雨男運勢はここでも例に漏れず、御嶽駅に到着しバスに乗り、ケーブルカーの滝本駅に到着する直前になって、パラパラと雨が降り出してきたのです……。傘を差そうか差すまいか、という程度の雨でしたので、そのまま武蔵御嶽神社に登り、お参りをしました。
ところが、武蔵御嶽神社の境内を散策中に突如の雨。はるか八王子やあきる野市、さらに遠くの横浜方面まで見渡せそうな眺めだったのに、突如として濃い霧が立ちこめ、嵐かというくらいの強風と大雨。稲光が光ったと思ったら、辺りを劈くような雷の轟音。結構近いところに落ちたようで、危ないと悟ったのでしょうか、神主さんが拝殿を開放してくださり、一時的に中で雨宿りをすることにしました。
雨宿り後はそのまま下山。多少地面はぬかるんでいるものの、木屑が多く散らばっていてそれほど歩きにくい道のりではなかったため、蓮華升麻の群生地をいくつか見て回りました。
蓮華升麻の花というのは、思ったよりかは小さいんですね。しかも山の斜面の木陰にひっそりと咲きますから、とりたて目立つような存在ではありません。が、やはり群生となると、見下ろせばそこは見渡す限りの蓮華升摩の花壇。大雨の後の水滴と、木漏れ日の光のほのかな輝きで、涼しげな蓮華升麻を観賞することができました。
雨も止み太陽が出てきた頃、富士峰園地から見える奥多摩の山々は、とても空気が澄み渡って綺麗に見えました。そこに、薄めでほんの僅かながらですが、虹がかかっているのを発見。雨の日が多くて最近の外出は散々な目にあっているのですが、こういうのもたまには良いですね。
『東京都』の写真集についてはこちら
基本的に人ごみが嫌いですので、外出でいくところといえば、閑散としていたり、静かなところを好んで行きます。が、やっぱり夏だもの、夏の象徴といえば『向日葵』でしょうということで、山梨県は北杜市にある、明野ひまわり園へ行って参りました。
折りしも今の時期は、『明野サンフラワーフェス』が開催されており、メイン会場をはじめ、辺りは向日葵の花で埋め尽くされているかのようでした。
けれど実際のところ、この辺りにはそれ以外にこれぞといった名所があまりないのですよ。残念なことに。強いて申し上げれば、山梨県立フラワーセンター・ハイジの村とか、ミサワワイナリーといったところでしょうか。
どちらかというと、季節に合わせた農業的なイベントが多いところなのでしょう。夏だと、ブルーベリー狩りやジャガイモ掘り、秋はさつまいも掘りやりんご狩りといった具合に。
ただ、北杜市全体としては、美術館が非常に多く、美術的な観光の名所として知られているようです。今回の旅は『向日葵』がメインでしたが、文化や美術を中心とした観光も是非体験してみたいものです。
さて、最近は妙に雨男になっているワタクシ。『明野サンフラワーフェス』に到着した時は晴れていたものの、遠くには夏特有の入道雲が発生し、今にも雨が降りそうな雰囲気になっていまいた。
それが的中し、帰ろうとした際はやや小雨がぱらつき、電車に乗って帰路につくや否や、甲府近辺のJR線・私鉄各線が、大雨や落雷の影響で一時運転ストップ! 中央本線は辛うじて無事だったため、そのまま足止めを食らわず帰ることが出来ました。
山の天気は変わりやすいとは言うものの、ここまで連日のように急激な変化をするようなものなのか? と疑ってしまう今日この頃であります。。
『山梨県』の写真集についてはこちら
鎌倉は関東でもとりわけ多くの神社仏閣が点在する土地。また、7月末~8月にかけて、蓮の花が見頃を迎える地でもあります。
それ故あってか、夏休みの家族連れやお年寄りの観光ツアーは勿論のこと、外国人環境客でいっぱい(京都や日光ほどでは無いにせよ)。特に、中国や韓国からお越しの方が多く見受けられました。
鶴岡八幡宮から江ノ島電鉄に乗り、長谷寺、高徳院を経て、極楽寺へ。
長谷寺は観音堂内の十一面観音像が有名ですが(ちなみに撮影厳禁)、それと同じように、正門から目の前の日本庭園も、小規模ながら美しかったです。蓮は勿論の事、槿・桔梗・百日紅等、静寂な夏を思わせる花々が咲き誇っていました。
