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2024/04/20 23:44 |
[Review] ポセイドン
ポセイドン1972年に公開された、『ポセイドン・アドベンチャー』のリメイク版。


壮大なスペクタクルと、その後数多く輩出された、いわゆる『パニック映画』の先駆けとなる映画のリメイク版というだけに、もう壮絶の一言。一瞬たりとも気を抜く事が出来ず、目を逸らしたくなるような大惨事を目前にしているのに、スクリーンから目を離す事が出来ず。
観終わった後も、背筋がゾクッと凍り付いていました。


色々なバックボーンを持つ人が一同に集まり、大惨事の中、協力し合いながら、時には反発しながら危機を潜り抜けていく。敢えて言えば、もうちょっと登場人物の背景や心情を、こんな、いつ死ぬとも分からない、生き残れるかどうかも分からない時だからこそ、何の事情も知らない赤の他人にぶつける、ということがあれば尚良しだったのですが、まぁそれは僕個人の我侭でもあるので。

巨大な豪華客船が、それを上回るローグ・ウェーブ(大津波)という超巨大な自然災害になすすべも無く、息をつく間もなく転覆し、海に飲み込まれていく。沈没までの僅かな時間、刻一刻とタイムリミットが迫る中、何としてでも外に出るためのサバイバルが始まる。
と、非常に分かり易く単純な物語なのですが、いや、純粋混じりっ気なしのスペクタクル&パニック映画であるからこそ、逆に意識と眼を集中して観る事ができたんだと(半ば強制的ですが(汗))思っています。


とにかく、言葉に出来ないくらいの緊迫感の連続。
それは、多分一般家庭のテレビでは味わいないので、是非、劇場でご覧いただければと思います。

船は転覆したが、運命も転覆するのか。
それを受け入れるか跳ね返すかは、ご覧になる皆さんの心次第……(笑)
ポセイドン・アドベンチャー一方、リメイク元となった『ポセイドン・アドベンチャー』は、ディザスターとしては若干物足りない……というか、CGやらVFXやらが無い世界だから、そういった技術が発展した時の観点で観れば、物足りなく感じてしまうのは当然。でも、『当時』の映画撮影技術の観点で観れば、それはそれは恐ろしい映画として映ったに違いありません。

でも、何よりもこの映画に惹かれたのは、『極限状態の人間の心理』。
「生きたい」「死にたくない」「どこが出口?」「どうすれば助かる」「今どこにいる?」「誰に従えばいいの?」「どっちが正しい?」
色々な思惑が飛び交いつつも、死の影が刻一刻と迫る中で、正しい判断ができる精神状態になれず、みんながみんな、混乱の極みに達する。それでも、思考を止めず他の人を誘導する牧師の行動力が、「型破り」以上に「超人的」に感じました。

『ポセイドン』でも、何としてでも助かりたい、生きたいという人間の感情が、時に物凄いエネルギーを発揮し、とても普通の精神状態では乗り越えられなさそうな難関でも乗り越えてきましたが、如何せん、強調されるのは『ディザスターの恐怖』と『それを乗り越えるアクション』が主体で、生き延びようとする人間たちのドラマは欠けていたように感じました。
というか、登場人物がみんな妙に冷静。若干場馴れしてる? という感じも…(笑)
まぁ、無理矢理登場人物の心情を出そうとして、映画そのものを複雑怪奇に仕立てなくても、単に『自然界が人間社会に襲い掛かる脅威』そのものを前面に出す、というスタンスでも、面白かったと思います。人間の力が如何に自然の前には無力か、そんな絶望の中で、どうやって脱出を図るか。まじりっけなしの壮絶な映画としての醍醐味が、『ポセイドン』にはあったと思います。

そう、『ポセイドン・アドベンチャー』と『ポセイドン』、題材としては一緒でも、映画の物語の根幹、というか、ジャンルとしては全くの別物、と考えてもいいのではないのでしょうか。
変に『リメイク版』として意識するから、「登場人物に感情移入できない」とかというふうになるのではないかと思います。『リメイク版』と銘打っても、あくまで別物。30年近く隔てて作られたものですので、リメイクする上での社会情勢も違ってくるし、使われる技術も格段に進歩したものを使っている。
『ポセイドン・アドベンチャー』も『ポセイドン』も、それぞれに面白さがあり、観応えがあると思いますよ。

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2006/06/03 23:09 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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