『300』に続き、「すごい映画を観ちゃったなぁ」と思わず唸ってしまう作品です。
スティーヴン・スピルバーグ氏が監督の『宇宙戦争』では、過度な期待をしながら鑑賞したのがそもそもの失敗でした。確かに、スクリーン上に繰り広げられる美麗で且つ迫力のある映像、未知の侵略を目の当たりにして、成すすべもなく逃げ惑う人間の無力感・緊迫感には目を見張るものがありましたが、それにプラスして物語を期待してしまったばかりに、落胆せざるを得ないこともありました(特にラストシーンは)。
加えて、『トランスフォーマー』の監督はマイケル・ベイ氏。観るたびにスカッとするようなド派手なアクション・シーンがたくさんある彼の作品でも、物語については過度に期待できないところもちらほら。例えば、『アルマゲドン』は方々から感動した、泣いた、という意見を聞きますが、正直僕はそれほどでもありませんでした。
そのため、『トランスフォーマー』も、上映まではそれほどまでに期待していなかったのです。が、いざ全編を鑑賞してビックリ。
数回ほど、涙腺が緩むところもありました。
人間と宇宙から飛来した金属生命体との情の交わし合いといった、ヒューマニズムの部分は勿論のこと、機械が意思を持つロボットに『変形』していく過程で。
まぁ、涙腺が緩むベクトルが全く持って異なるし、むしろ緩むところが間違ってるんじゃないかとお思いでしょうが(汗)、今までロボットの『合体』や『変形』といったものは、漫画やアニメでしか観たことが無いのに、CGとはいえ限りなく実写に近い形で目の前に表現されているのですから!
『変形』の過程を観るたびに、「えっ、えっ、えぇぇっっ!!?」の連続でした。
ガンダムは全くと言っていいほど詳しくないし、ヱヴァンゲリヲンも付け焼刃的なものしかない僕ですが、ロボットの『変形』がここまでリアルに近い形で表現されるのを観ると、もはや感極まる以外しかなくなってしまうのです。
さて、『世界の日本人ジョーク集』という本をご存知でしょうか。世界から見た日本人(日本観)の一部を、面白いジョークにして表現した珠玉(かどうかはご覧になる皆様のご判断にお任せします…(汗))の一冊。その中に、「日本人は、既に世に出たモノをまねて、よりよいモノを作り出す」というようなことが書かれている一節があります。
明治維新以降、欧米列強に追いつけ追い越せとばかりに、世界各国の様々なモノや制度、取り組みといったものを取り入れ、しかもそれをただ単に取り入れただけでなく、日本の中で独自の展開と発展を遂げてきました。「所詮日本人は真似事を多用する」なんて揶揄することも多々あったようですが、日本のオリジナルだけでは勝てないと考えれば、他国のものを真似したり取り入れたりして、つまり他の国々と同じ土俵に立つようにすればいいわけです。さらに、それを日本国内として使いやすい、取り込みやすい形に変えれば、より一層優位に立てることもあります。勿論、オリジナルに対する敬意も忘れません。
それが功を奏してか、一部には、本来であれば日本が模倣物であるのに、諸外国に輸出できるまでの力に発展するまでに至るものもあります。
『トランスフォーマー』は、言わばその逆。発祥は日本の玩具がアメリカ国内で絶賛を受け、日米の協力で生まれたロボットが、『トランスフォーマー』のはじまり。その後日本でもアメリカでも発展を続け、ついに、漫画でもアニメでもない、限りなく実写に近い映画作品が世に出ることになったのですから。
ここまでのクオリティを発揮する作品を目の当たりにすると、日本映画も負けてはいられなくなりますね。
また、欧米ではロボットは『使役するもの』、つまり道具の一種なんだそうです。ウィル・スミス主演の『i,ROBOT』でさえも、主人公の一人に、自分で考え、行動し、無機質な存在でありながらスプーナー刑事と心を通わせるシーンがありますが、それでも作中のロボットは、あくまで使役する存在。
日本では、『鉄腕アトム』や『ドラえもん』のように、ロボットは人間にとってパートナーであり、家族であり、友達である。対等の立場として描かれている作品が多い。そして『トランスフォーマー』も、まぁあの兄貴達の図体の大きさからいって使役することなんて出来はしませんが(笑)、人間と金属生命体が同じ立場であり、同じように運命に向かって立ち向かっていきます。その部分も、日本の中のロボット文化の一部に触発されたのかもしれませんが。
何はともあれ、たとえ物語構成を抜きにしても、十分、いや、十二分に楽しめる作品であると思います。是非、ド迫力のある映画館でご鑑賞下さい。
スティーヴン・スピルバーグ氏が監督の『宇宙戦争』では、過度な期待をしながら鑑賞したのがそもそもの失敗でした。確かに、スクリーン上に繰り広げられる美麗で且つ迫力のある映像、未知の侵略を目の当たりにして、成すすべもなく逃げ惑う人間の無力感・緊迫感には目を見張るものがありましたが、それにプラスして物語を期待してしまったばかりに、落胆せざるを得ないこともありました(特にラストシーンは)。
加えて、『トランスフォーマー』の監督はマイケル・ベイ氏。観るたびにスカッとするようなド派手なアクション・シーンがたくさんある彼の作品でも、物語については過度に期待できないところもちらほら。例えば、『アルマゲドン』は方々から感動した、泣いた、という意見を聞きますが、正直僕はそれほどでもありませんでした。
そのため、『トランスフォーマー』も、上映まではそれほどまでに期待していなかったのです。が、いざ全編を鑑賞してビックリ。
数回ほど、涙腺が緩むところもありました。
人間と宇宙から飛来した金属生命体との情の交わし合いといった、ヒューマニズムの部分は勿論のこと、機械が意思を持つロボットに『変形』していく過程で。
まぁ、涙腺が緩むベクトルが全く持って異なるし、むしろ緩むところが間違ってるんじゃないかとお思いでしょうが(汗)、今までロボットの『合体』や『変形』といったものは、漫画やアニメでしか観たことが無いのに、CGとはいえ限りなく実写に近い形で目の前に表現されているのですから!
