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2024/11/23 01:52 |
[Review] バンテージ・ポイント
バンテージ・ポイントいわゆるサスペンス映画のジャンルですが、物語の流れは以下の通り。
 1.演説中の大統領暗殺計画
 2.演説会場を爆破し、混乱に乗じて要人誘拐
 3.限られた証拠や目撃情報から、犯人特定・追跡
 4.犯人を追い詰め、要人救出

この通り至って単純。既にこれまで何度も映画化された内容ですので、もし、単にこの内容を淡々と映し出すだけでしたら、あまり観る必要は無いと思います(過去に面白い作品はいくつも公開されてますし)。

ですが、今作は確かに大筋は単純明快であるものの、その見せ方が斬新!
主人公は確かに、デニス・クエイドが演じる、シークレット・サービスのトーマス・バーンズなのですが、物語の展開は彼の視点からだけではない。大統領暗殺・演説会場爆破計画に居合わせた、実行犯・目撃者・追跡者計8人の視点で描かれています。例えば、ある時点でトーマス・バーンズが目にした情報と、全くの同一時刻に、フォレスト・ウィッテカーが演じるハワードが目にした情報が、全く違う。そしてハワードが見た情報が、事件の全貌を明らかにする上で、重要な手がかりとなることがある。
それぞれの登場人物の目撃した情報は、確かに一つの『事実』である。しかし、『真実』は同じとは限らない。各人の行動や、各人の持つ『真実』が明らかになるにつれて、少しずつ、事件の『事実』である全貌が解れていく。

同時刻に別の人間の行動が描かれる作品と言えば、言わずと知れた『24』が挙げられます。『24』の場合は、ある一定時間は登場人物Aが、特定の時刻を境に、正にその時点で登場人物Bがいる場所、いる状況に映像が移る、という手法を取っています。その間、何気に登場人物Bの『空白時間』があるのですが、それでも、切り替えの瞬間に他の人物が今どこに居て、どのような状況になっているのかを『同画面』で表示しますので、リアルタイムな臨場感・緊張感を得ることができます。
一方の『バンテージ・ポイント』は、ある一定の時間の行動を、『24』のような『空白時間』を作ることなく、8人全ての視点で描いています。勿論、1画面に同時に8分割なんてできません。ある特定の時間の、ある人物の視点が描かれると、次は同じ時間の、別の人物の視点が映し出されます。別の人間の視点ですから、同時刻に目撃した情報は勿論、目に映る情報に対する主観も違います。これが、目に映るのは確かに『事実』だが、同じ『真実』とは限らない、ということの所以です。

難を申し上げれば、実行犯の詰めの甘さでしょうか。
登場人物の視点が次々と明らかになる、ということは、今回の犯行計画の全貌も明らかになる、ということになります。その用意周到さや、情報の収集能力や操作能力の絶妙な上手さといったら!
しかし、最後の詰めの方で、交渉を誤ったり、冷徹になりきれていないところを見ると、やはり詰めが甘いと思わざるを得ません。まぁ、あまりにも完璧すぎて、追跡者側としてもとても追いにくい状態ですと、そもそも約1時間30分という短い時間の中では収まりきらないでしょうけれど。

そうは言うものの、今までにない斬新なスタイルのサスペンス映画ですので、これまで山程堪能してきた方でも、十分楽しめる内容なのではないかと。

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2008/03/08 22:15 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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