何で。
何でこんなことに。
助けようとしたのに、何でこんなことに。
助けられなかったから? いや、違う。こんな『力』を、持っていたから。
自分が生来持っている『力』が、全ての災いの原因となる。
でも、それでも。
信じてくれる人もいる。
「性悪」な人間の描き方にはちょっとひいてしまった面もあったけど、「人間の善と悪の対比」をはっきり描く上では、ある意味よかったのかもしれません。
やはりこれも、映画館で観たかった……と口惜しく思う作品です。
「正義の役職に勤めているからといって、善人だとは限らない」 「死刑囚だからといって、悪人だとは限らない」
立場は違えど、赤い血の通っている、同じ人間。外見や報道だけでその人の「全て」を計れるものではない。
前に見た漫画『死刑囚042』とは、展開は違えど、同じ感覚を覚えます。
正直、その人自身の「本当の行方」は、どんなに深く付き合っていたとしても、多分分からないのでしょう。
それは、人間が神になれない「人間であるが故の限界」を如実に表しています。
「善と悪」「罪と罰」が恐ろしいまでに交錯する、人間の本質とは何かを深く考えさせられる長編大作です。
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