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2024/03/29 00:45 |
[Review] ボーン・アルティメイタム
ボーン・アルティメイタム記憶を失った暗殺者、ジェイソン・ボーンが、失われた記憶と自己の存在を追い求める為に世界を駆け回るバトル・アクション映画第3作。

記憶を辿る者。その者を殺すCIA。記憶を手繰るために、手がかりを探す。記憶を手繰らせないために、手がかりを潰す。どちらがどれだけの情報を仕入れ、準備し、的確に対応するか。互いが互いを出し抜く。慎重に、時に大胆に。
記憶を手繰る手がかりに近づけば近づくほど、CIAの攻撃は一層激しさを増す。容易に近づけない。勿論CIAも容易に殺せない。何せ、自分達が育てた最強の暗殺者なのだから。
止まることが無い彼は、追う者を見つけてはその命を摘み取っていく。記憶の無い最初の頃は、覚束ずも澄んだ目が、だんだん濁っていく。これぞ、暗殺者の目、というふうに     

追う者と追われる者、互いの素性は知っていても、その本性をつかむことが出来ず、幾多の攻防戦でどちらかが(もしくは双方ほぼ同時に)その真相を掴む、という構図は、『DEATH NOTE』の前編(夜神月とLの攻防)に良く似ています。但し、『DEATH NOTE』の場合は、互いが互いの懐に位置し、互いを飼い慣らしも同然にしながら、どちらが真相を掴むことが出来るか、という静的な攻防です。その一方で、この『ジェイソン・ボーン』シリーズは、動的な攻防。ジェイソン・ボーンは記憶を手繰るために、それを邪魔する存在は悉く葬るか利用する。CIAは凶悪的な暗殺者を一歩たりとも近づけないために、あの手この手で探し出し、抹殺を試みる。
どちらが先に王手をかけるか、最後の最後まで予想だにできない展開は、観る者を圧倒し、終始ハラハラドキドキさせました。

難を言えば、如何にCIAの手から逃れるために手段を選ばないとはいえ、半ば無茶苦茶なことをするなぁ、というのが正直なところ。勿論、『ボーン・スプレマシー』でもあるように、相手が相手ですので、形振り構っているわけには行かない、本気で逃げ遂せる、というのは分かりますが。
一番の山場に見せるカーチェイス・アクションも、もちょっと上手い具合に相手を出し抜くようなスマートな逃げ方を観たかったなー、とか。まぁ追う方もプロですから、そんなスマートな方法では出し抜けようにも出し抜けないんでしょう。


さて。
ついに彼は『本当の自分』を見出すことができました。
自分を『作り上げた』CIAの暗部も暴露することが出来たし、まずは本懐を遂げることが出来たのでしょう。いくら致し方の無い身の上の出来事とはいえ、これからはごく普通に幸せに暮らしてほしいものです。
まぁ、身体に染み付いた『暗殺』の習慣は、そう簡単に抜けることは無いでしょうけれども……

以下は、これまでに制作・上映された、『ジェイソン・ボーン』シリーズのReviewです。


ボーン・アイデンティティー記憶を失った暗殺者、ジェイソン・ボーンが、失われた記憶と自己の存在を追い求める為に世界を駆け回るバトル・アクション映画第1作。

かつては大雑把に『記憶喪失』と称された病気は、『全生活史健忘症』と呼ばれています。長編連載漫画では必ずといっていいほどつきものである伝説の病魔ですが、実社会でも本当にあるんですね。でも一般の人にはパッと見では分かりませんし、以前とあるテレビ番組で出演した『全生活史健忘症』の人だって、本当にそうなのか見た目だけでは分からない。だって普通に生活できているので。文字も読めるし話せる。家事のさしすせそ(裁縫・躾け・炊事・洗濯・掃除)もこなしているようですし。
まあ、以前それをネタに『全生活史健忘』を演じきった外国人もいたわけですが。