階段を登り、本殿へ。この日は割りと雲に覆われた天気なのですが、8月ならではの猛暑日。そのため、長谷寺の境内から見渡せる由比ガ浜は、もう海水浴客でいっぱいでした。
鎌倉といえばやはり高徳院の鎌倉大仏。20円で中に入れるのは有名ですが、混み混みの状況と中の狭さから、中に入るのは断念。というか、前にも入ったことはありますし。
長谷寺、鎌倉大仏からは、歩きで成就院を経て極楽寺へ。
成就院は、境内に入ろうとしたら何故か江ノ電サブレやお茶を無料で配布しており、有難く頂戴してしまいました。しかし何事かと思い中を覗くと、畳の間に多くのお年寄りが。配られた土産物の中身を見てみると、真言宗の読経の紙が! 何とこの日は成就院で読経会が催されたそうな。
あまりにも場違いっぷりに慌てふためき、そそくさと出ることに。あ、でもお土産物は本当に有難く頂戴してしまいました(←悪党)。
それに比べて、極楽寺は全くと言っていいほど人がいなくて閑散としていました。が、そこに海風の混じった涼しい風が漂い、神社仏閣ならではの静寂な空気が立ち込めて僕個人としては好きな空間なんですけれど。
鎌倉を後に、次は電車とバスを乗り継いで三溪園へ。
まさか、横浜のど真ん中にこんな切り立った峡谷のような場所があるとは思いもせず、また広々とした庭園があったとは思いませんでした。
東京の新宿御苑や浜離宮とはちょっと違う、横浜の隠れた名園のような位置づけなのでしょうか。難を申し上げれば、交通の便が若干悪いことと、近くに高速が走っているため、庭園ならではの静寂、ということまではいかないところでしょうか。
園の中心部にある大池は、日本庭園としては割りとお約束の構図。でも、池に目立った小島がないところが、岡山の後楽園と似たような感じを醸し出しています。
そこに、三溪園ならではの特長といえば、三重塔ですね。どこからでも見ることが出来、またどこからどの角度で庭園内の写真を撮ったり絵画を描いてみても絵になる建築物ですね。
鎌倉にはこの他にもまだまだ多数の神社仏閣が点在しています。京都と同じように一日では回りきれないくらいの。時間の都合もあって多くは回りきれませんでしたが、何回かに分けて、違う顔の鎌倉を堪能するのもいいかもしれません。
『神奈川県』の写真集についてはこちら
広い敷地にズラリと並ぶ、蒸気機関車から通勤電車、新幹線までの実物の車輌の数々。普段目にすることはあまり無いけれど、鉄道の運行を支える数々の部品群。日本に鉄道がもたらされてから現在に至るまでの歴史を刻む資料。日本最大の模型鉄道ジオラマ、体験学習やミニ運転列車などなど、子供が決して暇しない仕掛けが目白押し。特にヒストリーゾーンは実物の車輌が軒を連ねているだけに、死角が多くまるで迷路。お子様が迷子になること請け合いです。
また、一部を除いてこの博物館の展示物は撮影可(さらその一部はフラッシュ不可)。なので、お子様連れの家族や鉄道マニアの方々がこぞって撮影に夢中になり、その周囲にはいかにも「早く終わらせてよ! 次は私たちが撮りたいのに!」と無言の圧力を体内から滲み出しながらイライラしている方々も。電車内では譲り合いの精神を持たせても、こと博物館内ではそうはいかなそうです。気持ちは分かりますが……。
車輌の外観の鑑賞はもとより、車輌の内部にも入ることもできます。さらにはそこでお弁当を広げて、鉄道旅の気分を味わうということも。わりと乗り物系の展示物は、蒸気機関車などのレトロを通り越して滅多にお目にかかれないものに目が行きそうですが、その他にも、日本の鉄道にはこんな車輌も活躍していた、ということを魅せる上でいいと思います。
2階に上がり、鉄道史を作り上げた数々の貴重なコレクションを見てから、鉄道模型ジオラマへ。
