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2017/09/25 06:21 |
[Review] 劔岳 点の記
劔岳 点の記人間の生活を切り詰めに切り詰めて考えると、この世に存在する仕事のほとんどは、あまり、というより、全くと言っていいほど意味をなさない。今の仕事をしていると、時々そう思う。客観的に見れば、必要のない仕事だからだ。生産性も無く、ただ、経費を削ぐだけ。
それでも僕は、今の仕事を誇りに感じるし、これから先も続けていきたいと思う。それまでは、今の仕事に対する結果に満足していただいているお客さんの存在があった。でも、今は違う。同じ道を選び、共に歩んでくれる仲間がいる。たとえ世界の大多数が無意味と決めつけても、僕たちの仕事に意味を与え、評価してくれる人たちがいる。
そういう人たちの存在が、これまで僕を形作り、そして、今の僕がいる。この人たちの存在は、たとえそこに金銭のやり取りやメリット・デメリットが無くても、ただただ、感謝するばかりだ。

でも、社会はそういった人たちばかりでないから、時には苦痛も感じるし、屈辱も感じる時がある。誰が決めたのか分からない、目に見えるわけでもない、それでも人は、何かを縛りつきたがる。何かに縛られたいと思っている。それに意味があるのか、それさえも分からないまま。
それは権力の象徴。人が人として、動物として、何かの優位に立ちたいと思わんばかりに誇示するもの。本来、誰かを幸せにするためのものでさえ、権力の前には苦痛となる。

縛りつけられれば縛りつけられるほど、人は、今自分が成している、成そうとしていることに疑問を持つ。一体これが、誰に、どんな役に立つのだろう、と。特に、前人未到の仕事をなそうとすると、その色が一層際立って濃くなる。きっと、自分独りだけではつぶれかねない。
そして、迫りくる苦行や困難。単なる人間の営みだけではない、眼前に広がるのは、人間がどんなに努力を重ねても決して追い抜くことができない大いなる大自然。穏やかな時は、ほんの一瞬だけ。自然は常に、それに挑みかかる者に対して容赦無い牙をむく。

それでもその大自然に立ち向かおうとする意志と熱意は、一体どこから出てくるのだろう。きっと、独りでは決して成しえない。共に行き、共に頂へ登らんとする仲間がいるからこそ、成しえることに違いない。それが、どんなに前人未到の偉業であろうとも。


僕が今携わっている仕事は、独りの時でも別に何とも思わなかった。その仕事そのものが楽しくやれたからということもあるのだろうけれど。でも、ふと脳裏によぎることもある。「このままずっと、独りなのか」と。
それだけに、共に歩む人たちができたというのは、何物にもまして掛け替えのないものだった。失いたくないと思った。無理に気負うつもりはないけれど、これまで一層頑張りたいと思うようになった。自分のためにも、その人たちのためにも。

これまでも、これからも、誇りを持てる仕事と、それを共有できる仲間がいる、ということを、ずっと大切にしていきたい。そう思える、珠玉の一作だと思う。

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2009/06/21 18:26 | Comments(0) | TrackBack(22) | Review - Movie

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