大理石の 台の上で 天使の像 ささやいた
夜になると ここは冷える 君の服を 貸してくれる?
基本的に楽しい歌なのですが、サビの部分に入るまでの不気味な雰囲気は、子供心に恐怖を感じました。薄暗い美術館の中、動くわけが無いのに今にも動きそうな収蔵品の数々。でも、僅かに聞こえる石が擦れる音。衣擦れの音。
「動くはずが無い。動くはずが無い」。そう念じながら、そろりと後ろを振り返ってみる。その目に飛び込んでくる、信じられない光景。生命の無いものに、生命が吹き込まれる瞬間。夜の帳が、その非現実感を更に冗長させる…!!
今でこそ、エンターテインメント上でのその恐怖心は非現実的であるからこそ、かえって心地よいものになっております。なので、この映画では、『夜の闇と静寂の中で、生命無きものが今正に動き出す瞬間』を、ホラー映画ばりに丁寧に描いて欲しかったのですが、
それを差し引いてもお釣りがくるくらい面白かったのでOKでしょう!
あんまりやり過ぎると、かえって子供さんが泣いてしまいますので…(笑)
細かいところは突っ込み放題でしたけどね。
ネアンデルタール人の顔や骨格の造形が、やけに現代人に似ていたり。
南米原産の動物が、アフリカの動物スペースに陳列されていたり。
何より影の番町の存在があったり(これは本編をご覧下さい)。
そんな突っ込み満載であるにせよ、肩の力を抜いて観るべき映画でしょう。これはあくまで『映画作品』であり、『エンターテインメント』なのですから。
雰囲気的に『ナショナル・トレジャー』に似ていますが、こちらの方はトレジャーハンター映画の王道を貫いている映画。『ナイト ミュージアム』は、単に収蔵品が動く理由を解き明かすだけの枠にとどまらず、人と収蔵品という、ありえない相対するもの同士のボケとツッコミの応酬をふんだんに取り入れることで、子供にも大人にも大人気の映画に仕上がったと思います。
一番笑えたのは、ジオラマのミニチュア人間による勇敢なる活躍ぶり。
如何に勇猛果敢に攻め入ろうとも、現実世界との大きさの対比に、笑わずにはいられませんでした(笑)。
「大好きな絵の中に 閉じ込められた」なわけですよ。
俺の中では「まっくらくらいくらい」と「およげたいやきくん」と並ぶ3大トラウマソングですがな。
でも今はいい思い出じゃよ。
『青春の歌』として人生ベスト10にランクインされる方もいらっしゃるくらいですけん……
>ていうかさ、メトロポリタン美術館は落ちが何よりホラーでね?
>「大好きな絵の中に 閉じ込められた」なわけですよ。
>俺の中では「まっくらくらいくらい」と「およげたいやきくん」と並ぶ3大トラウマソングですがな。