このジオラマ、僕の個人的な感想ですが、お子様向けです。日本最大規模であること、ナレーション付き運転プログラムでは早朝から深夜までの時間軸に沿った演出を施している等、これまでのジオラマに比べ趣向を凝らした展示となっています。が、やはり大人が見ると、「おー、電車が動いてる動いてる、山間部を通過してるー」と思うくらい。一番興奮していたのは、やはり一番前の席に座っているキッズ達でした。しかもプログラム前には、係りのお兄さんに「騒がない、終わるまで静かに座っている。約束できるかなー?」「はーい!」と元気よく挨拶していたのに、プログラム開始5分くらいで感動の感嘆。そして動く模型を追って場内を駆けずり回り。まぁそれくらいは予想できていたし思ったより静かでしたので気にも止めませんでしたが……。
ラーニングホールやミニ運転列車は、子供向けの体験コーナー。特にラーニングホールは国立科学博物館の実験スペースの鉄道版といったところでしょうか。何故鉄のレールに走らせているのか、何故カーブを走れるのか、ブレーキをかけるポイント、等々。
というわけで、大人だけでも楽しめるところも確かにありますが、大半はやはり子供向けの展示や企画が多く占めていました。
しかし前述の通り、特に1階のヒストリーゾーンは実物の車輌を展示しているので、死角と迷路になっています。それぞれ鑑賞のペースがありますから、あっという間に仲間とはぐれてしまうでしょう。予め、待ち合わせ場所を決めた方がよさそうです。
それでも、全館見て回るのに2時間~2時間30分。体験コーナーに触れると、3時間は余裕で越えるでしょう。それだけ、沢山の車輌や部品、そして技術によって、日本の鉄道が支えられてきた、というわけですな。
『埼玉県』の写真集についてはこちら
日光山輪王寺から入り、日光東照宮、日光二荒山神社、家光廟大猷院へ参拝した後、神橋へ。
いやはや、流石と言うべきでしょうか。観光客の散財のさせ方は。
これまでにも色々なところを旅して、ご当地の神社仏閣をお参りしてきましたが、日光の社寺以上にお金を費やさせることに長けている神社仏閣は、見たことがありません。だって凄いんですよ。『ここでしか売られていません!』という謳い文句がそこかしこにビッシリ! 何しろ同じ日光東照宮の中ですら、拝殿で販売されているものが拝殿以外の境内とかでは取り扱っていなかったりとか、なのですから。
しかし敬虔(?)なる参拝客からの貴重な収入源。世界遺産としての名に恥じぬよう、保存や修復に使っていただきたいものです。心から切に。
そしてやはり世界的に有名な社寺。時差ボケなんぞ我には存在しないと言わんばかりに、多国籍のお客さんがわんさか。それも朝早くから。まだまだ日本人観光客の方が多いですが、人口比率は刑務所のそれと肉薄しているのではないかというくらいの、海外からいらっしゃった方々でいっぱいです。
アメリカ、ヨーロッパからいらっしゃった方々は勿論のこと、中国、韓国からいらっしゃった方々も(何を喋っているのかは分かりませんが、言葉の発音で何となく分かります)。これだけ多国籍になったからなのか、路線バスの案内も、普通の日本語に続いて、英語・中国語・韓国語の放送が。世界遺産に登録される、ということは、もう日本人だけのものじゃないのね、と思い知らされる瞬間です。良くも悪くもですが。
あくまで日頃の疲れを癒すための旅だったのですが、思わぬ色々な発見ができた旅でした。特に『日光の社寺』は、世界遺産に登録される前と、された後の両方を見ているため、見た目は変わっていなくても、取り巻く雰囲気がやはり変わっていると思いました。
『観光』と『遺産』というのは、本来は相反するもの。両立は出来なくは無いが、それにむけての努力は非常に難を極める。観光資源として活用しつつも、遺産として遺す方法を探っていくのは、容易なことではありません。
それは、奥日光の自然も同様。戦場ヶ原をはじめとする湿原は、ラムサール条約に登録された極めて貴重な自然遺産。そこにも、環境破壊の魔の手が押し寄せているのだとか。
どちらにしても、登録がゴールではない。登録されたことで満足してはいけない。未来に遺す為の必要な努力は、始まったばかりである。自然と文化が生み出す神秘は、見る者にそう思い起こさせます。。
『栃木県』の写真集についてはこちら