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2024/04/16 18:55 |
[Review] 赤ちゃんと僕
赤ちゃんと僕ご存知の人はご存知の、少女漫画です。

まあ、『ガラスの仮面』や『ベルサイユの薔薇』みたいに、
  ●瞳が無駄に煌いている
  ●驚愕すると白目になり、且つ額に無数の縦線が入る
といった漫画も好きですが、
(最近の少女漫画って、どこか皆似たり寄ったりで、しかも顔面積の2/3を眼で占めているところがあまり好きじゃないです…)
『赤ちゃんと僕』の、今までの少女漫画にはない、微妙に浮世離れした物語構成とテンポが大好きなんです。

主人公は、小学5年生の拓也と、まだ3歳の実。
実を産んだ1年後に、母親が事故で他界したので、拓也が代わりに実を育てます。
小学生の本分である勉強と育児を、悪戦苦闘しながらも毎日を過ごすという、一見するとごく平凡な日常を描いた漫画だと思いますが、
ユーモア溢れる、というか、溢れまくって少々吹っ飛んじゃっているキャラクターの掛け合いが、(僕的に)秀逸で笑えます。

僕が一番好きなキャラクターは、実が通う保育園の園長先生。
常にサングラスをかけてて、剣道でインターハイで優勝するほどの腕前で、
子煩悩を通り越して変態じみているところが。


僕は、ホラーも好きですしドロドロも好きですし血祭り系も好きですし、
基本的に、純真な人が見れば一気に邪悪の道に引き込まれる物語は好きですが、
たまには、こういうほのぼのとした漫画を見るのもいいかもしれません。

そればっかり見てると、人の道を外れそうな気がするから。
というか、多分後戻りできないところまできてます。

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2005/02/11 09:11 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Comic
[Review] C
Cここんとこの日記が、人格疑われるような内容(既に手遅れ)なので、
まともなものを挿んでみました。

きたがわ翔の漫画です。
有名どころで、「B.B.フィッシュ」とか「HOTMAN」とかがありますが、
僕が一番すきなのは、「C」というオムニバス形式の漫画で、しかもその内の10巻です。

Conmplexの頭文字「C」をとった漫画で、色んな分野・角度から見た人間のコンプレックスが描かれています。
 1~3巻:「男性失格」
 4~6巻:「マゼンタ・ハーレム」
 7~9巻:「モンロー・ジョーク」
 10巻:「ほんとうの行方」
というテーマ(ここでは、各々のテーマの詳細は書きません)で構成されています。
で、何故そのうちの10巻が一番好きなのか、というと、『一番僕自身に近いから』というところでしょうか。


主な登場人物は4人。
●両親に先立たれ、引き取られた親戚にも疎まれながら毎日を過ごす主人公
●父親が性犯罪を犯し、その子供としてさげずまれながら生きているヒロイン
●父親がヤクザであるため、周囲から恐れられながらも心の拠り所を探すいじめっ子
●ヒロインの父親にレイプされ自殺した娘を持つ、主人公の相談役の中年

それ以外のキャラクターも、それぞれの『孤独』を持ち、それに苛まれながら生き、
本当に仲間を、友達を作るということはどういうことか、本当に「強い」というのはどういうことかを問う内容です。

25年間でいろいろな人に出会って、いろいろな別れを経験したけど、
今でも「死別」というのには慣れません。
「死ぬ」ことを目の当たりにして、自分自身が先に進めなくなるのなら、いっその事、友達や仲間なんていらない、と、本気で考えたこともあります。
それでも、「孤独」というのは纏わりついてくるもんです。


ある漫画の、あるキャラクターのセリフ(今回の漫画とは別)ですが、

「人を蘇らせることは、どんな力を持った神でも実現することはできない
 だから人は、亡くなった人の分まで、精一杯生きるんだ」

20年以上生きて、それが分からなかった、ということではないけれど、
言葉にするのとしないとで、その伝わり方、胸の中への浸透の仕方が違ってきます。自分自身結構救われてます。

人は一人では生きていけない。
人は一人では強くなれない。
だから、友達を、仲間を作っていくんだな、と、
この漫画は、改めて自分自身に言い聞かせる力があるんだと思ってます。

たった一人でも、自分が大切に思っている人、自分を大切だと思ってくれる人がいるからこそ、
「生きる」って、すごく重要な意味があるんだと思います……

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2005/02/10 21:13 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Comic
[Review] 昴

昴この漫画を読むまで、バレエ漫画というのは、『ベルサイユのバラ』よろしく瞳孔に無数の星を散りばめさせるような、少女漫画の特権なのかと思いました。例えば、愛する人を手放す事を恐れて服毒自殺したりとか、電車で出会ったバレエ仲間が実は血を分けた姉妹だったりとか、バレエスクールの跡継ぎのために愛する人と争わなければならないとか。
メロドラマばりのドロドロ人生の裏話が繰り広げられながらも、バレエの描写の根本は『美』。バックグラウンドに今にも花が咲きそうな、俗に言う「お高くとまっていそうな」イメージが、今まで見てきたバレエ漫画には垣間見えていました。が、この漫画は全くの別。


