忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/04/20 21:32 |
[Review] デイ・アフター・トゥモロー
デイ・アフター・トゥモロー環境省ご推薦の、環境破壊がもたらす気候変動を捉えた物語。

地球温暖化により、北極や南極の氷が溶けるが、それがもたらす地球環境の変動は、単に海面が急激に上昇するのではなく、一気に気温を氷河期に落とし込む、というものです。
何でも、氷が溶けたばかりの冷たい水が暖かい海域になだれ込み、水温が急に下降し、それが大気にも影響を及ぼして、巨大なハリケーンを作り出す。水温や気温の下降は止まる事を知らず、ついには海面上昇による大洪水の直後における凍結。
かつて、地球が経験した『全球凍結』や『氷河期』を、人間の手で作り出してしまいます。環境破壊のしっぺ返しとして。

ニューヨークの街を襲う巨大な波のうねりは、さながらノアの箱舟。
旧約聖書では、神は邪悪に満ちた人間を全て海の底に沈め、ノアの一族と清浄な動物の番いが箱舟に乗り、人間社会の再生を図ろうとした。しかし、この映画には人間社会の再生のために『選ばれた者』はいない。みな『平等』に、水の底に沈み、永久凍土の中にその身を埋葬される運命にある。
生き残るのは、ノア一族ではなく、『生きよう』とする意思と知恵のある者だけ。そういう意味では、現実的であり且つシュールでもあります。
まぁ、実際に全球凍結のような気候変動は、SF映画の世界ではなく『現実』の世界として、到来が予測されている、とも言われています。決して他人事ではないのですね。

そして、最終章の段階で見る、一面銀世界のニューヨーク。
しかしそこは、スキー場などで見る歓喜溢れる世界ではなく、銀色の砂漠そのもの。
何もかもが凍結しているので、オアシスなんてものはどこにも存在しない。
もし、何の目標もなく、ただあてもなく彷徨っていたら。見渡す限り銀色の砂漠で、何一つ見えるものが無かったら。
多分、砂漠以上に生きる気力を失わせる世界なのでしょう。


ポイントとして描写されているのが、「環境汚染のしっぺ返し」なので、もう一つの主線となる『親子愛』は、今ひとつ描写に乏しいものがありましたが、
『宇宙戦争』よりかは、良かったんじゃないかな、とも思ったりします。
一旦仲違いした親子も、大惨事を前に己の無力さを痛感するけれど、お互いを信じる事で乗り越えていく。確かに、涙がちょちょぎれるような感動のクライマックス、というものではありませんが、「ああ、良かった……」とホッと安堵させてくれます。

自然に対して、人間ごときの力で対抗できるわけが無い。でも、お互いを信じる事と、何があっても生き抜く意思が、自然に対する何よりの抵抗力なのかもしれません。

拍手

PR

2005/12/21 18:22 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<[Review] SAYURI | HOME | [Review] スチームボーイ STEAMBOY>>
忍者ブログ[PR]