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2024/04/24 19:59 |
[島根] 神々の坐す国 前編
予てから、横山大観の絵や北大路魯山人の陶器が展示されている足立美術館に行きたいという強い年賀あり、島根へ旅することにした。

連日の日本海側の大雪で、飛行機のフライト自体が危ぶまれていたが、幸い、規制ラッシュの混雑程度の遅れのみで、無事出発。切り立つ山々を白銀に染める神秘的な雪景色を、飛行機の窓から眺めながら、さぞかし今の島根も幻想的な銀世界になっているだろうと思ったら。雪はまったくといっていい程無く、しかも天気は晴れ。
まぁそれほど寒くはないし交通機関のマヒも無いだろうから良かったものの、ちょっと拍子抜け……


気を取り直して、ホテルに荷物を預けてから、市内散策。
田園が広がるのどかな市街地を想像していたが、思った以上に都市区画整備がなされていた。冬の清涼な空気も手伝ってか、車も多く行き交うのにゴミゴミとして感じがなく、むしろ都市が一つの公園であるかのような、そんな感じを受けた。また、宍道湖から県庁~松江城にいたるまで、島根の県木である黒松の木が多く、雪国らしく雪の重さで皆ユニークな曲がり方をしていた。

松江城を経由して、小泉八雲の記念館・旧家と武家屋敷へ。


松江城 - 其の一 松江城 - 其の二


天守閣は、太平洋戦争後に解体修理が成されたものの、関が原の戦いや明治維新を経ても、かつての雄姿をそのまま留めている。望楼式は360度の大パノラマ。この日は雲が多かったため遠くまで見渡すことができなかったが、空気の透き通る晴れた日には、東には雪化粧の大山、南には夕日に照らされた輝く宍道湖が見られるだろう。

また、天守閣を含め松江城の敷地内には、大小多くの桜の木が植えられていた。きっと、桜が満開のころには多くの観光客で賑わうのだろう。桜と城のコラボレーションは、どこの城でも合う。山陰旅行の季節を間違えたか……

小泉八雲記念館へ行く前に、茶屋で一服。松江名物といわれる『ぼてぼて茶』を堪能する。泡だった番茶に、十穀米・黒豆・津田カブ・カブ菜・椎茸・野焼・高野豆腐を混ぜて飲み干すのだが。これがまた筆舌し難いビミョーな味。ある意味、好き嫌いがはっきり分かれる飲み物だと思う。


小泉八雲記念館は、彼自身の作品や彼の子供たちが描いた絵等の作品が展示されていた。


小泉八雲記念館 - 其の一 小泉八雲記念館 - 其の二


ほかにも、生前使われていた生活用品が展示されていた。何故かBGMはエンヤ(恐らく、彼の父親がアイルランド人だからなのであろう……)。
打って変わって、旧家では彼が愛した日本庭園や伝統的精神がそのままで残っていた。ある意味、日本人よりも日本人らしい面影がそこにあったのではないかと思う。

単に、日本の風情が好き、というのではないのだろう。石の一つから木々の一本まで、ヨーロッパ出身でありながら日本の怪談を書き上げたのは、彼の持つかつての日本人の精神の一つである『八百万の神』とか『九十九神』といってところにあるのではと思う。生きているものも生きていないものも、須らく神が宿るという概念。それは宗教を取り払った、感性豊かな日本人独特の心。それが彼の琴線を引いたものであり、また、今の日本人に問いかけるメッセージなのかもしれない。


堀をグルッと巡り、島根県庁に差し掛かったところで、天守閣から鳥の鳴き声が。


ピューピリリリリリリ……
             ピューピリリリリリリ……

鳶



鳶だ。数羽の鳶が群れを成しながら、上空を旋回していた。泣き声もよく通り、夕焼けで赤く染まり始めた空を悠々と飛ぶ鳶の姿に、しばし時を忘れてジッと見入っていた。


ホテルに戻った後は、超高価な島根和牛のサーロインで舌鼓を打ち、松江しんじ湖温泉で指先が十分にふやけるまで満喫した。初日は特にメインではないのに、思った以上に楽しめて本当に満足。



『島根県』の写真集についてはこちら

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2005/12/30 22:44 | Comments(0) | TrackBack() | Outdoors

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