この漫画バレエは、生き続けるための戦い。



この漫画には、お高くとまったりとか『美』を彷彿させるような描写はほとんどなく、まるで一コマ一コマが、命を削るような、それ以上に、命を賭けるようなダンスが繰り広げられています。
勿論、登場人物全員が、ではなく、『主人公』が。
自分が選んだ道がそうなのか。自分の才能がそうなのか。

どんなに才能溢れていても、「つまんないから辞める」とか、「辛いから別の代わりの人を」とか、ちやほやされるような芸能人ばりの人生には決してなれない。踊る事を止めてしまったら、それは『死ぬ』ことを意味する。かつて、自分の半身である双子の弟が、そうであったように。


こんな、少女漫画のような『美』には到底思いつかないような、『凄惨』なバレエ漫画なんですが、ヤングジャンプに連載された時から、もう釘付け。これほど読者の『読むこと』『見ること』を強いて、それでも飽きさせる事の無い、ということは、一種の麻薬のようなものがこの漫画に秘められているのではないのでしょうか。
現に、今も尚この漫画に対する高い評価は、衰える事がありません。

逃げられない。逃げる事は赦されない。
他の道に行くこともできない。
でもきっと、最初から他の道など選んでいない。どちらも、主人公にとっては、地獄。
バレエは、自分が自分であり続けるための地獄。その他の道は、自分ですらもなくなってしまう安寧地獄。だから、自分であり続けるための地獄を選んだ。

だからこそ、その純化された選択が、芸術という領域に仕える者に仕上げる。
神の視点で選別と淘汰が成される、バレエダンサーという芸術に。


天才とか鬼才とか、そんな呼び名すらもおこがましいダンスを披露しながらも、どこか薄氷を踏んで生きているような、危うい存在。正直、何かしらで『強さ』を求めようとする現代で、こういう主人公像に惹かれる理由と言うのが、あまり良く分かっていません。
いや、薄氷を踏むような生き方だからこそ、『強さ』というのが示されるのかもしれません。

儚くも恐ろしい、美しくも凄惨。
対極を為すようなその生き方が、見る人をまばたきすら忘れさせてしまいます。

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2004/11/28 11:15 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Comic
[Review] ホットマン

ホットマン青年コミックスについては、小学生のときから読んでいました(『メゾン一刻』とか『YAWARA!』とか)が、殆どが単行本で読んでおりました。それが、単行本だけでなく、実際に『週刊誌』を手に取り、他の青年コミックスにも興味を持ち始めたが、そのきっかけになったのが、きたがわ翔の『ホットマン』です。
自分の娘のアトピー性皮膚炎が、かつての自分の素行不良と不摂生が原因の可能性が高いと思い込み、一転、健康オタクになった主人公。一見、バカがつくくらいのヘルシー漫画かと思いましたが、それはこの漫画の目的を描くための一つの題材。本当の目的は、『家族の絆』です。

青年コミックスと言うと、イメージとしてやはり強く出てしまうのが、性描写と暴力描写。なまじ漫画を見る対象が文字通り青年ですから、そこら辺のタガを外して描いている漫画もしばしば。そんな中で、家族の絆を表面に色濃く出す、青年コミックスとしては似つかわしくない漫画というのは敬遠されがちなんじゃないかと思いましたが、意外や意外、ドラマになるくらいに人気のある漫画なんですね。
また、僕はこの漫画がある程度連載された後に、初めて週刊誌に手をつけ、そこから更に単行本も揃えました。まだ大学1年生の頃。もし、この漫画が中学生や高校生の時の連載だったらどうだったでしょう? 大抵の中学生や高校生って、自身を無理に背伸びする、いわゆる「大人に見せる」という動きが強いものですから、まだ精神的にも未熟なのに、強がって性描写や暴力描写の強い漫画に手を伸ばしたりして。僕も例にもれず、そうした「背伸びしてでも大人に見られたい」という意識がありましたから、そういう時代に『ホットマン』を見ても、「何だこの漫画、つまんねー」とか言って一瞥していたかもしれません。

でも、この漫画に出会えた時のタイミングが良かった。高校を卒業して、まだ親に学費を払ってもらえるモラトリアム期間であっても、無理をして背伸びをしなくてもすむ。少し余裕が生まれ、青年誌に対する見方も、勿論余裕ができたのでしょう。だから、『ホットマン』を読み始めたときも、今までの青年誌のイメージから見れば違うものだったけれど、すんなりと自分に取り込むことが出来たんだと思います。

家族構成も、お父さん、お母さん、子供、という単純な構成ではなく、皆10代半ばから20代の、いわゆる『心の変化』が激しい人々。そんな中で、精神的に皆を支えているのが、まだ5つの主人公の娘。『体の変化』が最も激しい家族でありながらも、屈託の無い純粋な気持ちが、ほんの僅かな火がついただけでも儚く壊れてしまいそうな家族の心の絆を、結び付けています。
大人だけどまだ大人になりきれていない者、これから大人になろうとしている者、その者達を精神的に影から支えている少女。自己主張が多すぎて時には衝突する事もあるけれど、アンバランスなりにもバランスの取れた『家族の絆』を展開している。彼らが本当の意味で大人になったら、それこそ、どんな刃物も切ることが出来ない絆に成長しているのかもしれません。

ほのぼのと、温かく、尚且つ家族の力強い絆が、この漫画には秘められています。

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2004/11/03 12:14 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Comic

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