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2024/04/25 20:12 |
[Review] インセプション
インセプションinception

[名][C] 始め、発端



これまでにも面白いと思える作品は多くありますが、ここ最近で、僕的に最も面白い作品がコレです。感想を申し上げる前なのですが、大変お勧めの作品です。
『夢』に関する作品の多くは、何といっても『夢オチ』。既に原作がある、あるいは映画化された作品があるものは別にしても、最後の最後で夢オチ、というのは、どんなに内容が面白く濃いものでも、

……… (゜Д゜;)

になりがちなもの。しかし、この作品は、敢えて最初から『夢の世界』であることを前提に、物語は進んでいくのです。

『結局は夢オチ』というのは、演劇で言う『機械仕掛けの神 (Deus ex machina)』のように、一気に物語を終息させるスーパーパワーがある、という意味では非常に行使しやすい。まぁ、鑑賞側としてはあまりにも腑に落ちないことが多々あると思いますが。その反面、最初から『夢の世界』が主たる世界と銘打っている作品は、既にその時点で縛りを設けているわけで、やり方次第では、ものすごく物語が希薄になりがちになってしまうと思うのです。
しかし、そこはやはりクリストファー・ノーラン監督の手腕と言うべきか。約2時間半の長めの作品となっていようとも、複雑ながらも明瞭で、スタイリッシュな作品に仕上がったと思います。
また、『夢の中の夢』、さらに深い深層意識の中に潜り込む、意識の層のより深いところに行けば行くほど『潜り込んだ者』が引き起こす行動に制限がかかり、その中で目的を果たすことになるからより複雑になり、さらには、上層意識の影響も色濃く出てくる。その意識の層の中での横展開と、上の層と下の層とで影響しあう意識の具現という縦展開の複雑な絡み合い方が、一層、観る者を引き付けて止まないと思います。

しかし、そんな中で突如として現れれば消え、その繰り返しを見せる、主人公を『惑わす存在』。
夢、つまり潜在意識の中に潜り込み、その中で理想の世界を作り出す能力であるがゆえに、その世界に入り浸ることそのものが、ある『罪』を作り出す。それは、『夢』と『現実』の区別がつかなくなること。『夢』の世界があまりにも理想的であるために、『夢』の世界を『現実』と思い、『現実』の世界を『夢』と思いこむ。『夢』こそが自分にとっての『現実』であり、『夢』こそが、自分にとっての『住む場所』である。その狭間に苛まれ、やがて人は廃人になっていく……。
『夢』の世界は、何も甘く優しく包み込むだけの世界ではない。その世界に入り浸ることこそが、『現実』での苦痛・辛苦に耐えられなくなってしまうことだってある。主人公は、それを知っていたのに……。


特別に、哲学的なメッセージ性が前面に出ているわけではない、スタイリッシュなアクション映画となっていますので、気軽に鑑賞することもできると思います。是非、ご覧になってみてください。

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2010/07/18 21:38 | Comments(0) | TrackBack() | Review - Movie

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