生命とは、生きることとは 。
連綿と続くこと。親から子へ、またその子へ。紡がれていく系譜。守り、慈しみ、共に歩む。
知恵と勇気を振り絞ること。立ち止まれば、たちまち捕食される。立ち止まれば、獲物を取り逃がす。未来への活力のために、出来る限りの力を懸命に出し尽くす。
時に残酷であること。甘い香りは獲物をおびき寄せるため。自分の子孫を残すための、勝ち残りを賭けた戦い。油断は己の身を破滅に追いやることもある。
そんな、微笑ましくて、優しくて、残酷で、厳しくて、でも気高く躍動感溢れる。そんな、何百万通りの物語が、これまで、今日も、そしてこれからも、地球上で綴られている。本作は、そんな作品です。
『デープ・ブルー』や『オーシャンズ』、『earth』など、ネイチャー系の作品はこれまでにも多く公開されております。これまでの作品は、地球上に生きる生き物の生態や行動を、ダイナミックに撮影したものが多かったと見受けられました。逆に(ちょっと穿った視点で)申し上げると、そのダイナミックな撮影が、生き物のダイナミックさを『感動の押し売り』のように感じられる部分もあります。生き物の生態や行動というのは、その全てが躍動感溢れるわけではありませんから。
その点で本作は、『懸命に生きる』ということを前面に打ち出した作品であると思います。生きるためには、食べること。食べるということは、獲物を狩るということ。狩られる方も生きたいから、懸命に逃げる。知恵を出し合い、出し抜き、巧みに攻め、巧みに躱し、巧みに操り、時に罠にはめる。それもまた、『懸命に生きる』が故。
同時に、『懸命に生きる』ことへの生命の本能は、繁殖すること。自分の遺伝子を、分身を、血を、後世まで持続していくこと。そのために、愛し、戦い、勝ち得、子供を産み、そして育てる。捕食だけではなく、繁殖でも、世界は弱肉強食。種として、より強い個を後々までに残していくために、今日も世界のどこかで仁義なき戦いが繰り広げられる。一見、美しい舞いやほのぼのとした様子も、戦いや駆け引きの一つ。決して、人間の世界だけのシステムではないことを知らされる瞬間です。
そんな作品だからなのかもしれませんが、他のネイチャー作品と比較して、音楽面でも同じことが言えるのではと思いますが、割と淡々としており、ダイナミックさはそれほど感じられません。その代り、動物の視点で、目線で、マクロの撮影が多用されています。特に、虫のドアップや捕食のシーンが多くありますので、苦手な方はご用心を。
また、日本版として、ナレーションに、松本幸四郎、松たか子親子が起用されているのも、『生命の連綿とした系譜』をテーマとしているからなのかもしれません。こと、ネイチャー系の映画は、人間の所業に対する反省と持続可能な世界の形成を、さも黙示録の流布のごとく説かれていることがありますが、思ったほど説教臭くなかったと思いました。淡々としていますが、両者とも柔らかな口調と声ですし、個人的には好きです。
少々、お子様には残酷なシーンもありますが、人間以外の生物の、動物園では見られない懸命に生きる姿を観る上では、格好の題材ではないかと思います。
連綿と続くこと。親から子へ、またその子へ。紡がれていく系譜。守り、慈しみ、共に歩む。
知恵と勇気を振り絞ること。立ち止まれば、たちまち捕食される。立ち止まれば、獲物を取り逃がす。未来への活力のために、出来る限りの力を懸命に出し尽くす。
時に残酷であること。甘い香りは獲物をおびき寄せるため。自分の子孫を残すための、勝ち残りを賭けた戦い。油断は己の身を破滅に追いやることもある。
そんな、微笑ましくて、優しくて、残酷で、厳しくて、でも気高く躍動感溢れる。そんな、何百万通りの物語が、これまで、今日も、そしてこれからも、地球上で綴られている。本作は、そんな作品です。
『デープ・ブルー』や『オーシャンズ』、『earth』など、ネイチャー系の作品はこれまでにも多く公開されております。これまでの作品は、地球上に生きる生き物の生態や行動を、ダイナミックに撮影したものが多かったと見受けられました。逆に(ちょっと穿った視点で)申し上げると、そのダイナミックな撮影が、生き物のダイナミックさを『感動の押し売り』のように感じられる部分もあります。生き物の生態や行動というのは、その全てが躍動感溢れるわけではありませんから。
その点で本作は、『懸命に生きる』ということを前面に打ち出した作品であると思います。生きるためには、食べること。食べるということは、獲物を狩るということ。狩られる方も生きたいから、懸命に逃げる。知恵を出し合い、出し抜き、巧みに攻め、巧みに躱し、巧みに操り、時に罠にはめる。それもまた、『懸命に生きる』が故。
同時に、『懸命に生きる』ことへの生命の本能は、繁殖すること。自分の遺伝子を、分身を、血を、後世まで持続していくこと。そのために、愛し、戦い、勝ち得、子供を産み、そして育てる。捕食だけではなく、繁殖でも、世界は弱肉強食。種として、より強い個を後々までに残していくために、今日も世界のどこかで仁義なき戦いが繰り広げられる。一見、美しい舞いやほのぼのとした様子も、戦いや駆け引きの一つ。決して、人間の世界だけのシステムではないことを知らされる瞬間です。
そんな作品だからなのかもしれませんが、他のネイチャー作品と比較して、音楽面でも同じことが言えるのではと思いますが、割と淡々としており、ダイナミックさはそれほど感じられません。その代り、動物の視点で、目線で、マクロの撮影が多用されています。特に、虫のドアップや捕食のシーンが多くありますので、苦手な方はご用心を。
また、日本版として、ナレーションに、松本幸四郎、松たか子親子が起用されているのも、『生命の連綿とした系譜』をテーマとしているからなのかもしれません。こと、ネイチャー系の映画は、人間の所業に対する反省と持続可能な世界の形成を、さも黙示録の流布のごとく説かれていることがありますが、思ったほど説教臭くなかったと思いました。淡々としていますが、両者とも柔らかな口調と声ですし、個人的には好きです。
少々、お子様には残酷なシーンもありますが、人間以外の生物の、動物園では見られない懸命に生きる姿を観る上では、格好の題材ではないかと思います。
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