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2017/04/30 21:45 |
[Review] 東京BABYLON
東京BABYLONCLAMPの漫画は大体一通り見たのですが、その中でも印象に残っている作品といったら、『X』と『東京BABYLON』です。特に『東京BABYLON』は、霊的な要素を取り入れていることと現実の闇の部分が描かれていることから、全編が暗めの色調ですので、僕の周囲でもあまり得意でない人もちらほらいました。が、概ね周囲でも好評を博した漫画であります。

漫画のタイトルの通り、『BABYLON』は古代ハンムラビの主要都市の名前。そして、先日観た映画の名前にもなっている『バベルの塔』が建てられた都市。この漫画の活動拠点は専ら東京ですので、言葉は全編において日本語ですが、心は全くと言っていいほど通じていない。それは、人々の『無関心』からなる連鎖。映画『バベル』と通じるものがあり、『バベル』を観た後で『東京BABYLON』を見ると、「現代人は如何に他人に対して無関心であるか」というのが恐ろしいほどに浮き彫りになります。勿論、逆に『東京BABYLON』を見てから『バベル』を鑑賞しても、両者の共通点を見ることが出来るでしょう。

主人公である皇昴流は、東京に蔓延る様々な霊的事件を、陰陽術を駆使して解決していきます。その中で垣間見る、『東京』の『闇』の部分。
特別な力を持っているものの、その『闇』の部分を全て解決することなんてできない。払拭することなんてできない。それでも、何とかして解決しようと試みる。解決出来ない、自分では何も出来ないことが分かった時、「人に出来ることなんて数えるほどしかない」と双子の姉である皇北都に口すっぱく言われながらも、出来なかったことが辛い。出来ない自分が辛い。
けれど、それは今の人間社会が、あまりにも複雑に絡み合って成り立っている裏づけにもなります。ただ単純に「~~したら解決できる」では済まされない社会になっている。必ずどこかで力の反作用が生まれ、下手したら一層歪な形になってしまう。加えて、ほとんどの人たちは、それらの問題に対し関心を寄せていない。目に見えて悪化の途を辿っていなくても、徐々に腐敗していく姿が見えてきます。正に、桜塚星史郎の言である、「滅びの道を悦んで進んでいく」かのように。

   「悪いことをする人は、みんな寂しいのかもしれないね

この作品、実は90年代初期に描かれたものなのですが、それは10年以上過ぎた今となっても、人間の根本は変わっていないのかもしれませんね。
『寂しさ』というのは、得てして心の中に生まれでる『闇』から生じる。その『闇』が、自己顕示に呼応するかのように、誰かを傷付け、誰かを殺め、誰かを不幸に陥れる。モロッコで起こった観光客への銃撃事件も、アメリカ国内の不法就労問題も、日本での未成年による危険な遊びについても、共通しているのは『心の闇』。そこから生じる『寂しさ』。
僕たちは、どれだけその『寂しさ』に気づけるか。今再び、枯れ果てそうな人類共通のコミュニケーションの問題が試されている時なんだなと思います。


それにしても。
双子の姉弟とはいえ、同じ問題に対して、視点や考え方はこうも違ってきますね。
姉の北都は、「自分に出来ることは数えるほどしかない。だからこそ、今自分にできることを精一杯成し遂げる」。弟の昴流は、「自分があまりにも無力なばかりに、目の前で起きた問題でも何も出来ないでいる自分が辛い」。
一見すると、姉・北都の方が健全で前向きな考え方をしているように見えますが、僕は両方の気持ちを持っていた方がいいと思うのです。「今自分にできることをしよう」。確かにそれはそうです。但し、そのことだけに囚われると、「今自分に出来ることしかしない」ということになりかねない。
世の中は絶えず動いている。変化している。今自分に出来たことが、明日には出来なくなっているかもしれない。ならば、「自分に出来ること」を、少しずつでも増やしていくしかない。
「自分には出来ないことばかり」と嘆くだけでもダメ。ならば、この先自分に出来ることは何なのか。出来ることを増やせるとしたら、それは何なのか。どういうところで、それを役立てることは出来るのか。
簡単なようでいて、とても難しいことですが、来るこれからの未来と多くの問題のために、やっておく必要があると考えます。

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2007/05/04 14:48 | Comments(1) | TrackBack(0) | Review - Comic

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コメント

東京BABYLONの単行本3巻。
Q2にポケットベル。
今だったら何になるんでしょう?
OVAの昴流君の声が、バーローの貴公子 いくつもの名前を持つ謎の名探偵
N◎Kの幼児番組のキャラクターとかぶってしまう。
posted by ミントat 2007/08/10 16:10 [ コメントを修正する ]

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