『友情』というテーマに繰り広げられる、大自然の冒険奇譚も、全体を観てみると何だかビミョーに不発。
冒険は冒険で、色々な恐怖に戦慄する体験を交えながら、もっとマダガスカルを駆けずり回るものを予想していたのですが。
また、この映画のポイントとなっている『友情』。大自然に触れるうちに野生の本性が目覚める。本来ならば、肉食動物と草食動物は、捕食するかされるかの関係にしかないのだが、これまでの間柄を再確認し、『野生』よりも『友情』という選択で幕を閉じる。それも、あまりいいまとまり方ではありませんでした。
もちろん、全編CGで作られている映画なので、非常に趣向を凝らした作りにするのは並大抵なことではないのは分かっていましたが、短くてもうまくまとまっていた『コープス・ブライド』と比較すると、どうも消化不良な感じがするのは否めません。個人的に。
恐らく、子供にもよく分かるような話の流れになっていると思うのですが、ポイントの『友情』の部分がうまく引き出せていないので、観た子供ももしかしたら消化不良を起こすかも。それでしたら、まだ『モンスターズ・インク』の方がずっと良かったと思います。
出来合いとしては、イマイチな作品に思えました。
そんな中でも、この映画の見所は何といってもペンギンたちでしょう。
あの悪巧み。あのバイタリティ。チームとして成り立っているのかいないのか良く分からないところも魅力的。
主人公だったら、それはそれで面白いけど、脇役の更に離れた、「物語」という箱の外で動くような存在だから、あのキャラクターが引き立ったのではないのでしょうか。
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