『変形』の過程を観るたびに、「えっ、えっ、えぇぇっっ!!?」の連続でした。
ガンダムは全くと言っていいほど詳しくないし、ヱヴァンゲリヲンも付け焼刃的なものしかない僕ですが、ロボットの『変形』がここまでリアルに近い形で表現されるのを観ると、もはや感極まる以外しかなくなってしまうのです。
さて、『世界の日本人ジョーク集』という本をご存知でしょうか。世界から見た日本人(日本観)の一部を、面白いジョークにして表現した珠玉(かどうかはご覧になる皆様のご判断にお任せします…(汗))の一冊。その中に、「日本人は、既に世に出たモノをまねて、よりよいモノを作り出す」というようなことが書かれている一節があります。
明治維新以降、欧米列強に追いつけ追い越せとばかりに、世界各国の様々なモノや制度、取り組みといったものを取り入れ、しかもそれをただ単に取り入れただけでなく、日本の中で独自の展開と発展を遂げてきました。「所詮日本人は真似事を多用する」なんて揶揄することも多々あったようですが、日本のオリジナルだけでは勝てないと考えれば、他国のものを真似したり取り入れたりして、つまり他の国々と同じ土俵に立つようにすればいいわけです。さらに、それを日本国内として使いやすい、取り込みやすい形に変えれば、より一層優位に立てることもあります。勿論、オリジナルに対する敬意も忘れません。
それが功を奏してか、一部には、本来であれば日本が模倣物であるのに、諸外国に輸出できるまでの力に発展するまでに至るものもあります。
『トランスフォーマー』は、言わばその逆。発祥は日本の玩具がアメリカ国内で絶賛を受け、日米の協力で生まれたロボットが、『トランスフォーマー』のはじまり。その後日本でもアメリカでも発展を続け、ついに、漫画でもアニメでもない、限りなく実写に近い映画作品が世に出ることになったのですから。
ここまでのクオリティを発揮する作品を目の当たりにすると、日本映画も負けてはいられなくなりますね。
また、欧米ではロボットは『使役するもの』、つまり道具の一種なんだそうです。ウィル・スミス主演の『i,ROBOT』でさえも、主人公の一人に、自分で考え、行動し、無機質な存在でありながらスプーナー刑事と心を通わせるシーンがありますが、それでも作中のロボットは、あくまで使役する存在。
日本では、『鉄腕アトム』や『ドラえもん』のように、ロボットは人間にとってパートナーであり、家族であり、友達である。対等の立場として描かれている作品が多い。そして『トランスフォーマー』も、まぁあの兄貴達の図体の大きさからいって使役することなんて出来はしませんが(笑)、人間と金属生命体が同じ立場であり、同じように運命に向かって立ち向かっていきます。その部分も、日本の中のロボット文化の一部に触発されたのかもしれませんが。
何はともあれ、たとえ物語構成を抜きにしても、十分、いや、十二分に楽しめる作品であると思います。是非、ド迫力のある映画館でご鑑賞下さい。
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コメント
こんばんは。なんかパソコンが調子悪くなってしまって返信遅くなりました。すいません。確かにあの映像はすごかったですねぇ~。ホンと(@_@)ですwww ボクとしてはガンダムもいいですがエヴァンゲリオンなんか実写でやってくれたらかなり興奮するんですけどねwww
Re:無題
いえいえ。このような稚拙なBLOGにもかかわらず、連続で投稿してくださるのは望外の喜びです。いつもありがとうございます。
ヱヴァンゲリヲンの実写、確かに僕も大いに期待しています。しかし過去のアニメでの表現とかを観る限り、トランスフォーマーに比べてかなりハードルが高いんじゃないかと…
何せ、人が乗っているわけですし、人の神経と繋がって動いているわけですから。そういった表現すらも可能になってくのでしょうか。映画の技術というのは…
>こんばんは。なんかパソコンが調子悪くなってしまって返信遅くなりました。すいません。確かにあの映像はすごかったですねぇ~。ホンと(@_@)ですwww ボクとしてはガンダムもいいですがエヴァンゲリオンなんか実写でやってくれたらかなり興奮するんですけどねwww
ヱヴァンゲリヲンの実写、確かに僕も大いに期待しています。しかし過去のアニメでの表現とかを観る限り、トランスフォーマーに比べてかなりハードルが高いんじゃないかと…
何せ、人が乗っているわけですし、人の神経と繋がって動いているわけですから。そういった表現すらも可能になってくのでしょうか。映画の技術というのは…
>こんばんは。なんかパソコンが調子悪くなってしまって返信遅くなりました。すいません。確かにあの映像はすごかったですねぇ~。ホンと(@_@)ですwww ボクとしてはガンダムもいいですがエヴァンゲリオンなんか実写でやってくれたらかなり興奮するんですけどねwww
当初、あまり期待していなかっただけに、あれだけの脅威の映像を目の当たりにして、終始興奮してばかりでした!
もしかしたら、ガンダムも実写で表現される時代が来るのかもしれませんね…!!
>こんばんは! いつも楽しくレビュー読ませてもらってます。今回もトラックバック貼らせて頂きましたんでよろしくお願いしますw