さて、本作品の主人公『ジェイソン・ボーン』はというと。
自分の名前から、素性、出身地、目的、友好関係に至るまで、あらゆる自分を取り巻く環境についての記憶は、全て消え去っているのに、これから降りかかる危険、今自分がどの立ち居地で、どこに誰がいて、それがどのような武器を以って自分を狙っているかが分かる。一般人としての生活スタイルは勿論の事、かつて自分の素性だった『暗殺者』としての身のこなしもはっきりと刻まれていて、どんな敵が襲い掛かっていても、瞬時に的確な対応を取って危機をすり抜けていく。
正に、『頭の記憶』ではなく、長い間自分の身体に染み付いた『身体の記憶』が成せる業なのでしょう。

第1作目『ボーン・アイデンティティー』は、自分の記憶が無くなってからの自分の素性探しの始まり。何故自分は危機を嗅ぎ取る事が出来るのか、何故自分は危機に対し的確に判断する事が出来るのか、何故自分は常人以上の身のこなしをすることができるのか。
そして明らかになる自分の素性。他者によって作り上げられた人生。けれど、他にもまだまだ大きな謎が。隠された謎の組織の存在からして、「単に事故で記憶が無くなった」というわけではなさそうです。アクションシーンも、これまでに登場した数あるアクション映画に比べても、比較的控えめ。それも、これから更に大きな試練が待ち受けている、ということを示唆しているのではないのでしょうか。


それにしても。
個人的ではありますが、マット・デイモンはそのお顔の造形からして真面目キャラですので、あまりアクション映画の主人公としては似合わないような……
『ディパーテッド』や『シリアナ』、『グッド・シェパード』でのマット・デイモンはハマり役だと思いました。『ディパーテッド』はマフィアの方を演じましたが、警察へ侵入したからか総じて真面目キャラを演じていましたし、イメージと演じたキャラクターがマッチしていたので、個人的にはそういった路線が似合っていると思っていたので。
まぁ、微妙に違和感はあるものの、実際に敵を駆逐する暗殺者としては徹していたと感じました。でも暗殺者としての冷酷なまでの『目』は、ジェット・リーには敵わないと思いました。



ボーン・スプレマシー記憶を失った暗殺者、ジェイソン・ボーンが、失われた記憶と自己の存在を追い求める為に世界を駆け回るバトル・アクション映画第2作。


supremacy

-【名】(U)
1.至高、至上; 最高位、優位性
2.主権、覇権; 支配権

『ボーン・スプレマシー』は、この『supremacy』の単語のように、追う者、追われる者どちらが優位に立てるか、という、一種の心理戦に似たような作品に仕上がっていると思います。
ジェイソン・ボーンは、失われた自分の記憶を探すために、『ジェイソン・ボーン』という暗殺者を文字通り作り上げたCIAの真相に、方やCIAは、自らが作り出した強力な知力・体力・時の運を持つ暗殺者が、自分達の首に刃を向ける前に始末するために。

ところが。
この作品にとって、暗殺者は彼だけではないかもしれないけれども、総じて作り出された暗殺者は、暗殺という任務が他人に知られないよう、痕跡は一切残らないやり方で始末し、また残った場合も、全て跡形も無く消し去る手法を取る。それは第1作『ボーン・アイデンティティー』でもあります。
けれど、行く先々で彼は見つかり、そして追われるハメに…… 偽装パスポートはいくつもあるけれど、下手に変装できるわけではないし、何より色んな国を行き渡っている。それを差し引いても、結構あっさりと見つかってしまってないかい? ジェイソン・ボーン。痕跡を残しすぎのような気がしますが。わざとだとしても、監視カメラに映る位置に自分がいるのは、「捕まえてください」と言ってるようなものですけれど。
まぁ、CIA並びに各国の警察諸機関の包囲網は、そんなに甘くはないってことしょうか。たかだか一人の暗殺者でも、驚異的な能力を持っている。総力戦でなければ、太刀打ちができない、ということでしょう。それでも見事にすり抜けられていますけれど


さて、『ボーン・アイデンティティー』で知り合った女性に殺されてしまい、それでもまだ完全に記憶が戻っていない状態で、次々と命を狙われているジェイソン・ボーン。それでも、確実に真相に迫っています。果たして、彼は無事、記憶を甦らせ、自分自身を取り戻す事が出来るのでしょうか。。。

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2007/11/12 21:13 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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