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2024/04/26 18:11 |
[Review] Ray
Ray『ソウルの神様』と呼ばれた、盲目の天才ピアニスト、レイ・チャールズの物語。幼い頃に失明になった彼に対して彼の母が言った言葉が、

「あなたを盲目だとは言わせないで」

だった。
母は、当時の黒人という人間差別に更に追い討ちをかけるように失明になった彼に対し、どんな艱難辛苦が待ち受けても、決して諦めないで立ち向かって、という言葉だった。けれど、彼にその言葉は届かなかった。彼は『逃げる』ことで、必死に己の弱さを隠そうとしていた。母親の約束どおり、「自分は強い」と見せかけたのだ。

また、彼は不器用でもあった。本当の自分の気持ちを、『音楽』でしか表現することが出来なかった。「黒人で目が見えない人間にとって、できることは少ない」という彼の言葉は、正にそれを反映しているのだと思う。
やがて音楽として成功を収めたとしても、全てが自分の思うようにはいかない。家族のことだとか、ギャラの取り分だとか。だから彼は更に『逃げ』の手に出る。『薬物』という手に     


人間は誰だって弱い存在です。自分一人の力でできることなんて数少ないし、思い通りにいくことなんて、もしかしたら人生で両手に数えるくらいしか無いかもしれません。
それでも、それに『立ち向かう』のと『逃げる』のでは違います。『逃げて』しまえば、それだけの報いが襲い掛かります。まぁ、客観的に見れば『逃げる』選択でも、リスクは伴いますから、本当の意味での『逃げ』という選択は無いですが。
もし彼が、『逃げ』の選択のままで幸せだと感じていたのだとしたら、それはそれで良かったのかもしれません。その時、『レイ・チャールズ』に対するファンの視線は、どうなっていたのでしょうか……

音楽は彼にとって自分の気持ちの捌け口ではあるけれど、彼が自身の強さを取り戻すことによって、その響きは一層磨きを増していきました。
一部の人だけでなく、本当に世界中の人々から愛されるだけの音楽に。彼の大きな『Soul』を吹き込んだ、偉大な音楽は、色々な人に笑顔を与えたに違いありません。


最後に。
ジェイミー・フォックスは本当に素晴らしかったです。先に観た『アビエイター』も、主人公の苦悩を描いたものですが、僕個人としては、より人間の『弱さ』の部分に響くものでした。

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2006/01/17 14:36 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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