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2024/04/26 14:14 |
[Review] 16ブロック
16ブロック酒浸りで虚無的な警察官が言いました。
「人が変わることなんて無い」
自分の夢を誇らしげに喋る犯罪者が言いました。
「人は、変わることが出来る」

あまりにも対照的で、普通なら逆の性格設定なのでは、と考えてしまいます。けれど、もしこの映画と逆の性格設定であれば、警察官と犯罪者の接点はこの時だけ。警察官は、ある犯罪を立証するための証人である犯罪者を裁判所に送るだけ。犯罪者は、与えられた立場で淡々と証言を述べるだけ。ただ単に、人生の中の一つのエピソードに過ぎません。

『16ブロック』は、単に16ブロック先の裁判所へ証人である犯罪者を送り届ける最中に、繰り広げられる艱難辛苦を描いているだけではありません。たったの16ブロック。その間に、彼らの人生を揺るがすドラマが待っていたのです。

人というのは、一体誰と会って、どのタイミングで変われるかなんていうのは全く分かりません。ふと自分を見つめなおしてみると、いつの間にか変わっている。自分がこんな考えを起こしていたとは。自分がこんな行動に出ていたとは。
正に、神のみぞ知る奇跡の采配、とでもいうのでしょうか。
警察官は、たとえ一度地に堕ちてしまっても、もう一度立ち上がる希望を、犯罪者から教わりました。犯罪者は、自分のことだけでなく、他者のことも思いやる心を、警察官から教わりました。
何がきっかけで人は変わるか分からない。だからこそ面白いし、人生に一層の深みを増すことが出来る。『16ブロック』の凄まじいポリティカル・アクションと、もう一つの醍醐味です。
しかし、この作品のブルース・ウィリスのベジータ並みの剃り込み出っ腹には我が目を疑いました。いくら落ちぶれた警察官を演じているとはいえ、「こ、こんなことがあっていいのかっ!?」と本気で思うくらい。
まぁ、それでも彼自身から発されるダンディズムが消え失せたわけではありませんが。

『シン・シティ』でもそうですけれど、彼ほど哀愁の漂う背中が似合う俳優というのも、そうはいませんね。確かに往年のキレはなくなっているものの、「男だったら背中で語れ」的な魅力は、年を重ねるごとに年々磨きがかかっているのではないか、と。
よほど極端な体系になっていなければ、今後もそういった役柄で、渋い光を放っていただきたいところです。


それともう一つ。
飲酒運転は止めましょう。
映画の世界とはいえ、あまりよろしくありませんので。

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2006/10/21 22:12 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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