『春の花』と一括りに言っても、その種類や咲く時期は色々あります。
まだ厳しい寒さが残る時期に咲き始める梅。春の爛漫とした空気の中で、燦然と輝くように咲き乱れる桜。暖かな陽気に包まれながら咲き始めるチューリップ。新緑が芽吹き、夏の気配がすぐそこまで来ている時が見頃の菖蒲。
大いなる自然の力に身を任せながら花を咲かせる上では、それらを一度の時期にいっぺんに見るのは非常に難しい。でも、やはり少しでも多くの色と種類の花を愛でたいもの。それには、この春に咲く種類の花を、一度に沢山見ることが出来る境界線となる時期である、4月中旬の時期が一番適しているのではないかと思います。
遅咲き・早咲きのタイミングもありますので、運がよければ、思っていた以上の花を愛でることが出来るかもしれません。4月の中旬であれば、もう桜は散ってしまい、新緑で覆われている頃ですが、ちょっと目覚めが遅い桜の花をポツポツと見ることが出来ますし、逆に、気の早い5月に咲く花を見ることが出来るかもしれません。
国営昭和記念公園では、正にそれを実現するほどの種類の色とりどりの花が咲き乱れています。ちょっと遅めですが、でも菜の花はまだ一面の黄色い絨毯を作り上げているし、個性豊かなチューリップの花も、まるで自身を誇示しているかのように、競い合っているかのように咲いておりました。
こういうところを、花を愛でながら歩いていると、福山正治の『東京にもあったんだ』を自然と口ずさんでしまいます。都心から電車で1時間足らずのところでも、こんな綺麗な場所があったなんて。
東京に住み始めてから2年半。でも中学・高校が東京だったし、大学は神奈川だけど決して東京は無縁の場所ではない。
でも、まだまだ知らない。これから知るところは増えるけれど、知らないところもまた増えるでしょう。だからこそ、面白い。
「東京にもあったんだ、こんなキレイな場所が」。
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