この映画は、何とコメントしたらいいのだろう。
『感動』とか『素晴らしい』とか、そんな陳腐な言葉では語りつくせない。
気がついたら、大粒の涙が止め処なく頬をつたっていた。
映画を観終わった後でも、胸の奥からこみ上げてくるものが、収まることは無かった。
『若年性アルツハイマー病』
今の医学では、止めることも治すこともできない病気。零れ落ちる記憶を掬い止めることも出来ず、茫然自失のうちに記憶が一つ消え、また一つ消え、自分の無力さにただただ嘆き悲しむ病気。
でも。
それ以上に苦しいのは、そんな苦しむ自分の姿を見て、何も出来ない家族なのかもしれない。
死ぬよりも辛い思いを味わう病気。
もし自分がそうなったら、大切な人を過去と同様に愛せるのか。
もし大切な人がそうなったら、過去と変わりなく愛せるのか。
娘の結婚式の最後のスピーチ。
今にも記憶が消え入りそうな時のこの台詞ほど、辛く苦しいことはないのではないだろうか。
受験の時。
色々な単語や数式を覚えることの毎日に苦痛だった。
でも今は。
記憶があることに、覚えているということに、これほど感謝したことは無い。
それでも、『忘れる』ことの恐怖が消えることは無い。
昨日のことはおろか、大切な人の存在すらも忘れてしまうことに。
大切な人に、自分の存在を忘れられてしまうことに。
この恐怖を乗り越えることが出来たら、きっと、新しい気持ちで『明日の記憶』を紡いでいけるのかもしれない。たとえ、過去の記憶が風とともに消え去っても、僕たちの心の中には、ずっと、残っているのだから。
『感動』とか『素晴らしい』とか、そんな陳腐な言葉では語りつくせない。
気がついたら、大粒の涙が止め処なく頬をつたっていた。
映画を観終わった後でも、胸の奥からこみ上げてくるものが、収まることは無かった。
『若年性アルツハイマー病』
今の医学では、止めることも治すこともできない病気。零れ落ちる記憶を掬い止めることも出来ず、茫然自失のうちに記憶が一つ消え、また一つ消え、自分の無力さにただただ嘆き悲しむ病気。
でも。
それ以上に苦しいのは、そんな苦しむ自分の姿を見て、何も出来ない家族なのかもしれない。
死ぬよりも辛い思いを味わう病気。
もし自分がそうなったら、大切な人を過去と同様に愛せるのか。
もし大切な人がそうなったら、過去と変わりなく愛せるのか。
娘の結婚式の最後のスピーチ。
「新しい命が娘に宿っています。これから、どんどん新しい思い出が増えていくでしょう。」
今にも記憶が消え入りそうな時のこの台詞ほど、辛く苦しいことはないのではないだろうか。
受験の時。
色々な単語や数式を覚えることの毎日に苦痛だった。
でも今は。
記憶があることに、覚えているということに、これほど感謝したことは無い。
それでも、『忘れる』ことの恐怖が消えることは無い。
昨日のことはおろか、大切な人の存在すらも忘れてしまうことに。
大切な人に、自分の存在を忘れられてしまうことに。
「俺が変わってしまっても、俺が俺じゃなくなってしまっても平気なのか」
「私が居ます、ずっとそばに居ます」
「私が居ます、ずっとそばに居ます」
この恐怖を乗り越えることが出来たら、きっと、新しい気持ちで『明日の記憶』を紡いでいけるのかもしれない。たとえ、過去の記憶が風とともに消え去っても、僕たちの心の中には、ずっと、残っているのだから。
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