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2024/04/26 14:07 |
[Review] シャーロットのおくりもの
シャーロットのおくりものいじめによる自殺、汚職事件、家庭内暴力、近隣者や親類同士の確執など、今に始まったことではありませんが、近頃のニュースにトピックスとして挙がるのは、そんな疑心暗鬼を募らせることばかり。電車の中でも、会社の中でも、大抵会話は「今の世の中って怖い」「何か子供に安全対策を取らなければ」。

自分自身を、自分の大切なものを守る対策を立てることは大切。でも、それと同じくらい大切なものもあるのでは。この映画は、子供向けのファンタジー小説を映画化した作品ですが、いや、子供向けの作品だからこそ、是非大人にも観ていただきたい、そんな温かな気持ちに満たしてくれる、ハートフルな作品です。
勿論、1時間30分強という短い時間にまとめただけに、多少無理のある展開もありますが、そんな映画の後世や技術、ひいては作品の出来不出来を観るのではなく、この作品そのもの、作品が問いかけていることを観て、楽しんでほしい。そう感じました。


この物語が問いかけていることは、大きく分けて二つ。
一つは、他者に対する思いやり。
もう一つは、生きとし生きるものは皆必ず死ぬ。
この二つは、バラバラなように見えて密接につながっている。何故なら、今生きているものはいずれ必ず死ぬ、その分、生命の尊さを感じることができ、生命に対する思いやりを覚えるから。
そして、当然だと思えることでも、きっとほとんどの人が、常日頃はあまり考えていない。一つの『知識』として頭の片隅に置いてあるだけで、生命の尊さを意識して考えたことは、ほとんどないはず。誰かが死んで、誰かが傷ついて、それが明るみに出て、ようやく頭の片隅にある『知識』が浮き上がってくるだけ。きっと、多かれ少なかれ僕も同じなのでしょう。

でも、誰かが死んだ後で、誰かが傷ついた後で、生命の尊さに気づいても遅い。
死んだ人は、もう二度と蘇ることはないのだから。

仔ブタのウィルバーは、別にそこまで難しく考えていなかったはず。
でも、たとえ姿かたちは醜くても、友達として一緒に暮らしたい、一緒に遊びたい、そう考え、その思いを伝えたからこそ、クモのシャーロットもまた、自分の存在価値、自分のなすべきことに気づいたのでしょう。
ウィルバーに気づかされた。ウィルバー自身が考えたことでなくても。友達を思いやる心に。そしてそれが、友達を勇気付け、生きている実感を分け与えてくれることに。


日々の忙しさの中で、生命の尊さを常に考える、というのは難しいかもしれません。けれど、こんな辛辣なニュースが飛び交う時代だからこそ、少しでもいいから立ち止まって、生命の尊さ、そして、人を思いやる心を話し合うことが必要なのではないのでしょうか。

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2006/12/28 00:50 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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