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2024/03/29 23:01 |
[Review] 奇跡のシンフォニー
奇跡のシンフォニー人の想いは、何よりも強い     
それを思い起こさせる、素晴らしい作品です。


天才的な音楽の才能と感性を持つ少年の望みは、有名になることでも、お金を儲けることでもない。彼の願いは、両親を探すこと。そして両親と普通の幸せな毎日を暮らすこと。公園で遊ぶ親子のように。
当ても無い旅路。どこを探したらいいのか分からない。どうやって探したらいいのか分からない。お金も写真も手がかりも何も無いけれど、自分には音楽がある。それも単に音を聞き分ける、演奏する能力だけではない。音楽に想いを届ける、音楽が持つ想いを受け入れる。
自分の両親も何よりも音楽を愛していた。父親はロック・ミュージシャン。母親はチェリスト。分野は違うけど、好きな音楽に対する想いは、きっと誰にも負けていない。だって一度音楽を離れても、心の底から離れたわけではないから。そしてその音楽こそが、離れ離れになった3人の魂を一つへと導く。お互いが「会いたい」と願う強い想いを、音楽に乗せて。

彼の能力の凄いところは、何気ない音にも音楽性を見出すこと。そして、素晴らしい音楽を引き出すために、凝り固まった法則は必要ないと考えること。
普段何気なく聞いている日常生活のノイズ。11年も養護施設に預けられた彼にとって、たとえ耳に障るような雑音であっても、それは未知への探求を駆り立てる交響曲。
初めて触れたギターやピアノ、パイプオルガン。勿論これまで教科書どころか、音符ですら見たことないから、正しい弾き方さえ分からない。でも、彼にはそんなことは関係ない。音に想いを乗せるために、始めから体裁を整える必要はない。彼の手にかかれば、これまで考えもしなかった楽器の使用の仕方で、思わぬ音色を引き出すことも出来る。
この作品は、音楽映画の王道の作品ではありません。「正しく弾こう」「上手く弾こう」「有名になるために、お金を儲けられるように」、主人公にはそんな想いは少しも無い。ただ、奏でる音に自分の想いを切実なまでに乗せて、まだ見ぬ両親に届けようとしているだけ。この作品は、『想いの強さ』の作品だと思います。


ジャンルは一切関係ありません。専門的な知識も必要ありません。
何よりも強い気持ちが込められた珠玉の調べを、どうぞ堪能してみてください。

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2008/06/22 11:48 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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