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2024/04/27 10:05 |
安全と人命
「すみませんお客様。ここで降ろすにはちょっと危険ですので、次の次の●●駅で降ろします。
 もう少し我慢していただけませんかー。」



急な事故で遅延が発生した、朝のラッシュ時の電車の中。
都市部の縦横無尽に駆け巡る道路にかけられた高架橋の上で、電車は立ち往生した。
ただでさえぎゅうぎゅう詰めの電車の中に、輪にかけて人が乗車しているため、気分を悪くする人が続出した。最前車両に乗っている僕の目の前にいる人も、意識はあるものの、顔が真っ青になり脂汗をダラダラと流しながら、口にハンカチを押さえて必死で堪えている。

乗務員にとって、彼はただの『気分の悪い人』なのかもしれない。
でも、もし彼が、一刻も早く治療が必要な重症患者だったら?
それでも乗務員は、「危険だから降ろせない、我慢してくれ」と彼に言い放つだろうか。



安全』   と   『人命


相次ぐ事故が発生する中で、今の鉄道会社にとって、何よりも優先すべき事項だ。
目的地まで人を確実に運ぶために、『安全』に気を配らなければならない。
何かの事故が発生した場合、一人でも多くの『人命』を救助しなければならない。
けれど、どちらかを優先させなければならない時は、必ずといっていいほどやってくる。
今回のケースが正にそれだ。

安全』を優先すれば、急病人は安全なところに電車が到着するまで我慢しなければならない。
その間に、事態が悪化することもあるかもしれない。

人命』を優先すれば、高架橋に限らず危険なところで急病人を降ろさなくてはならない。
病気以上に、足元など気をつけて歩行しなければならないことなど、多くある。


乗客は苛立っている。乗務員も苛立っている。
当然だ。彼らだって人間だから。何百人という乗客の対応を、たった数人でこなさなければならない。ましてや事故で遅延が発生し、何時間も閉じ込められた電車の中。ストレスは双方ともにピークに達しているはずだ。
その中で取らなければならない判断。一歩間違えれば、急病人はおろか、他の乗客ですら危険にさらしてしまう。たった一言で、乗客の運命を大きく変えることだってある。




安全』   と   『人命


貴方はどちらを選びますか?

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2006/01/23 11:15 | Comments(0) | TrackBack() | Diary

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