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2024/04/26 05:50 |
[Review] 戦場のピアニスト
戦場のピアニスト今年の晩秋から冬にかけては、観たい映画が目白押し。でも混雑した中で観るのはイヤなので、1~2週間遅れで観ようと思ってます。それでもリピーターの多い映画は混んでるけどね。
丁度amazonで購入した『戦場のピアニスト』のDVDが実家に届いていたので、じっくり鑑賞できました。同時に兄が『ハウルの動く城』のDVDを購入していたみたいなのですが、普通バージョンのDVDを買ってきやがりました。キムタクと三輪御大と養老孟司が出てるCM全バージョン観たかったのに… ブツブツ……


まぁそれはいいとして。

8月に『ヒトラー 最期の12日間』を観たので、時折その時の記憶と対比しながら観ました。一方は「独裁者」として、もう一方は「迫害を受けたユダヤ人」として、第二次世界大戦の戦禍のドイツ(『戦場のピアニスト』の舞台はポーランドですが、当時はドイツ占領下)が描かれています。
もし、今の世の中にヒトラーが存在して、この映画を観たら、彼はどう思うのでしょうか? それでもドイツは世界を手中にできるものと思い、そして映画の中に出てくる、ユダヤ人を始めとした人々に対し、「これは私を選んだ民衆にも責任がある」と罵るのでしょうか?

同じ戦況にあるにもかかわらず、砲弾の前に散っていく者、生き残っていく者。
『神に選ばれた者』がこの世に居るのかどうかは分からないですが、少なくとも僕は主人公のウワディスワフ・シュピルマンが『神に選ばれた者』とは思いません。
それもそのはず。彼の周りから一人、また一人といなくなってしまうのだから。
果てなく続く廃墟の中に、たった一人佇む彼の姿は、孤独になってしまった彼の生き地獄を如実に表しています。多分僕だったら、そういう状況だったら、「死んだ方が『神に選ばれた者』だったのかもしれない」と思うかもしれません。

それでもこの映画の中で彼を『神に選ばれた者』として描かれているのは、『ピアノ』という、全てを失った彼に唯一持つ事の許されるものがあったから。
マンガ『昴』にも、「芸術に仕える者の選別と淘汰は、神の視点から成される」という言葉を、ふと思い出してしまいました。ピアノがあったからこそ、彼は生き抜いてこれらのかもしれません。正に『神の思し召し』とでも言うのでしょうか。


戦争を描く映画の大半は、主人公本人やその周囲の絶望が多く描かれています。明日、いや、一分後生き残れるかどうか分からない極限状態、目の前で殺される風景や足元に転がる死体など、凡そ普通の生活とはかけ離れた『日常』。
そんな中での『音楽』の力というのは、どの時代でもどの世界でも、明日の望みを賭けてくれる希望の光なのかもしれません。『ローレライ』と時と同じように。

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2005/11/26 17:32 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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