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2024/11/23 10:34 |
[Review] 崖の上のポニョ
崖の上のポニョ人間の世界と、魚の世界。決して相容れない二つの世界に生きる子供たち。
人間になりたい魚の女の子ポニョと、人間の男の子宗介との出会い。ポニョを守ると誓ったものの、魚の子だからか人間と異なる行動や理念に、宗介は少しずつ戸惑いを隠せなくなっていく。一緒にいるのに、何故か心は少しずつ離れていく。
果たして二人は、これからもずっと一緒に生きていけるのか? ポニョは無事、人間になることができるのか     



作品の途中までを鑑賞して、その後の物語の流れを↑のように考えてしまいましたが、やはり大人の穿った考え方でした。鑑賞者が小学生高学年とか中学生以上を対象としているのなら、アリかもしれませんが。

この作品は、紛れも無く子供のための作品。子供『だけ』のための、といっても差し支えはないかもしれません。テイストにしても様々な小ネタにしても、『となりのトトロ』を鑑賞した時の高揚感を思い出させました。
その一つが、何と言ってもリアリティ(=大人目線)を排除したところ。物語に出てくる海や海の生き物は、まるで子供の夏休みの絵日記がそのまま飛び出してきたかのよう。昨今のリアリティを求める作品ではあり得ない、でも「子供だったらあり得る」世界。リアルな世界観や作品にドップリ浸かってしまった大人たちにすればただの大波でも、まだまだ世界が小さく乏しい子供たちからすれば、その大波は恐怖でもあり、ドキドキワクワクさせる出来事でもあります。

もう一つは、どんなに小さな子供でも、まだまだ形成されている世界が限られていても、自分の未来は自分で選択する、ということ。大人によって上から目線でただ単に押し付けられるだけじゃなく。宮崎駿監督が、如何に子供の感性とまだ何色にも染められていない未来を大切にしているかを感じさせる瞬間です。
勿論、5歳の宗介とポニョには、その選択によって背負わなければならない責任や覚悟なんて持っていないし、ましてや想像もつかないでしょう。本来『選択』とは、それほど重いもの。けれどその『選択』を陰から応援しているのが、毎日子供たちに元気とパワーを貰っている、福祉施設のおばあちゃん達。以前、「割り切った考えを持つほとんどの大人は、老人の言葉に耳を傾けない。子供も自分の管理化だから、同じく子供の声に耳を傾けない。老人の言葉に耳を傾けるのは子供だけ。同じく子供の声に耳を傾けるのは老人だけ。だから子供は老人に一番近い」といった内容の本を読んだことがあり、それを思い出しました。もしこの作品に登場するのが大人だけだったら、人間と魚は相容れることは無いと教えられ、そのまま引き裂かれていたと思います。子供と近い間柄、ひいては(割り切った大人に比べれば)子供の心が分かるからこそ、宗介とポニョのこれからについて心から応援したのではと思います。


100分程の作品ですが、僕的には30分と感じるくらいに、すぐ終わってしまいました。でも裏返せば、退屈な瞬間は全くと言っていいほどないワクワクする作品です。夏休みは残念ながら遠出ができない子供たちでも、夏休みの思い出として鑑賞できる作品ではないのでしょうか。
以下、若干ネタバレ。

ちなみに、生態系云々の話しが出てきた理由が、あまり分からなかったのですが……(汗)
あと、5歳児ながら宗介はなかなかのプレイボーイ振りを発揮。彼の未来が心配……じゃなくて、彼の未来に栄光あれ!

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2008/07/19 22:24 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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