感動屋のCyberです。
この映画のテーマは、『心のコミュニケーション』。
ゾウは、独特の低周波の音波を出して、互いにコミュニケーションを取っているんだそうです。それは子供や大人、雄雌問わず。
更に、遠くまでその音波が通るので、遠くにいる自分達の仲間が危険な目に会っても、すぐに分かるんだそうな。
すごいレーダーによるコミュニケーション能力です。正に「心と心が通じ合っている状態」なんでしょう。
逆に人間は、言葉でのコミュニケーションが発達しすぎて、心のコミュニケーションが全くといっていいほど取れなくなっている。
それは、赤の他人ならいざ知らず、友達や家族ですら。
その度が過ぎれば、平気で傷つけ、殺すこともしてしまう。
主人公のゾウ使いの少年や、その家族の、それぞれの想いをぶつける事に不器用なところは、そんな、現代の人間の「心のコミュニケーション」のジレンマを、そのまま投影するかのように感じました。
「ゾウ」が、家族を変え、心を変え、そして未来へとつなげていく架け橋の役目を果たしているのです。
それも、決して長くは続かないんですが 。
人間、ゾウに限らず、それぞれの幸せを追い求める直向な姿勢がよく伝わる映画でした。
それが、相手にうまく伝わらず、「もどかしい」と感じるシーンも同じく。
加えて、坂本龍一が要所要所で涙を誘う音楽構成もよかったです。
実話を元に作られた、不思議で、心温まる映画でした。
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