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2024/04/26 18:12 |
[Review] 死刑囚042
死刑囚042『死刑囚』なんていう、実に僕好みのタイトルがついているから、ウキウキして購入して読んでみたら。
内容は全くの別。死刑囚の体験記とか、ノンフィクション集を創造していたのですが。

設定自体がまずあり得ないことづくし(まぁ、漫画の世界ですから…)。
死刑囚が日常社会に働きに出るなんて。
あまつさえ『怒り』という感情に反応して爆発するチップを、脳内に埋め込まれるなんて。


でもこの漫画は、そんなことのために描かれたものではなく、
死刑囚と触れ合うことによって、死刑囚自身が、またその周囲の人が、『命の尊さ』『人を愛すること』を学んでいくことを目的としています。

1巻から、しんわりと心に響く内容ですが、最終巻は、正直涙が止まりませんでした。


死刑制度の云々とか、死刑囚についてどうかとか、そういう視点ではなく、
一人の人間として、これから社会の中で生きていく人間として、
『命の尊さ』『人を愛すること』はどういうことなのか、というのを噛み締めながら、読んでもらいたい本だと思います。
追記ですが、僕は死刑制度の撤廃には反対です。

仮の話ですが、僕の大切な人を殺したり苦しめた犯人と、たとえ塀を隔てているとはいえ、同じ空気を吸っていることすら不満です。
「加害者にも人権を!」なんて叫ばれていますが、そもそも何の罪も無い、普通に幸せに暮らす権利を持つ人を、突如殺してしまった(=その人の生きる権利を奪った)んですから、「加害者に人権を!」と叫ばれても、僕はちっとも納得できません。僕はそこまでお人よしではありません。多分、これからも。

勿論、殺した犯人が十分に反省し、それが被害者や被害者の家族にも十分に伝わる形であれば話は別ですが(『十分』なんてのはあり得ないですけどね…)。最近の殺人事件は、そんなことすら殆ど見かけませんからね… 如何にも「俺は正義のためにやったんだ!」と言わんばかりに法廷で撒き散らしたり。


僕もいわゆる事なかれ主義なので、あまり政治的な話を持ち出すのは苦手だし、確かに批判されたり嫌われるのは怖いです。
でも、自分が信じる道を、「他人がこうだから」と言って曲げてしまえば、もうそれは僕であって僕でない気がします。たとえ、その信念が世間一般的に間違った方向であろうとも。


この漫画を読んで、「やっぱり死刑囚でも一人の人間なんだね…」とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。確かにそうです。
だけど、それでその死刑囚が「過去に何をやったか」を帳消しにする事なんて出来ないし、ましてや死刑囚全員が『彼』と同じ性質であるなんてありえません。

『生きる権利』を奪ったものは、それと同等の代価を支払わなければならない。死刑はその最良の手段ではないかもしれません。でも、本当の意味で『命の重さ』を分からせるために、必要な手段ではないか、と考えます。残酷な言い方かもしれませんが。

逆の言い方をすれば、死刑制度を撤廃すれば「俺はこの先何人殺しても、法律が守ってくれるから絶対に死刑にならない!」と考える犯罪者が出てくるはず。むしろ必ず。
貴方は、どう思いますか?

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2005/05/17 12:37 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Comic

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