けれど、内面が大人になってきたからこそ重く圧し掛かる苦悩や挫折。それに対する責任。彼らにとっては大人になることは今か今かという風に心待ちにしてきたものの、いざ大人になってみると、「もうあの頃には戻れないのか……」と思うかもしれません。子供だった頃に見えたものも、大人になるにつれて見えなくなる。けれど、大人になるからこそ見えるものもあることもまた然り。これからの、彼らの更なる成長と飛躍に目が離せません。
物語に関しては、展開が非常に速い。これまでの作品に比べて目に見えるくらいに速いと感じました。「え? いきなりこんな展開に??」と思うこともちらほら。
ただ、次回作への伏線を多少残しているとはいえ、基本的な物語の流れは一本筋。やはり、主な鑑賞者はお子さんなわけですから、枝葉のように伏線が敷かれてて、大風呂敷を広げるような物語展開にすれば、きっと理解できずに終わってしまうこともあるのでしょう。多分、原作をお読みの方からすれば、「え? この部分は端折ったの?」と思うこともあるかもしれません。ですが、映画にはもしかしたら初見の人もいらっしゃるかもしれないわけで。その部分は、監督をはじめ数多くの方が苦心なされたのでしょう。
なまじ、このシリーズは話が佳境に近づくにつれて、どんどん展開が複雑になっていきますから。それを約2時間30分の僅かな枠の中に収める、というのが、彼らの腕の見せ所なのです。
この作品を観て僕が感じたコンセプトは、『ハリーの決意』です。
ヴォルデモート卿を思い止まらせるほどの潜在力と強力な魔力を持ったハリー・ポッターであっても、第1作~第4作までは、どことなく頼りなかった。自分は何も知らない。何も知らされていない。ただ周囲だけが知らない間に事を進めていって、自分自身が進むにしても、誰かのナビゲートがないとすぐに一寸先が闇になってしまう。
自分が選んだわけでもないのに。選びたい選択肢でも無いのに。
ヴォルデモート卿が復活しても、狂言よわばりされて、皆が皆白い目で見て、誰も味方に思えなくて。
でも、一人じゃない、こんな自分自身でも、支えてくれる誰かがいると知った時、ついに彼は自分の力の使い道を決めた。自分が今直面している運命の矛先を決めた。迷いながら歩いてきた彼が、ついに『決意』を固めた。それは同時に大いなる『覚悟』と『責任』を伴うけれど、それでも自分を信頼し、励ましてくれる仲間がいる。
それでも、彼にとっての脅威が消えたわけではない。今後も容赦なく彼と彼の大切なものに襲い掛かるだろう。まだ迷う事だってきっとある。でも、もう『止まる』ことはできない。運命の歯車は、ついに回り始めてしまったのだから。
たとえこの先、大切な人を一人、また一人と失おうとも
この世に生を受けた瞬間から、彼はずっと苦難の連続でした。だからこそ、一人の『ハリー・ポッター』のファンとして、幸せになって欲しいと願っています。「これ以上誰も失いたくない」と願いながら戦い続けてきた彼だからこそ、自身の幸せがいつか訪れるようになるといいですね。
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>。「これ以上誰も失いたくない」と願いながら戦い続けてきた彼だからこそ、自身の幸せがいつか訪れるようになるといいですね。
本当にそうですよね。ハリーのシリーズ最後は亡くなる人がいる・・とのことですが、彼はいろんな苦労を背負ってきたから幸せになるといいですね。
今回の映画は特に苦悩するシーンが多くて、15歳の少年には重いよなぁ~・・なんて思ってみてましたから。
TBいただいていきますね。
ハリー・ポッターシリーズの最終巻が刊行されて、既にネタバレ情報もネットでは広く知れ渡っているようですが、どうやら彼自身にとってハッピー・エンドだということらしいです。
僕は英語が苦手なので、日本語版が出てから読もうと思いますが…(汗)
でも、彼がこれまでに被った様々な苦労を考えれば、ハッピーエンドは間違いないんでしょうけれど、
せめて、大切な友達だけは、失ってほしくないなぁ、と思ってしまいます。
>どうも初めまして。
>
>>。「これ以上誰も失いたくない」と願いながら戦い続けてきた彼だからこそ、自身の幸せがいつか訪れるようになるといいですね。
>
>本当にそうですよね。ハリーのシリーズ最後は亡くなる人がいる・・とのことですが、彼はいろんな苦労を背負ってきたから幸せになるといいですね。
>今回の映画は特に苦悩するシーンが多くて、15歳の少年には重いよなぁ~・・なんて思ってみてましたから。
>
>TBいただいていきますね。