみ付いてでも手元に置いておきたかったんじゃないんでしょうか。でも、自分の気位や自尊心の高さが、その気持ちをはねつけてしまい、「出て行くなら出て行け」と言ってしまう。それでも、最愛の息子は手元に置いておきたい。
自分の夢は叶えたい。愛する人も守りたい。手に入れたものはもう誰にも奪わせない。触れることすら許さない。むさ苦しいほどの情熱を持ち続けていても、ここまでの覚悟はそう簡単に持つことは出来ないでしょう。


でも、それは同時に家族を苦しめてしまうことにもなります。それでも夢を、幸せを追求していくのであれば、よほどの家族の理解が得られないといけません。
そういった意味では、この作品は主演のウィル・スミスは勿論のこと、彼の実子であり、主人公の一人息子を演じたジェイデン・クリストファー・サイア・スミスに拍手を送りたいです。
本来なら、色んなことをスポンジのように吸収していく5歳という年頃であれば、各地を転々とし、父親の苦渋に満ちた顔を見れば、きっと泣き叫びたいはず。それでも彼は決して泣かなかった。唯一、お気に入りのおもちゃを落としてしまった時、一筋の涙をこぼしてしまったけれど。

人間はプライドを持たなくてはならないけれど、誰かを苦しめるようなプライドであれば、必要ありません。それは僕の考えです。
でも、誰かを苦しめると分かっていても、そのプライドだけは捨てられないというのであれば、しがみ付いてでも守りなさい。この考えは、きっと日本人にはあまり馴染まない考え方なのかもしれません。僕自身も何かしらの願いやプライドを持っていますが、守らなければならないものが目の前にあると、その願いもプライドも、霞んでしまうかもしれません(多分これが、冒頭の質問に対する答えの源泉)。
が、その考えを持っている人に対してであれば、きっと、この映画は心に響く作品になるのでしょう。

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2007/01/28 01:46 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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