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2017/07/26 15:51 |
[Review] インベージョン
インベージョン人間から感情が無くなったら、どうなるか。
喜びも怒りも、哀しみも楽しみも無くなったら、どうなるのか。
きっと誰に対しても、関心を寄せない。愛情を以って接することも、憎しみの念を抱くことも無い。
関心が無いから、誰も誰かを傷付けない。諍いが無くなるから、犯罪も無くなる。そして、戦争も無くなる。でも、誰かが傷ついても、きっと誰も助けない。だって関心が無いから。
誰かに対して愛を向けることが無いから、勿論子孫も残せない。人間から感情が無くなる、それは、ゆくゆくは死滅の道を歩くことと同義なのかもしれない。



SF小説の古典、ジャック・フィニイの『盗まれた街』の4度目の映画化。過去の3作は存じ上げませんが、これまでとはまた違うつくりになっているそうです。且つ、単なるアクション・スリラーに仕上げるだけではなく、現在の人間性を問うような作品になっています。
確かにこの作品を観ていると、今の身の回りに起きていることとどこかリンクしているように思えます。錯覚であってほしけれど、決して錯覚ではありません。それこそが、この作品で描いている『人間性』。誰しもが持つ、他者への感情。この作品では、地球外生命体がウィルスとして人体に進入することで、意図的に『感情の無い、関心の無い人間』に仕立てていっていますが、今の社会は、別にウィルスの効力でも何でも無いのに、感情の持ち方、他者への関心の持ち方が、昔に比べて薄れてきているような気がします。これは、何も他人事ではなく、これまでの僕自身を振り返ってみても、そう思えてしまうことがちらほら……
『感情』と『他者への関心』の基本は、人との接触。しかし、今の時代はわざわざ人と接触しなくても、家から一歩たりとも出ること無くても、モノを買うことが出来るし、色々なサービスも受けることが出来る。繋がれたネットワークの先、コミュニケーションをとっていても、表示されるものはあくまでデータのみ。目の前に人がいるわけではなく、顔も見えず、声も聞けず、ましてや温もりを感じることも無い。

『便利になった』。色んな面で。
でも、それは必ずしも『豊かになった』わけじゃない。


人との接触から、人へ関心を抱き、そこから感情が生まれ、その積み重ねで『人間』が出来上がる。これまで培ってきた人間性が、『便利さ』の前には蔑ろにされていることの警鐘でもあるこの作品ですが、ややスリラーの面が強かったせいか、作品の持つ哲学は少し弱かったように思えます。
勿論、スリラーとしてとてもハラハラした展開で面白かったですけれど。
便利さの全てが間違いではありませんし、一度覚えてしまった便利さを捨てることは容易ではないけれど、その便利さの裏に沈められた、本来人間が持つ『大切なもの』に対して、もう一度考え直すきっかけとなる、そんな映画なのかもしれません。

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2007/10/26 23:12 | Comments(0) | TrackBack(2) | Review - Movie

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